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映画感想#60 「レナードの朝」(1990年)

原題 Awakenings
監督 ペニー・マーシャル
脚本 スティーブン・ザイリアン
出演 ロバート・デ・ニーロ、ロビン・ウィリアムズ、ジョン・ハード、ジュリー・カブナー、ルース・ネルソン、マックス・フォン・シドー 他
1990年 アメリカ 121分



「生きる喜び」を感じられる映画

なんと切ない話なんでしょう…。
そんなことよりも、これが実話がベースであるということに驚きます。実際にこんな出来事があったなんて。

レナード本人の苦しみ、辛さ。本当に悲痛な思いでしょう。30年も昏睡状態で、やっと目覚めたと思ったら知らない間に年を取っていて。しかも、体は再び徐々に動かなくなってくる。自分の体が自由に動く時間に限りがあると知った時の恐ろしさは、想像もできないようなものでしょう。
そしてレナードを救うことができない医師マルコムの苦しみ、周りの家族の苦しみ。

誰もが苦しいのにこの映画はあまり暗い雰囲気ではありません。マルコムの優しい笑顔、昏睡から目覚めたレナードの笑顔が全体を明るく包み込んでいるようです。

原題のAwakeningsは「目覚め」という意味。眠り続けていたレナードの目覚めの時でもあり、彼に触発されたマルコムの目覚めでもあると思います。
マルコムは研究に没頭するあまり、孤独な人生を送ってきました。しかし、彼の患者であるレナードが、「人生は楽しい」ということに気づかせてくれたのです。
邦題はその意訳として「レナードの朝」になるのでしょう。「朝」という単語がこの映画の優しくあたたかい雰囲気に合っていて、良い邦題だと思いました。

レナードの言葉に動かされたマルコムが、彼から受け取るものは何なのか。
きっとそれは、他人と向き合い後悔のない人生を送ること。
この映画は、マルコムが赴任してから親切に接してくれた看護師のエレノアをコーヒーに誘うシーンで終わります。
そんなラストシーンも相まって、この映画は「今を生きる喜び」に満ち溢れていると感じました。

☆鑑賞日 2015年11月6日
第6回東京ごはん映画祭にて(マルコムがエレノアをコーヒーに誘うシーンからラインナップに入ったようです。)


余談〜名優の共演は高まる〜

ロバート・デ・ニーロとロビン・ウィリアムズの共演なんて見るしかないだろ…という動機で見たのですが、期待を裏切りませんね〜。最高です。
デ・ニーロの出演作品で見たいのは「グッドフェローズ」(1990年/マーティン・スコセッシ)です。確か去年?早稲田松竹で上映していたのに行きそびれてしまったので後悔。
ロビン・ウィリアムズだと「オールド・ドッグ」(2009年/ウォルト・ベッカー)が見たい。ジョン・トラボルタとのW主演なんて!レビューの評価がめちゃくちゃ低いのですが、それも逆に気になります(笑)
亡くなってからもう10年も経つのですね。時が経つのは早いものだ…


ここまでお読みいただき、ありがとうございました。

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