あたくしの誕生譚

私が生まれる二日前、母は産婦人科の病院に入院していた。

親戚「まだねー?」

母「まだよー。」

母はそんな会話とかしながら雑誌を読んだりしながら、入院生活を送っていた。

そして、母は、生理痛が酷くなったような辛さを背中と腰に感じたそうな。

母は祖母に付き添われて、出産の覚悟を決める。

看護師さん「まだ降りてきてませんねー。」

看護師さんらは、母と祖母にそう言うと、別室でその時の準備をする。

ふと、その時、母は何かを感じた。

「お股の間に何か丸い物がある?」

母「母さん、なんか股の間にある」

祖母「じゃあ、看護師さん呼んでくるね」

と、祖母から呼ばれてきた看護師さんが母の股にあるものを見た。

看護師さん「あら!頭が出てる!!!」

そして、看護師さんが先生を呼び、看護師さんらは、

先生「もっと早く呼びなさい!」

と、叱られる。

そして母は分娩台に移り、母曰く「するっ、ぽん!」と私は誕生した。

後に母は語る。

「お産は共同作業なのに、あなたは合図(陣痛)もなく、勝手に生まれてきたのよ」

私は「そんな馬鹿な!」と声を荒らげたが、祖母という生き証人がいた。

母「あー、〇〇君(弟)の時は大変だったなー。」


母はそう言うが、私が生まれた時も、弟が生まれた時も、幸せだったらしい。

生まれ方はほんのちょっとだけ変わっていたが、私は祝福されて生まれてきたのだ。

ありがとう。





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