絵本のストーリーボードづくり
ここ数日、絵本のストーリーボードづくりをしていた。昨夜ようやく担当編集者さんに送付。
ホッと一息ついたところ。
ラフの作り方は人によっていろいろ
私流なんだけど、絵本のラフはざざーっとサムネールを並べて作る。サムネールというのはラフのラフ、親指の爪くらいの小さなイメージ…という意味。
作家さんによって、絵本ラフの描き方はいろいろあるらしい。ストーリーボードみたいなのは作らず、最初から原寸大ラフや、冊子の形に製本して…という方も。
確かにその方が、本の感じが掴みやすいのかもしれない。文字少なめで、絵だけで展開していく本などには、向く方法なのかな、と思う。
私は、テキスト多めのお話を、何度も内容を細かく変更するので、ページ割がしっかり固まるまでは、原寸ラフは描かないタイプ。早いうちから細かいことは決めない方が、いざ本番!というときに、「描きたい」気分が盛り上がる気がする 笑
あと、小さいコマで全体を見渡したい、というのもある。大きい絵の見開きだと、展開をつかみづらいなあ、と。
ラフ起こしの最初は手描き、仕上げはデジタル
ちなみに、技術的な話になりますが…。
一番最初のサムネールは手描き、原寸ラフに近づくにつれ、詰めはデジタルで仕上げることが多い。
最初頭に浮かんだイメージは、手描きの方が断然いい感じに描き起こせる気がする。スケッチブックに、思いつくまま豆粒みたいな落書きをいーっぱい描いておくと、それがあとあと、個展のスタート地点になったりもする。
逆に、なぜかデジタルだと、細部が気になって発想が広がらない。代わりに、デジタルツールは清書や仕上げにすごーく向いていて、細部まできれいなラフが描けるのがありがたい。トレースや切り貼りが簡単にできるからかな、と思う。
私がラフの仕上げに使うのは、iPadのProcreate。Procreateは、Photoshopを使っている人ならほぼストレスなく扱える優れモノアプリ。もちろん、ペンタブの達人なら、フォトショで直接描くのもいいし、Sidecarなどで端末をつないで描いてる人もいる。
ただ、デジタルツールでひとつネックなのが、手を痛めやすい、ということ。Apple Pencilやペンタブで絵を描くと、私はよく手を痛めてしまう。ガラス面が硬いのと、筆圧が強いからなのだろう。
おかげで、昨日から久びさの腱しょう炎。利き手にぐるっとテーピングをしながらの作業になってしまっている。
やはり、紙に手描きの方が、長時間作業してられる気がする。紙って、それなりにやわらかくて、クッションのようにショックをやわらげてくれるものなんですね。
絵本設計の難しさ
さてさて、絵本に話を戻すと……。
この企画、「いきましょう」となってから早2年。
ゴーサインをもらえた直後にドーンと展開を変えて、担当編集者をびっくりさせたり。かなり紆余曲折して、時間も使ってしまった。たぶん、小説でも童話でも、物語なら基本同じなのだろうけど、特に絵本は、入れられるメッセージが限られていて、その見せ方がとても難しい。
ページ数は32p、読者の子どもにスッと受け入れられる流れにしてあげたい。つい「あれもこれも」入れたくなってしまうが、我慢して、シンプルに、ストレートに伝えるよう設計しなくちゃいけない。
詳細ははぶきますが、この企画については、主人公の動機の説明が複雑で、短い絵本の中で伝えるには中途半端になりそうだった。今回は、そこを思い切ってカットし、テーマである自然現象にフォーカスするいう方向に舵を切った(つもり 笑)。
おかげで、絵もわかりやすくなったんじゃないかな? と……。
「いいですね。今度こそ、これでいきましょう!」
という流れになるといいなあ、と思いながら、テーピングの手首をこすっております。
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