漢方の基本その2【気血水】について

今回は気血水(きけつすい)について記事にしました。
気・血・水とは、東洋医学の考え方で体を巡っている3つの要素です。

東洋医学ではこの3つがスムーズに巡っていることが、健康を維持する上でとても大事だと考えられています。

普段から人間の身体は、やじろべえの様にバランスを取りながら健康を保っています。ストレスや不摂生などで、長い期間身体に負荷がかかっていると身体全体のバランスを崩し、いずれ病気となります。

普段から元気がない、食欲がない、眠れないなど、誰しも思い当たるのではないでしょうか?
病気ではないけれど小さい不調がある状態を未病と言います。

そんな少しの不調を、自分で治せたら良いと思いませんか?
まずは自分の体質を知ることで、対処法がわかるようになります。

自分への健康投資としてぜひ参考にして見てください。

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漢方の考え方の1つに、気・血・水(きけつすい)の理論があります。

→身体全体をめぐるエネルギーであり生命力。温め、巡らせ、防御する役割

→血液だけはなく、全身の栄養状態や、精神活動にも関係する

→血液以外の体液

これら3つ、全てが満ち足りていて、スムーズに巡っている状態が健康といえます。
逆に、足りなかったり、巡らずに滞っていると様々な症状となって現れてきます。

気の特徴

◇気が足りていない【気虚:ききょ】

気虚の場合こんな症状が現れます。
・疲れやすい
・寒がり
・風邪をひきやすい
・日中に眠くなる。
エネルギーが足りない為に、動かせない、温められないなどの状態です。

気は特に、3つの要素の中でも一番大事で、主に食事から摂取し、自分で作り出す必要があります。胃腸が弱いと、食べたものが消化吸収されずらく、慢性的に気虚になりやすくなります。

 

◇気の滞り【気滞:きたい】

気滞の場合こんな症状が現れます。
・イライラする
・ゲップがよく出る
・不眠気味
・便秘
・生理不順
・気分の浮き沈み

ストレスで気が巡らなくなると、気持ちが不安定になったり、イライラしやすいなどの症状につながります。

漢方を用いて気の詰まりを改善すると、1つの症状だけでなく、1度に様々な症状が改善する事もあります。

血の特徴

◇血の不足【血虚:けっきょ】

血虚の場合こんな症状が現れます。

・肌の乾燥
・経血量が少ない
・爪が割れやすい
・足がつりやすい
・眠りが浅い
・夢をよくみる

 血(けつ)とは、血液だけのことではなく、精神的な活動にも深く関わりがある要素です。

胃腸が弱かったりすると、食事が消化、吸収されずらいので、血が作り出せず、慢性的に血虚に傾きやすくなります。


◇血の滞り【瘀血:おけつ】

瘀血の場合こんな症状が現れます。

 ・肩こり
・腰痛などの固定性の痛み
・月経痛、血塊がある
・冷えとのぼせが混合している
・シミができやすい
・アザができやすい

 血(けつ)の巡りが滞ったり、遅くなったりしている状態です。
手足の末端が冷えやすくなったり、痛みなどの症状がでやすくなります。
瘀血は万病の元と言われていて、様々な症状に繋がります。

水の特徴

◇水の不足【津虚:しんきょ】

津虚の場合こんな症状が現れます。

・口や喉が乾く
・便秘気味
・体がほてる
・舌がひび割れる

 体内の潤いが足りず、余分な熱がこもりやすい状態です。
ほてりや、肌の乾燥、口渇などの症状が出やすくなります。


◇水の滞り【水滞:すいたい】

水滞の場合こんな症状が現れます。

 ・体がむくむ
・軟便気味で下痢しやすい
・体が冷える
・雨の日に体調が悪い
・船に乗っている様なめまいがする

 体中に余分な水分が溜まっている状態です。
本来必要な水も、巡らなくなると老廃物へと変化します。
アレルギー症状や、喘息にも関わりがあると言われています。


このように、気・血・水は、体質を判断する材料の1つです。
どれか1つ当てはまるのではなく、すべての症状が当てはまったり、季節によって変わる場合もあります。

さらに、気血水全てになんらかの症状がある場合、根本に 気虚 を抱えていることが多く、エネルギー不足で気血水を作り出したり、巡らせるパワーがない状態です。もともと胃腸が弱い方も気虚になりやすいです。

いくつも症状がある場合はどの症状が、一番辛いかで判断します。

気血水のうち、どこがバランスを崩しているか把握しておくと、足りない場所は補い、滞っている場所は巡らせ対処できるので、自分で体調管理できるようになります。

ぜひ日々の体調管理の参考にしてみてくださいね!

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