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壁に阻まれた時にどうするか

久々に庭でBBQ。時には家族のみの少人数BBQも悪くない。やっぱりホルモン最高!

さて、困難なケースには事欠かない日々。これまでの経験上、ある程度の課題を抱える方に対して今後の支援導入のビジョンくらいは浮かぶ。しかし自分の経験にも限界があるし、社会資源の不足は如何ともし難い。そういう時にどうするか。

私は思いつくことは全て試す。そしてさまざまな機関に「聴く」。悩みに暮れていても仕方ないし、「いつかなんとかなるか」と棚上げにしておくことも問題を先送りにしているだけになりがち。

私は障がい者支援については経験が深いとはいえない。これまで培ったネットーワークはもちろん、その他全く連絡したこともない機関にも当たってみる。ちょっと連絡することに二の足を踏んでしまうような機関・人にこそ、有意義な気づきや情報をいただけることが多い。

後見人に就任して2ヶ月になるYさん。年齢はもうすぐ50歳だ。これまで全く福祉制度利用なし。自室で過ごす日々。家族とも話をすることがないYさんは、そもそも言葉を発することができるのか。少なくとも20年ほど誰とも話をしていなさそう。本人の周りにいる公的機関の専門職等、誰一人本人と話ができたことがないらしい。関係者会議を開催、その後相談支援専門員にも同行をお願いしたが、逃げてしまう。何度試みても同様。
諸事情がありサービス導入を急がざるを得ないため、正攻法で本人に当たっていくことを継続するだけでは心許ない。

定期受診はしていないが、診断書を記入した訪問診療の精神科医にアドバイスを求めてみた。「結局話はできなかった。」と、状況から発達障害であることは間違いないものの、現状を突破するようなアドバイスはいただけなかった。が、「そういえば、10代の頃は特別支援学校?に行っていたんでしょう?寮に入っていたように聞いたが」と。20年以上経っているので記録なんて残っていないし当時の職員もいないだろう、しかも個人情報を出してくれるのかと疑問に思いつつ、藁にもすがる思いで電話。

電話で問い合わせた結果、「20年以上経っていますからね。分かれば、こちらから電話します」と、協力してくださる様子。その後わずか1日で電話があった。
「20数年前のYさんを知っています」と、職員さん。支援学校ではなく、旧法の施設だったようだ。偏りがあるが会話ができ、生活能力も高かったことが判明。環境に適応できていたことがわかった。自分の頭の中に、在りし日のYさん像が作り上げられ、現在秘められている力、行動の動機になる要素について仮説を立てることができた。


このように、情報が集まってくれば見通しが経ち、計画を作り上げていくことが可能となる。じっくり現状の情報を見直し、熟考することも大切。しかし、それだけでは日々が無為に過ぎる。そのような時、自分は小さな経験と知識しか持っていないとさっさと認めることだ。そして、他の専門職等の頭と経験、情報を拝借する。カンファレンスに呼べるような方々からは良い知恵がもらえない場合はもっと範囲を広げること、二の足を踏むような相手、場所にこそ当たってみることだとあらためて思った次第。

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