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支援にはスピードが大切?

10月なのにまだ半袖で過ごせてしまうが、朝夕は少し涼しくなってきた。ようやく秋を感じる今日この頃。
さて、今現在ちょっと焦り気味のケースがある。前回も書いた障がいを持つYさん。負債のため現在の自宅に住めるのは年度末まで。自閉傾向が強く、関係構築が難しいために私としては早期に関わり始め、頻回な訪問も辞さない対応が必要だと思うのだが、相談支援事業所の対応速度はもっさり・・。依頼して1週間以上になるが、担当者から未だ連絡なし。

 このような状況でヤキモキするのは、私が高齢分野に長くいたため、つい比較してしまうから。おおむね障がい者の相談支援を行っている方のスピード感は遅く感じる。それは高齢者と障がい者それぞれが直面する課題の違いからだと思う。
 高齢者の支援をしていると、急な計画作成を依頼されることはままある。例えば、先日まではなんとか歩いて近所のスーパーまで買い物に行っていたが、膝の痛みが悪化して行けなくなったとか、認知症はありながらもなんとか日常生活を送れていたが、徐々に食生活が乱れて体力が弱り、熱中症リスクが上がっている場合などだ。このような場合、急ぎ支援体制を作らないと健康状態が悪化し、生命にも関わることになる。それに、高齢者の場合は医療分野との関わりがどうしても大きくなるのだが、医療関係者の生命を支える意識は高く、時には本人の意思決定を蔑ろにしそうになる程、理想的なサービス計画の構築を求めてくる。(これはこれで困る)
 対して障がい者への支援は、それほどスピードを求められるケースは多くない。私が担当している方でも、生命維持はなんとか自力でできるが、生活の質の向上やより安定した食生活、内服治療を実現するためのサービス導入であることが多いように思う。それに、生命に関わるような事態は精神疾患を持つ方には見受けられるが、受診→入院という対応は急いでも、サービス計画自体を早急に変更するというような機会は少ないように思う。それに、クライエント自身のペースに合わせつつ支援を受け入れる準備を整えていく姿勢はまさに文化となっているのか、尊敬できる専門員が本当に多い。
 今回のWさんの支援についても、対応がゆっくりになるだろうことは折り込み済み。今月には会議を招集して支援はすぐにでもスタートすべきだと、まずは関係構築を促す予定だ。

 しかし、そうとわかっていても気持ちは焦る・・・。Yさんが無事に新たな場所で、これまでよりも豊かな生活を築き上げていけるのか。弛まず焦らず頑張ろう。
 

 

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