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限界突破サバイバルオーディション!timelesz project (ep1)感想

地面師たちの大ヒットから約1ヶ月。
極悪女王、あいの里2を待ちながらNetflixを惰性で更新しつづけていた私の目に、
“timelesz project”
なる番組の存在が飛び込んできたのは、先々週のことだった。

なんかおもしろそうだし、見てみよっかな〜程度の気分でEp.1を見た私は、あっという間に「アウトプットせずにはいられない!!」という熱意に包まれてしまった。

最初に申し上げておくと、私はtimelesz・Sexy Zoneというグループ、ならびにSTARTO ENTERTAINMENT (旧ジャニーズ事務所、以下旧J) に熱烈な思い入れがまだないことをご承知おきいただきたい。
ファンでもない、ちょっとアイドル好きのおばはんが書いたこの文章を、長年熱心に彼らを応援してきたファンの方が見ると思うと、恐縮で仕方ない。
ただ、timeleszの現メンバーを含め、この番組の魅力を伝えたいという一心であることをご理解いただければ幸いだ。

瞬く間にハリソンサムネを差し置いてNetflix日本1位を奪取したこのオーディション番組を、私は今秋目に焼き付けたい。
わずかなお小遣いを握りしめ、近所の文具店で非正規品の堂本剛クリアファイルを買った興奮が、記憶の彼方から蘇る。


旧J×令和オーディション=???


多くのアイドルを輩出し、長年国民的人気を定着させてきた旧J事務所には、採用からデビューに至るまで確立された伝統的なフォーマットがある。
小中高男子をクローズドな事務所選抜で"ジュニア"として採用し、縦の関係を中心に事務所のスピリットやアイドルたる振る舞いを年単位で身につけていく。
やがてデビューを目指すグループが結成され、ステージングのみならず演技・トーク・MCなどの総合的スキルを持ち、幅広い場面で活躍できるTHE芸能人が完成される。
非常に育成コストが高いが、確実に収益化できるタレントが世に羽ばたく仕組みだ。

一方、令和以降のアイドルオーディション番組の建て付けは、まだ見ぬ才能を見つけるシンデレラフォーマットだ。
歌・ダンス・表現力・ビジュアル・コンセプト消化などのステージング能力、横の人間関係のリアリティーに焦点を当てた構成が非常に多い。
また、SNSやサブスクメディアの成長に伴って構築された「非地上波放送」「オープン評価」「一般参加OK」という形式が多くの若者にはまっている
以前の活動歴や番組で見せた一瞬の輝きは、瞬く間にXで拡散され、時に中傷紛いの醜い争いにまで発展し、愛着形成の加速によって強固な"ファンダム"が形成される。

本作timelesz project (以下、タイプロ) は、なんと上記の一見相反する要素を融合させたとても実験的な番組だ。
ご覧になった方には共感してもらえると思うが、本番組は「形式=令和オーディション、内容=旧J」という印象だ。

内容である選考基準に関しては、旧Jイズム・総合的エンタメ人材であることが見てとれる。
いわゆる、タレント性の重視である。

形式に関して、グループおよび事務所を長年応援してきたファンからは否定的意見が多いであろう。
新卒がコツコツ努力する姿を見ていたのに、キャリア不明の中途採用者が突然プロジェクトメンバーに抜擢されるというのは、身内でなくてもモヤモヤするものだ。
それでも彼らが「非地上波放送」「オープン評価」「一般参加OK」の形式をとった理由は、下記3点だと考えられる。

  1. グループ存続のため = SNSやサブスク配信によって地上波を見ない層にまでtimeleszの存在を再浸透・拡大させたい。

  2. コアファンのため = 審査基準を担保したオープンな選抜をして納得してもらいたい。

  3. 新メンバーのため = 加入時点で守ってくれる個人ファンダムのある状態にしてあげたい。

このような明確な目的のため、闇雲に流行りに乗るわけでなく戦略立てて企画されたプロジェクトがこのタイプロだと、私は感じている。
そして現時点でのバズり具合を見る限り、彼らの蒔いた種は既に新芽を出し始めている気がする。

(補足) 旧Jアイドルと令和オーディションアイドルの違い


"仲間探し"というコンセプト


ASAYANのハロプロオーディションから、AKBグループ、LDHグループ、最近では純烈に至るまで、目利きのプロによるセレクション=メンバー追加オーディションというコンテンツは多数存在する。

しかしタイプロは、現メンバー=菊池風磨さん・佐藤勝利さん・松島聡さんが「企画・プロデューサー」であり「審査員」である、という点で、従来の追加オーディションとは大きく異なっている。
スキルの成長性を見るプロは、今後トレーナーになるにせよ、現時点ではあくまでアドバイザーの立ち位置である。
マネタイズの可能性を見ているであろう事務所スタッフは、一切表に出てこない。

予告や関連雑誌でメンバーが述べているのは一貫して「仲間探し」であるということだ。
スキルやビジュアルのレベル以上に、現メンバーとの親和性やグループリスペクトについての言及が繰り返し行われる。
彼らの根幹への適応力があり、協調の中でも輝く個性を持つ人材が、強く求められていることがわかる。

仲間探しということは、候補者だけでなくメンバー自身も自己開示をしていく必要がある。
1話で既に、ファンがSNSで「こんな○○くんは初めて見た」とざわつくような場面もあった。
今後回を重ねるごとに、アイドルの枠を超えて一人の人間として考え、感じ、表現する3人の姿が新発見できるのではなかろうか

また、参加者はグループを成立させるため、数ヶ月間で"プロ"に急成長することを求められる。
選考が最終盤に近づくと共に、有名既存グループの一員になる不安と覚悟は可視化されるはずだ。
従来よく見られた縦のつながり・横のつながり作りよりも一段難易度の高い、縦のつながりを横のつながりに変化させていく行程が見られそうなオーディション番組は、私が知る限り本作しかない。


魅力のかたまり!タイプロ人事部


ファンの方には大変失礼な話、私はこれまで彼らをしっかりと追っておらず、地上波に映る僅かな部分を除いては、今作の彼ら以外知らないも同然だ。
新規ファンになりうる者にとって、一体彼らはどのように映っているのか?感じる一助として少しでも参考になれば、との思いで、本作の人事部である現メンバー3人に対する印象をそれぞれ綴っていきたい。

● 菊池風磨さん

メインビジュアルでも審査員席でもセンターに座る彼は、本プロジェクトの中心人物だろう。
審査基準の核心に近い質問を積極的に投げかけ、同時にグループとして譲れない部分を参加者・視聴者双方に見える化できる、高い言語化能力に恐れ入る。
バラエティなどの断片的な情報から、相当な切れ者であることは薄々感じていたが、特にコミュニケーションの制御能力は魅力的である。
ダンス審査を失礼な態度で乗り切ろうとした者に対しては、怒りに飲まれず「なぜ踊らなかったのか?」を冷静にヒアリングする。
前世グループが解散した元アイドルに対しても、同情する前に「後悔はありますか?」と踏み込んで質問する。
彼は相手のペースに呑まれないよう常に会話をリードし、プロジェクトの手綱を握っている
次回予告を見たところ、バチェロレッテ萌子さん並の”的確すぎるガン詰め”が発生しそうだ。
新たな構文の誕生が楽しみで仕方ない。

● 佐藤勝利さん

応募写真の例が彼だったのだが、オイオイ証明写真でこれかよ!顔面完全勝利!と言わざるをえない、超絶美しいお顔でいらっしゃる。
ネトフリ基本料金以外無課金で、こんなにお美しいビジュアルを何度も再生させていただいていいのでしょうか・・・ねえ?
本作ではサブポジションと言ったところか、菊池さんより一歩引いて、参加者を俯瞰しながら特性を冷静に見極めている
キラキラアイドルでありながらも、恐らく性格的に3人の中で最も職人的な気質を持っているのではないだろうか
なかなか自己開示をしないであろう彼だが、裏を返せば終盤の友好的融和におけるキーパーソンになりうるのではと思う。
いや、それにしても本当に国宝級イケメンですよね。存在にありがとう

● 松島聡さん

失礼を承知で申し上げるのだが、彼に関してはキャラクターを全く存じ上げない状態で本編を見た。
温和で受容能力が高く、類い稀なる協調力を持つ人、というのがEP1を見ての彼の印象だ。
一次審査で送られてきた映像にあいさつをする姿、常に少し微笑みを浮かべて参加者の気持ちを和らげる在り方。
今後、参加者たちの心に最も穏やかに寄り添い、数々の問題を平和的解決したり、人と人との隔たりを溶かしてくれるのではないかと思う。
一方、リスペクトの感じられない参加者に対し、大切な価値観を踏み躙られたような眼差しを露わにした場面では、ぞくっとするような美しい色気とプライドを垣間見ることができた。
多面的魅力を持つ彼に沼落ちするファンが多い理由がとてもとてもとても、分かる。

三傑の並びに、果たして”仲間入り”できる猛者は現れるのだろうか。


3次審査以降の妄想


ここ一週間、隙あらば本編のスケジュールを妄想していた。

9月末まで2次審査公開、最終審査が年明けという情報から計算して、2週に1回ペースで2月頃まで続くとすれば、全12回程度の放送となる。
Ep1が約40分であったので、このペースが続けば、合計放送時間10時間弱。
100人から始まるProduce101シリーズの約1/3のボリュームで人間性・パフォーマンスを見せることを考えると、一般参加者組が三次でいきなり36名まで絞られたのも頷ける

まだ合流していないジュニア組は、年齢やキャリアを考えると、10人程度の少数精鋭になるだろう。
既存グループに関する噂が常時TLを賑わせているのを見る限り、未来を案じて有名グループを抜け参戦するチャレンジャーが現れてもおかしくなさそうだ。
旧Jイズムを体得し、メンバーとファンと一般参加者それぞれの架け橋的存在になりうることから、最低でも1名はジュニアからメンバーが最終選抜されてほしいと強く望む。

3人の仲間像に合致するかという点で、現ジュニアは一歩リードしているだろうが、一般から誰も選ばなければ「最初から事務所内オーディションにすればよかったじゃん」と新規層の関心が萎えそうだ
というわけで、一般からも最低2名は選ばれるのではないかと私は踏んでいる。

今後ありそうなイベントは、合宿や既存曲の課題発表といったオーディション番組定番の審査に加え、メンバーや先輩からの旧Jイズム講座や、仲間意識を育む運動会などが考えられる。
終盤には、現メンバーがリーダーとなる3組対抗グループパフォーマンスや、ファンへの挨拶ステージ新体制スタートの新曲お披露目等もありうると思っている。


まだまだ見たい男たち


最後に、時期尚早ではあるが、Ep1を見た段階で三次審査も通過するのでは?と私が予想した参加者を紹介したい。
コアファンが望む形を深く理解できていないため、いちアイドル全般好きおばさんとしての意見になることをご容赦いただきたい。

○ 浅井乃我さん

旧Jのハーフ・年少担当っぽい!と感じるような、愛嬌たっぷりの笑顔と大きな目、明るい口調が好印象だった。
ダンスもダンサーというよりはアイドル寄りで、伝統芸であるアクロバット(バク宙)をばっちり入れてきたところから、将来的な事務所との親和性の高さを感じる。
日本で生活した経験がどれほどあるか不明で、さらに現メンバーとは年齢差もあるため、今後慣れない生活の中で気落ちせず活動できるかは未知数だ。
彼に関しては落としようがないという理由で、次に進む候補として挙げさせてもらった。
魅力 : ピュアな存在感、成長可能性
懸念点 : 三人と"仲間"になりうるかどうか

○ 栗田恵さん

大方の予想通り、辞めジュがやってきた。
しかもコアファンは知っている有名どころが。
仕事の苦労ゆえかビジュアルが一般人のそれになったことは否めないが、柔軟で大きな動きのダンスは10年の歳月を感じさせない程に輝いていた。
保育士エピソードのためにエプロンを着たり、楽しく掛け合いをやってのける姿に、熟練の旧Jバラエティ力を感じる。
ムードメーカーとしても、彼は残しておくべきではないだろうか。
魅力 : 旧Jの安定感、場を和ませる力
懸念点 : アイドルオーラを取り戻せるか

○ 前田大翔さん

往年のまゆゆを彷彿とさせる完璧アイドルの振る舞いと前髪の重み、やや力の入った全力ダンス。
中小アイドルの全てがここにある。
長年所属したグループでの脱退劇という類似点について、現メンバーも思うところがあったようで、第二章に進みたい思いが共鳴しそうだ。
アイドルという職業そのものへのリスペクトと熱意は、仮に彼のビジュアルが好みじゃなくても応援したくなるような魅力に繋がっている。
年齢的は30手前だが、前世の経験を活かして渋い働きをしてくれそうだ。
魅力 : プロ意識、夢に賭ける胆力
懸念点 : グループの色に染まれるか

○ 岩崎琉斗さん

山から降りてきた東出(失礼)と思うほど野生的で不思議なオーラを纏っていた彼だが、話す姿は素朴で真面目な好青年だ。
歌に関しては、聞き手の心に語りかけるような魅力的な声色を持っている。
ビジュアルも旧Jの王道ではないが、2グループに1人くらいいる濃くて男性的な顔立ちで、垢抜け要素がある。
僅か数分で幾つものギャップを見せてくれた彼には、アイドルとして必要な「この人をもっと知りたいと思わせる何か」が備わっている。
私も岩崎君がブッ刺さりました。
魅力 : 多面性、ダイヤの原石感
懸念点 : ここからどのくらい減点があるか

プロアイドルtimeleszに認められ、共に新章へと走り出すのは、一体どんな人物になるのだろうか?
事務所的にも世間的にも前例のない、限界突破サバイバルオーディションは、まだ始まったばかりだ。

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