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最速1分で読める『生産性』の読書感想文

働き方改革うんぬん言われている昨今ですが、シンプルに残業が辛い。

わたし自身、決っして長く働いてる奴がエライ!みたいな価値観ではないし、とりあえず早く帰りたい。あったかいご飯を食べて、お風呂に使って本を読んだり映画観たりしたい、、、。

そんな小さな欲望を叶えるために読みました。マッキンゼー出身の伊賀泰代さんが組織と人材の『生産性』をいかにして上げるかについて述べています。マッキンゼーってだけでもう、参考になりそう感すごい。

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■生産性って何だろう

それこそ働き方改革で『生産性をあげて残業をなくそう!』とか言いますよね。生産性を上げるってなに?魔法かな?って感じですが、そもそも生産性とは得られた効果/投入した資源を指し、またはアウトプット/インプットとも言い換えられます。

具体例を上げると企業の採用があげられます。1000人から選考して10人を採用するよりも500人から10人採用できた方が生産性が高いと言えます。

生産性を上げるためには上の式でわかるように効果を上げるか、資源を抑えるかの2パターンがあります。なお、その手段として改善(インプルーブメント)と革新(イノベーション)があります。

ちなみに日本人は製造現場から『生産性』という概念が普及したので、どうしても『改善的な手法によるコスト削減』を思い浮かべてしまいがちです。

コピー代がもったいないからカラーコピーはやめて白黒にしよう!はまさにこれ。もったいない精神とは別物ってことですね。

■イノベーションを起こすには

そもそもイノベーションを起こすには具体的に解決したい課題が明確になっていることが重要です。もちろん、全く別の目的を達成するための手段であったものが想定外の分野で役に立つパターンもありますが、そのためには課題を解決しようという意識つまりモチベーションを常に持っておくことが必要です。

なお、制約がない中からのアイディアはただ突飛なものとなってしまいがちで、制約があるからこそ、その中でどうやって目的を達成するかを思考することこそがイノベーションに繋がるそうです。

広大な土地を与えられ予算も期限もないと言われた時に一番いい設計アイディアが出るわけではなく様々な制限の中でいかにいいものを作るかどうかが新しい発想に繋がる、と建築家からコンサルタントに転職された筆者の読者もおっしゃっていたそうです。

■マッキンゼー流の資料の作り方

今までは”組織として”の話でしたがもう少し個人ベースの話になります。

まず、資料の作り方に関しては、『アウトプットイメージをもつ』ことと『ブランク資料を作る』ことがポイントとなってきます。

『アウトプットイメージをもつ』ということはなんのために資料を作成しているかを意識して情報を収集、整理することです。すると、無駄な関連(しているように見えてしまう)情報に振り回されなくて済みます。

次の『ブランク資料を作る』もイメージは近いのですが、より具体的な方法です。先に調査資料の目次から作成していきます。そうすることで今、収集すべき情報が視覚的に把握することができます。

さらにブランク資料を先に意思決定者にみてもらうことで、意思決定を行うにあたり情報の過不足やロジックの甘い部分をフィードバックをもらうことも可能なので認識のすり合わせを早い段階で行っておくことが可能です。

また、ブランク資料を埋めている途中に『ブランク資料にはないが重要な情報』に出くわした場合は、本当に今回の資料に必要であるかの確認の意味を含めてブランク資料を作成し直すことも重要です。

■マッキンゼー流会議の進め方

会議の進め方に関しては『会議時間の短縮』ではなく『会議の成果を高める』がポイントになってきます。

そのためにはまず、達成目標を明確にすることが重要になってきます。この時にただのアジェンダにならないよう注意が必要です。あくまで話す内容ではなく何を決めるのかを明確にしましょう。

次にポジションをとることです。これは発言力の強い立場になれ!ということではありません。マッキンゼーでは『自分の意見を明確に持つこと』を指します。正解がない決断が多い会議での場面では、「まだ情報が足りていないから、、、」などと言い逃れができてしまいます。

このようにポジションをとることが苦手な場合は一日ひとつ増税の是非などなんでも良いので自分の意見を持つ練習をすることを筆者は勧めています。

また、意思決定のロジックが明確になっているかも大切です。意思決定は情報不足のため延期、ということになりかねませんが、その場合はどの情報がどうであったらどのような意思決定を行うかを明確化させておくことは必要です。

例えば顧客の反応次第でパッケージをリニューアルするかを決定する場合は、『とりあえず市場調査をして〜』で終わらずに『好感度がどれくらいの時にどのように対応するか』、『調査の結果がこのよう時に何が判断できるか』まで決めておくことで同じような会議を繰り返すことを防げます。

ここでは省略しましたが『セッティング効果を利用する』や『全員がファシリテーションスキルを身につける』というポイントもあります。

■イシューからはじめよ

え、そっち?って感じの方もいるかもしれませんが、生産性についても根本は『イシューからはじめる』ことが重要なようです。(『イシューから始めよ』は著者の伊賀さんと同じマッキンゼー出身の安宅さんの著書です。)『何が課題であるか』を正しく理解できていないままに情報収集や分析を行っても正しい解決には結びつきません。

そのため日本の長時間労働の課題も『労働時間を減らそう』というコインの裏返し的な解決策ではなく『改善(インプルーブメント)』か『改革(イノーべション)』を通して仕事の生産性を高めることが結果として、残業や労働時間を減少させることに繋がります。===========================================

結局、イシューからはじめるんかい!と思ったりもしましたが、マッキンゼーの思考の一貫性を感じました。笑

マッキンゼーから学ぶ基礎スキルはまだまだありそうですし、汎用性が高いことは言うまでもないですね。おそるべし。




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