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すぐ打ち返そうとしない

むかしむかし学生のころ、卓球部に入っていた。
そしてカットマンなるものをやっていた。

カットマンとは簡単に言えば、カット(ボールに強い下回転をかける技)をかけ、相手がミスをするのを待つ戦術です。 テニスやバドミントンなど他のラケットスポーツでは粘っているだけでは勝てないのに対し、卓球では球の回転が脅威になるために「相手のミスを待ち、粘る」というスタイルが存在します。

引用元:https://spojoba.com/articles/97


部活の顧問が「誰かひとりカットマンをやらないか?」と提案してきたので立候補した。
人と違ったことを同学年の部員の中でわたしだけがやる、というのがかっこいいなと思った記憶がある。

上述してあるとおり、カットマンをするにあたって大事なのは「粘る」ことだ。ドライブ(強い攻撃)を打たれても返し、打たれても返し、相手を根負けさせる。

そしてカットの返し方にも「粘り」が必要だ。
(動画べつに見なくても続きは読めます。分かりやすいかと思って貼っただけ。)


動画でも説明されている通り、来た球をしっかり引きつけるのが本当に重要で。言い換えると、自分から球に向かっていかない。自分から打ちにいかない、って感じ。体の近くに来るまでしっかり待って、それで返す。

いま偉そうに説明しているけど、私はコレが全然できなかった。「待て」「溜めろ」「早い」「打ちにいくな」「焦るな」は顧問に死ぬほど言われた。そして結局大したカットマンにはなれなかった。

いま思い返すと、カットマンって全然私向きじゃないじゃん、って思う。私の性格は、すぐ焦る、せっかち、落ち着きがないし、忍耐強くもない。なんなら根負けさせられそうな相手には挑まない。カットマンの適正とは。顧問もそのへん見て選んでほしかったな、ははは。

なぜこの話を思い出したかというと、最近占いの鑑定練習をはじめたことがキッカケ。鑑定、セッションでは言うまでもなく、お客さんの話を「聞く」ことが超重要である。

「聞くこと」の大切さは頭では理解していたけれども、自分の「聞く力」の無さには本当に驚いた。というか「聞くことができない」のではなく「なにか言葉を返さないと!」という焦りが強すぎると気づいた。言葉のキャッチボールにおいても「溜め」「待つ」「自分から打ちにいかない」ができなくて反省している。

占い師は自分の占術(占い方法)を使って人にアドバイスをするのが仕事。だから、どれだけいい「アドバイス」(知恵袋でいうところのBA(ベストアンサー))を提案できるか、にどうしても注力しがち。でもそのアドバイスの質を決めるのは「相手の話を聞くこと」だ。

しかも自分的ベストアンサーが相手に必ずヒットするかは分からない。「どう言ってあげようか」はひとまず置いておいて、シンプルに相手の言うことをひとつひとつ聞く。体の近くに来た球をそっと返す、また相手が言葉を発する、そっと返す。会話の場合、相手の根負けを狙うわけではないが、相手の本音を引き出すという意味では、そのラリーは卓球のカットマンスタイルなのかもしれない。

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