いつまでも、おかえりと行ってらっしゃいを言える人でありたい

最近は誰かの人生の話をまとめるツールとしてnoteを使っていたけれど、いまの自分のことも残しておきたいなと思って、久しぶりに書いてみます。
うまくまとめられるかわからないけど、未来の自分のために、ね。

あなたの夢はなに?と聞かれたら、私は多分「幸せな家庭を築いて、大切なひとたちに惜しまれて人生を終えること」だと答えると思う。
それくらい、自分の心に嘘をついていないか、自分や大切なひとたちが自分らしくいられているか、半径3メートル以内にいてくれるひとたちがみーんな幸せか、ということが私にとっては大事で。
お金も、地位も、名声も(笑)大切な人たちや自分が幸せに生きるための手段に過ぎなくて。

世の中には多くの人を幸せにする仕事をしている人や、社会を変えようと努力をしている人たちがたくさんいて、素敵だなと心から尊敬する反面、私にはできないなあと思っていた。
自信がないとかそういうニュアンスじゃなく、適正じゃないな、という感覚が近いのかもしれない。

誰にだって好き、嫌い、得意、苦手はあるもので、わたしにとって好きで得意なことは、目に見える関係性のひとが少しでも前を向けるように、ポジティブな気持ちになれるように関わることだ。
それはもしかしたら形を変えて接客と呼ばれるのかもしれないし、教育と呼ばれるのかもしれない。研修やトレーニングと呼ばれることもあれば、コミュニティマネージャーなんて大それた肩書きに変わることもある。
もちろん表に現れる行動はまったく別物で、それぞれに細やかなチューニングが必要だけれど、私にとってはそのどれもが同じ類のものだった。

目の前の人は、心の底で何を求めているのか。
前職ではそれを"心理的ニーズ"なんて呼んでいたけれど、まさにその通りで。
本人ですらわかっていない、言葉として出てきているわけではない思いをすくいとって、形にして、さしだすこと。
それをできる(なんて言ったらおこがましいかもしれないけれど)のが、私の唯一の強みだと思っている。
そのくせ自分のこととなるとすぐにぐちゃぐちゃになって、うまく言葉にできなくて、どん底に落ちるけど(笑)
私はそんな自分が好きだし、そうやって目の前の人の気持ちを大事にできる自分でよかったなと思う。

5年前、自分のことが好きだなんて到底思えなかった私は、「出会えてよかったと思われる人でいる」という小さな目標を立てた。
インターン面談で「短所を全部長所に変えたいです!!」なんて超真剣に言っちゃうくらいには自分のことが嫌いだったし、コンプレックスの塊だった私にとって、それは小さいけれどとても大きな目標だった。
勉強ができなくても、受験に失敗しても、トランペットが上手じゃなくても(当時の私にとってはこの3つの評価軸が全てだった)、わたしのことをダメだなんて思わないで関わってくれるあたたかいひとたちに恵まれて、少しずつ少しずつ、どんな自分のことも認められるようになっていった。
それに、挫折経験がある私だからできることもあって、力になれるひとたちがいるということにも気付くことができて。
本当に本当にありがたいことに、「出会えてよかったです!」と声をかけてもらえることが増えた。
(特に山口で出会ったみんなは、私にとってのターニングポイントです。みんな元気にしてるかな。今年は会いに行けなくて寂しいな)

就職しても、転職しても、心の奥底にある軸はずっと変わらなくて。
どんな肩書きになろうと、目の前の相手にとって「出会えてよかった」と思ってもらえるように全力を尽くしてきた。そして「コミュニティ運営」なんてよくわからない仕事をするようになって、思いの輪郭が少しずつクリアになっていった。

わたしにとって、「出会えてよかった」と思ってもらえるというのは、その人にとってサードプレイスのような存在でいるということなのだと思う。
会社や職場では、ポジションやスキルありきで人から必要とされるかもしれない。
家では、「親」「子供」という役割ありきで過ごさなければいけないかもしれない。
生きていくために、お金を稼ぐためには、
そうやってその時々の必要に応じた自分を演出する必要があるかもしれない。

だからこそ私は、
「おかえり、いつもよく頑張っているね。ここでは、肩の力を抜いて過ごしてね」
と言える存在で在りたいし、そうやって迎えられるような場を創り続けたい。
そして、その上で、
「悩んだ末にどんな選択をしても、応援しているよ。いってらっしゃい!」
と思いっきり背中を押せるような存在で在りたいし、そうやって送り出せる場を創り続けたい。

そんな綺麗ごとを、と思うかもしれないけれど、
そうやって迎えてくれて、そうやって送り出してくれるひとたちに支えられて今の私がいると思っているから、
これからどんな仕事をしていても、どんなポジションを担っても、どんな役割を背負っても、それだけは忘れないでいられるといいな。

今日、尊敬する先輩から、
「あゆは、自分の中でちゃんと哲学がある人だから」と言ってもらえて、嬉しかった。心が震えた。
今日、信頼する後輩から、
「出会えてよかったです」と言ってもらえて、嬉しかった。泣いた。
今日、ずっとずっとお世話になっている人から、書ききれないくらいたくさんの言葉と思いをもらった。
ちゃんとそれを紡いでいかないとな、と気が引き締まった。

嬉しいときに自分のことのように一緒に喜んでくれて、
悲しいときに自分のことのように一緒に悲しんでくれるひとに、
私は本当に恵まれていると思う。

今だって別に自分に自信があるわけじゃないし、
できることよりできないことのほうが圧倒的に多いけれど、
それでも色々な人が力になってくれて、苦しいときは助けてくれる。
私にとって、この繋がりが何にも代えられない財産だ。

もし、10年前の自分に会いに行けるとしたら。
私はだめなやつなんかじゃなかったよって、未来は思ったより悪くないかもよって、笑いながら伝えられるかな。

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