33週で緊急搬送。出産記録 #1
「救急車呼びます」
産婦人科医の一声からあれよあれよと一晩が過ぎ、いま現在わたしはMFICU(母体胎児集中治療室)にいる。
まさか自分が
妊娠してからこのワードを幾度となくみてきたが、今回は本当に"まさか自分が"の状態になっているのだ。
正直まだパニックで、気が緩むと涙がポロポロでてくるのだけれど、いま出来ることをリアルに残そうと点滴の副作用で震える指を使いnoteを打つことにした。
健康な妊婦です
2023年5月に出産予定の妊婦である。
無事に仕事も納め、妊娠生活も順調。これから始まる未知の子育てに備えて普段会えない友人との時間を楽しく過ごしていた。
アレルギーなし、入院歴なし、重病歴なし
妊娠高血圧も糖尿病もなし
至って健康で高齢でもない30歳の妊婦である。
助産院での出産を希望
家庭科の教員でもあるわたしは豪田トモ監督の"うまれる"のファンである。保育の授業で何度もお世話になっている。
それもあって自然なお産、日本のお母さんが今まで受け継いできた神秘的で生命力に溢れたお産に強いこだわりと憧れを持っている。
・病院ではなく助産院で
・夫に立ち会ってもらいながら
・薄暗い部屋で静かに四つん這いで
・胎盤食す
そんなバースプランを掲げていて、いつか仕事復帰したら子どもたちに自分の体験を話したいと思っている
34週検診ベテラン助産師の目が光る
助産院での妊婦健診は、ベテランの助産師さんに触診をしてもらい赤ちゃんの心拍を確認しながら経過をみる。その後マッサージをしてもらいながら雑談をして過ごすほのぼのタイムだ。
※20週 26週 30週 36週では提携病院で細かいスクーリングがあります。
今回は33w5dで、34週の健診の予定だった。直前まで2時間程離れた実家に滞在しており、その帰りに検診を受けて帰る予定だった。いつも通りほのぼのタイムを助産院で過ごすつもりで楽しみに向かっていた。
前日もひとりで車を運転してチューリップ畑に遊びに行ったりしていたのに、まさか次の日救急車のお世話になるとは思ってもみなかった。
夫も妊婦健診の送迎をしたがっていたが今回は京都出張と重なり断念。
産院に到着し、いつものように助産師さんにお腹を触ってもらう。するといつもと違う表情をされた。
「お腹がずいぶんぱつぱつだねえ。そしてこりゃ逆子になってるよ」
お腹が張りやすい、ぱつぱつなのは今までもそうだったので今日もやっぱりかあ、逆子かあどうしよう。戻るかなあとポケ〜ッとしてたら助産師さんが目をギラッとさせて
「今から〇〇病院行きなさい。すぐに。タクシー呼ぶよ」
「え!今から?2週間後の検診じゃなくて?」
「そう、いますぐ、わたし電話しとくから」
そして提携病院に移動することに。
病院に着くと、その日は朝にオペがあったらしくすごく待合室が混んでいた。にも関わらず到着してすぐに名前を呼ばれる。
エコー診断。30分後に緊急搬送
病院に来たのは逆子の確認だと思っていたので「逆子みたいなんです〜」と先生に言うと「そしたら確実だね。〇〇さん(助産師さん)がいうなら間違いない」そうぴしゃりと。
さらにエコーをみた瞬間に先生が続ける。
「このまま入院は確定ね。」
「え!実家からそのまま来ててまだ家に帰れてないのに(逆子ごときで?という感覚)」
そう驚いていると「羊水が異常な量なんだ。多すぎるわよ」そのまま経膣エコーで子宮頸管の長さも2cmになっていることが確認されると病院の裏側が一気に騒がしくなる。
カルテはどこ?紹介状用意して!〇〇に電話して!
お医者さんや看護師さんの掛け合う言葉の端々にわたしの生年月日や名前が聴こえるので、どうやら私の対応で病院がバタバタしているらしい。一大事ということをここで察した。
わたしは一度落ち着きたくて、「トイレ行ってきてもいいですか?」とトイレに。こんなに1人で歩けるのに。元気なのに。大袈裟だなあ。とまだ現実に向き合えない感が否めず無理やり呑気に過ごして待っていた。
助産師さんが張り止めの点滴の準備をしながら、先生から搬送先の病院の説明を受ける。受け入れ先が少なく救急車で1時間かかるらしい。
「夫はいま京都にいるんですけれど、呼んだ方がいいんでしょうか。」
「呼んでください、何かあったときに同意書を書く家族が必要です。」
ひええ〜と思いながら夫にLINE(電話しろよね)
すぐに折り返しの電話がかかってきた。即レスIT夫に拍手。
病院の準備が整い「救急車呼びます」と看護師さん。バタバタとする産婦人科。運ばれる間、点滴をつながれ担架に乗せられるわたしを待合室で眺めていた妊婦さんたちは何を思ったのだろうか。
救急車の中でピーポー音を聴きながら、同乗してくれた看護師さんと話す。すぐ退院できますよね、こんなことってあるんですか、どんくらいやばいんですか。
看護師さんはどっしりしてて、「詳しいことは調べないとわからないけれど、緊急搬送される妊婦さんは皆急にだから、よくあるよくある」そう笑顔で声かけしてくれた。とりあえずお腹が苦しくて背中が痛いのと点滴の副作用で動悸が強まっていたので無理やり寝ることにした。
MFICU到着。一番恐れていたこと
ガラガラと運ばれて銀色の自動ドアを何度もぬける。明るい手術室で青い服と手袋をしたお医者さんに囲まれて、ウイーンと機械の上で身体を触られる。
わたしが一番恐れていた映像が目の前にある。
絶対やだ!怖い!無理!
妊娠前からそう思っていた恐怖のイメージが現実に起きてしまった。恐れは現実化するのだ。
屈辱だ!拷問だ!モルモットだ!
・コロナ検査
・採血(2回)
・子宮内細胞採取
・経膣エコー
・経腹エコー
・心音モニター
・脈拍 血圧
・レントゲン
あれよあれよと検査が終わり、コロナ陰性が確認できたらまた検査再開とのこと。
大袈裟かもしれないけれど、異国の地でいきなりレイプ被害に遭ったかのような気持ちで心ここにあらずだった。
看護師さんが「困ったことあったら何でも言ってね」と声をかけてくれるが、パニックすぎて何に困っているのかもわからない。
とにかく夫に「モルモットなう」とか「病院こわい」とかひどいラインをするだけで精一杯だった。
長くなったのでこの辺で一旦おわり。次回の記事でその後の処置、羊水除去、入院初日の夜について書きます。
急遽ICUに入ることになったわたし。
PCもペンタブも持ち込み不可。
コロナにより家族との面会もほぼ不可。
病院内の撮影、SNS投稿禁止。
(ということでYouTubeやインスタライブもできない)
これからのこと全然わからない。
色んな感情が溢れて涙がポロポロ出てくるけれど、いまこの瞬間を残す。そしてお腹の中で頑張ってる赤ちゃんと向き合う日々を更新していきます。
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追記))続き
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