子ども用「剣道と熱中症」
「いつも元気に外で遊び回ってるからかからない」
「子どもだし、かかっても大丈夫(軽症で済むでしょ)」
…そう思われている方は少なくないと思います。私も詳しく勉強するまでは、確かに重症化すれば最悪死に至るけど、それって体力のない高齢者の方とかの話なんじゃないの?とか、体が弱い(鍛えていない・運動していない)からじゃないかと、勝手な推測で安心していました。
ですが熱中症は、元気に外で遊び回っているような子どもでもなりますし、重症化もするんですよね。そして熱中症の何が怖いかというと、勿論自分自身がかかってしまうこともそうなのですが、私のように認識が甘く、知識がないと、もしもの時に正しい処置を行えないことなんです。
熱中症には4つの病型があり、その最重症型である「熱射病」は死亡率が高く、いかに早く体を冷却できるかにかかってきます。
…となると現場では倒れた人に対し、周囲の人間は急いで「冷やせる物を早くもってこい!」「水を飲ませろ!」という処置を行うことが予測されます。
でも、これではダメなんです。
何故か?
「熱疲労」なのか「熱射病」なのか判断がつかないのは構いません。明らかに顔色がおかしい、痙攣している、軽〜重度の意識障害が認められる、体が異常に熱い。そうなったら、まずは救急車を要請して下さい!
その場に居合わせた人間の中に、医療関係の方がいればいいですが、そうでないケースの方が多いでしょう。現場もかなり慌てると思います。そんな中、医療の知識のない人間が正確な判断を迅速に行えるはずがありません。これは事実です。
勝手な判断で処置を遅らせたり、誤った処置を行い、手遅れになるのを防ぐためです。ですからまずは救急車を要請して下さい(救急車の要請の仕方・手順については後日まとめようと思います)。
それから、意識のない人に無理やり水を飲ませないでください!
気持ち悪くて飲めない・嘔吐して飲めない・意識が無く飲めない…そんなときは無理やり飲ませず、すぐに病院へ!
回復した場合でも、症状が変化する場合がありますので、特に「熱疲労」と「熱射病」になった場合は必ず病院に行って下さい。
これだけでも、熱中症に対する緊張感が少しは高まるのではないでしょうか。
特に剣道は元々熱中症になりやすい競技ですし、今年の夏は長期間の外出自粛の影響から、体力低下・暑さに慣れていない事が考えられる中、面マスクやシールドをつけて稽古を行いますので、これまで以上に警戒が必要です。
剣道で熱中症の事故が起きて、「そりゃ起こるよな」ではなく、熱中症事故0を目指し、「さすが剣道は違うな」と思わせてやりましょう。
これはその為の資料です。
欲を言うと、お手数ですが道場や剣友会のグループライン等で共有していただいたり、印刷して読み合わせていただけるととても嬉しいです。
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参考資料 : 厚生労働省.令和元年度(2019年度)職場における熱中症予防に関する講習会資料 「熱中症が発生する原理と有効な対策」をもとに作成
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