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困ったときに助けを求めることができる人

以前東京で電車に乗っていたとき、
「この中にお医者さんはいらっしゃいませんか!?」
というフィクションでしか聞いたことがないような文言を聞いた。

そのセリフを叫んだのは私と少し離れたところで立っていた同世代の女の子で、その子の目の前に座っていた男性が苦しそうに胸を押さえていた。

幸い、同じ車両にその電鉄会社の医療班らしき人が乗り合わせていて事なきことを得た。

その男性が電車を降りて行ったとき、先ほど声を上げた女の子は安堵の表情を浮かべていた。

たくさんの人が乗っている電車の中で大きな声をあげるというのはとても勇気のいる行動だったに違いない。自分が痴漢をされても恐怖や咄嗟のことで大きな声をあげられないと聞くが、彼女は自分のためではなく目の前の見知らぬ人のために大きな声をあげたのだ。自分が同じ立場なら、戸惑いながらもその方に「大丈夫ですか」と声をかけるぐらいしか出来なかったかもしれない。

人の命に関わることでなくても、咄嗟に他人のために声をあげられる人ってこの世界にはたくさんいるんだろう。でも私のように躊躇ってしまう人も少なからずいると思う。

声を上げて誰かに助けを求めることって難しい。
「困ってるよ。助けて。」って言いづらい。
誰かに助けを求めるというのも1つの才能だと思う。

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