ep.2 自分に恋する


あなたが、私がこの世で一番愛してるものって何だろう?

この問いにすんなりと答えられる人は、すごくかっこいいと思う。
ちなみに私は、少しだけ考えて「自分」という答えを出した。

「私もあなたを愛してる、リチャード。でも、私はそれ以上に私を愛してるの」
SEX AND THE CITY サマンサの台詞より抜粋


この台詞を初めて聞いたとき、感動で胸がいっぱいになったし、これからの私はそうでなければいけないと思った。
当然、恋と愛じゃいろんな条件が違うだろうけれど、相手を想うことが大前提なわけで。
誰かのことを想う余裕がないとかではないけれど、今は自分がかわいくて仕方ないから、大体の時間やお金を自分のために使っている。そして、その時間やお金を稼ぐのは自分自身なので、自分を愛する休息⇆仕事は巡り巡って、どちらも良好な状態を保てている。



ちょっと前に、何かの話の流れで、私は自分のことが好きなんだと打ち明けたら「自分が好きなんて、あんた変わってるね」と言われたことがあった。
今考えればおかしい話だけれど、その時の私は笑い過ごせばどうにかなるだろうと思って、笑い飛ばしてしまった。
「自分が好きだ」と人に言ってしまったことに対して変わっていると思われたのか?それとも、自分のことが好きなこと自体が変わっていると思われたのか?
どちらにしろ、笑ってどうにかしようとした自分のことは少し嫌いだ。本当に愛しているものには、真剣に向き合うべきだから。それが生き物であろうと、植物であろうと、モノであろうと、他者であろうと、自分であろうと。


だいたい、自分のことが好きで何が悪いのだろう。それの何が変なのだろうか。生きていく中で抱いた方がいい感情の一つだと思っているし、人に変と思われても自分のことが好きなことには変わりないのだが、そういうことを何も考えずに言える人の心境というのはいつまで経っても分からない。
とはいえ、人を愛すことで初めて自分を愛せるようになる人だっているから、そういう人はそういう人で慈悲深くて温かい人なのだなと思う。

写真はいつもpixabayから引用しています



どんな恋愛をしたって、結局最後に残るのは思い出と自分だ。(ちなみにここで言う最後というのは、付き合いが終わるという意味の別れと、連れ添った先の死という、両方を意味している。)

残されるのも怖いし、残していくのも辛いけれど、それが恋。なんでもかんでも、始まりよりも終わりの方が胸を締め付けられる事が多い。
残して置いて行ったり、置いて行かれたりするものを拾い集めて、あの人はこういう人だったなぁと振り返るときが、恋をしている中で最も相手を想っている瞬間なのかもしれない。


つまり、別れを経験しなければ本当の恋は知れない?
きっと、いや、絶対にそんなことはない

本当の恋の形の決まりなんてないし、恋をし合っているもの達がそれでよいのであれば、誰にも止める権利はない。
だから、自分(たち)が正しいと思う選択をし続けるべきだ。

ただ、その中で一つだけ言えることは、自分が納得できることを選択し続けるというのは、自分を好きである上に自分を信じていなければできないことだということ。

自分の決断を信じられたときに、初めて人の決断も理解できるのではないだろうか。

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