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最高の街について

最近、東京のほうに出ることが増えた。
増えたとは言っても、本当にたまに行く程度だし、長居はしない。
前は「あんな人が多くて騒がしいとこ行きたくないな」と思っていたし、人から誘われない限り自分からあの街へ出向くことなんてないだろうと思っていたけれど、最近は一人でも行きたいと思うようになった。これが良いことなのか、そうじゃないことなのかは分からないけれど、外に出て新しいことを吸収し続ける人生は素晴らしいから、私の中では「良いこと」だと思っている。それに、東京はなんでもある最高の街だから。

とは言いつつも、東京に出るたびに、私の中の地元への好感度が高まっている。
私の地元は本当に何もないし、他所に出るのも不便な所だけれど、暮らすには最高といった街だ。
もちろん自分が20年間ずっと育ってきた場所だからということもあるだろうが、近所の人たちもみんなこの街には長く住んでいるし、住みやすいのは間違いないだろう。

何もないけれど、いつもどこからか花の匂いがして、夜には星が綺麗に見える街。
忙しないけれど、言い換えれば「休みなく人々が行き交う栄えた街」である東京。
おそらく両者とも長所と短所を同じ分だけ兼ね備えているし、どっちが良いかは人によって違うと思う。
ただ、これからの時代、東京までとはいかなくとも街はどんどん栄えていくと思う。(実際、私の地元の隣の街ではここ数年で都市化が急激に進んだ)

その中で、きっと私の地元のような街はどんどん小さくなっていくだろう。それでも、静かな街を好む人たちは絶えずに居て。だからこそ、この環境を守りたい。守って欲しい。
都市の長所と地方の長所との共存、そしてそれぞれに住む人々の共存。互いを支えて生きていくことができるはずなのに、今はそれを行うためのシステムやルールが曖昧な気がする。
なにか、街を改革したりだとか、そういう大きなことを行うのは私たちじゃないけれど、小さな気づきを伝えていくことは私たちが出来ることなんじゃないのかな、と思う。

誰かにとっての最高の街を、未来の人々にとっての最高の街でもあればいいな。

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