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哀愁しんでれら

見終えた。思ってた内容ではなかったので前半はただただ苦しかった。白馬の王子さまは実は…的なものだと思ってたからそうではない展開に前半の息苦しさを遥かに上回って後半もっと苦しかった。余韻から抜け出すのに時間のかかる映画だ。

思ってた内容と前半部分が自分の友人の話のようで幸せが絶頂に達しようとする描写がとても素直に喜んで見てられなかった。ちょうどジェットコースターの最初の部分みたいに。登りつめたあとの真っ逆さまに落ちるであろう予感が凄まじく怖かった。

真っ逆さまに落ちていくきっかけが子供だったのでますます恐ろしかった。母親だから感じる恐怖。なぜ女は母親になった途端、子供と同一視されて子供の人格・成長・成積の評価そのものが母親の評価につながれてしまうのか。

子供のときに感じていた母親に愛されたいという思い。それは時に母親にぶつけ過ぎて母親から邪険にされたりした記憶。母親にしてみればほんのささいな手のふりほどきだったのが、子供にとっては重大な裏切り。それでも何かでごまかしてとりあえず“大人”になっていく。だけどその子供のときに受けた裏切りは知らない間に根深くしぶとく心にずっと根付いたままで。それが蘇るのは自分が親になった時。

親が自分にしたことを自分も子供にしている。しそうになっている。あんなにあれほど嫌な思いをしてだからこそ子供を持つことが怖かった。歪んだ私には真っ直ぐ育てられる自信がなかった。

とにかく恐ろしくてもう二度と見たくない映画だった。でもみんな同じ。同じだ。親なんてそんなもんだ。もっと肩の荷を下ろそう。

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