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「悩んでいるのはもったいない」色との出会いで人生が変わった篠田純。二足の草鞋で活躍する理由とは

「カラーのお仕事があると思うと、とにかく楽しいんです。会社の仕事で得られないものをカラーのお仕事で得られて、自分が満たされてるなって思いますね」

そう語る篠田純さんは現在、会社員として働きながら副業でカラーコンシェルジュや雑誌「Marisol」の読者モデルなど、幅広く活躍している。

そんな篠田さんに現在に至るまでの経緯を伺った。


きっかけは夫の上海赴任

短大卒業後、憧れていた航空業界に就職。地元福岡で31歳までバリバリ働いていたという篠田さんは、当時もやもやした気持ちを抱えながら仕事をしていたという。

「20代のうちに転職したいと思ったこともあったんですが、『スキルがないから』とか『転職先が合わなかったどうしよう』とか、何かしら言い訳をして現状維持をしていたんですね」

気付けばそのまま30代を迎え、結婚。ほどなくして夫の上海赴任が決まった。駐在に一緒に行くことを決めた篠田さんは、駐在中に妻は働けないことを知る。

「ずっと働き詰めだったから、『何もしなくていいなんて最高!』って思ったんですよ(笑)」

前向きに退職したという篠田さん。上海に行ってから数日は何もしない自由を味わったが、その考えはすぐに変わった。

「何もしない日常が物足りなくなったんですよね。何かをしてみたいって思ったんです」

ちょうど駐在の日本人が多かった当時の上海には、篠田さんと同じような駐在中の日本人家族に向けた習い事が数多くあった。

篠田さんはまず、現地で過ごすのに役立つ中国語を学ぶ。そのうち帰国後の仕事につながるものはないだろうかと考え、興味のあったネイルスクールに通い出した。

「ネイルが自分でできるようになってきたら、人によってどんな色のネイルが似合うかと、色合わせを考えるようになって」

ネイルの色合わせから色に関心を持つようになると、篠田さんは自分の着ている服の色も気になり始めた。

「20代から黒や白の無難な色の服をずっと好んで着てきたんですけど、だんだん持っている服の色が自分に合わないと感じるようになっていたんです」

色に悩んでいた篠田さんは、偶然上海のフリーペーパーで色について学べるスクールを見つけ、早速申し込むことに。

色を学んで

スクールではじめに学んだのは、牛乳パックに使われる色に青色が多いのはなぜか、という内容。牛乳自体の白色を効果的に見せるために、パッケージに青色を用いていることなどを知った。身近な生活から、色の面白さに気づくように。

次に学んだことは、自分に合う色について。これは、自分の肌や目、髪の色から似合う色を総合的に判断するもので、篠田さんに合う色はまさかのコーラルピンクだった。(コーラルピンクとは、オレンジ色にピンク色を混ぜたような色のこと。サーモンピンクの色にも似ている)

「自分に合う色がコーラスピンクだと知ったときは、戸惑いましたね。それまではずっと落ち着いた色味の服を着てきましたから。でもせっかくなら取り入れてみようと思って、勇気を出してコーラルピンクのストールを身に着けてみたんです」

すると、周りから「似合うね」とたくさん声を掛けられる。意外な色が似合うと言われたことに驚いた篠田さんは、徐々にカラーへの関心が高まっていく。

「自分が好きな色を着るのもいいけど、自分を自分で見る時間って意外と少ないから、似合う色を身に着けたほうが得なのかもしれないって思って(笑)」

自分に合った色を身に着けることで、少し疲れ気味に見えてしまう夕方でも肌をキレイに見せてくれる効果があるのだとか。

所属しているカラー協会では半期に一度、色を楽しむ1週間としてみんなで色を楽しむ期間を設けているという

「私にとって、色について学ぶこと自体がすごく楽しかったんですね。たとえば牛乳パックの色は青が多いとなんとなく知っていても、その理由が実は色が人間に与える影響から考えられていたことなどを学ぶと、色ってすごく面白くて」

学んだ知識を友人に提供すると喜んでもらえることもうれしかったという。篠田さんはカラーの勉強をどんどん進めていくと、気付けば上海の駐在中にカラー診断をするプロの資格まで取得していた。


悩んでいるのはもったいない

日本に帰国後、篠田さんは再び航空会社の仕事を始めたことに加え、副業としてカラーの講師業にも励むように。

今では自身のスクールをもち、平日の夜や休日にお客さんにカラー診断を行ったりカラー関連のイベントに登壇したりするなど本業以外にも積極的に活動している。

「カラーの勉強で心理学も学んでから、『やりたいと思ったらやってみよう』とプラス思考が強くなりましたね。まだやってもいない、起きてもいないことに悩むのはもったいないって思えるようになりました」

かつて、転職したいと思っても「スキルがないから」などと言い訳をしてなかなか行動に移せずにいた篠田さんからしたらきっと大きな変化なのだろう。

そんな篠田さんが帰国後に新たに挑戦したのは、雑誌「Maisol」の読者モデル。

「もともと洋服が好きだったので、読者モデルもやってみたいと思うようになって。応募してダメでも死ぬわけではないし、受かったら受かったでいいしって思って(笑)」

見事合格した篠田さんは読者モデルとして撮影もこなしながら、自身の洋服のコーディネートやライフスタイルについてブログなどで発信している。

「読者モデルにならなければ会えなかった人たちともたくさん出会えて、あのときチャレンジして本当によかったなって思いますね」

またコロナ禍で、オンラインのレッスンにも挑戦を始めた。「とりあえずやってみることで、プラスに転じていくことが必ずあるんですよね」と篠田さんは笑顔で語る。

今後やってみたいことについて篠田さんに尋ねてみると、自身と同じように副業などをしてみたいと考える人たちのサポートをしていきたいと話してくれた。

「昔は取り柄とかないと思って平凡に生きてきた私でも、カラーと出会ってこんなに自分を満たせるようになれたことを伝えて、たくさんの人を励ましたいですね」

「本業をしながらカラーとかのお仕事をするって大変なときもあるんですけど、やっぱり楽しいから頑張れちゃいますね」


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