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11月11日は何の日?

今回英国滞在中に、紙で作ったポピーの飾りを、美術館や博物館、お店などでよく見かけました。
娘にこれは何?と聞いたら、
「Rememberance Dayだよ!」
と。
日本では馴染みのない日です。
11月11日は、ポッキーの日ではなく、イギリスでは、リメンバランス・デー=戦没者追悼記念日なのです。
第一次世界大戦終結を記念し、ジョージ五世が設定しました。

ポピーの飾りは、募金をした人が胸につける飾りです。私が見たのは、募金活動だったんですね。胸にポピーをつける事で、平和主義の象徴としても捉えられるそうです。
(今回の滞在中は、ポピーをつけている人をほとんど見かけませんでした)

さて、学校では、11月11日はヘッドマスターからの戦没者たちを忘れず、平和な世の中を築いていこう、とのお話があり、戦没者への追悼の歌とお祈りをしたようです。
これはほとんどのパブリックスクールでも行われたようです。

日本のなんとか神社に参拝に行く問題で未だに揺れている国の教育とはここが違う、戦勝国の教育です。
第一次世界大戦までは味方同士でしたが、娘は、授業で第二次世界大戦を学び始めました。
イギリスの歴史を学んでいるので、日本で習う歴史とはまた違った目線です。
グローバル教育のいいところ、として「自分の国をを外から客観的に見られるところ」という点をかなり上位に考えています。小学生のうちからヨーロッパにおける歴史上の日本という国の捉われ方を知識として身につける事は、とても貴重なことです。
小学校教育で学ぶ歴史とは、国によって全く異なります。愛国心を育てるための教育ともいえます。
その枠を飛び越え、過去に起こったことを学び、未来に役立てる知識を身につけることは素晴らしいことです。

"Lest it forget"
「あなた方を忘れません」
戦争で亡くなったすべての方が安らかに眠れるよう、心から願い、平和について、戦争について、もう一度考えさせられるイギリスの記念日です。

ちなみに、日本の終戦記念日や原爆投下の日も皆で平和と鎮魂に祈りを捧げる日ですが、リメンバランスデーと違うのは、この祈りは、戦争で命を落とした一般の人への祈りです。
罪のない沢山の人が命を落とす戦争は二度としない、と日本人なら誰もが平和への思いを一つにする大切な日です。

リメンバランス・デーはどちらかというと国のために命を落とした兵士たちへの祈りです。
日本でいうところの靖国神社参拝かもしれません。
なので、毎年、論争も巻き起こっているようです。兵士を英雄化する事で戦争自体を偽善化しているのでは、などの解釈から。

様々な角度から、平和な世の中を願い、子供たちとその思いを共有する事を学校を通して、社会を通して学ぶ事は大切ですね。



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