君との未来を、どうかまだ
推しとの関係性があること。
それは大手・地上・メジャーな方々を応援しているオタクからしたら考えられないことかもしれないが、所謂地下アイドル、その他様々なジャンルにおいて接触がある界隈、その中でもとりわけ認知というものが在る界隈だからこそ起こり得る。
私はとあるボーイズグループアイドルを応援しており、その中の推しメンからは顔とお名前ぐらいは最低覚えていただいている。と、おもう。
わざわざ確認したりはしていない(少しでも気まずくなって困らせたらどうしようと思うと勇気が出ないだけ)ので、おそらく、だけど。
実はもうすぐ彼を推し始めて1000日を迎える。
私が推しに顔を見せてコンスタントにお話するようになったのは2020年の暮れ頃からで、そこから今まで、短い時は翌日~長くても3か月に1回はオンラインのお話会的なもの・直接のチェキ会的なものでお話する機会をもらっている(チケットを勝ち取っているとも言う)。
ツイッターでは2020年の頭頃からツイートへのリプライをほぼ毎日といってもいいレベルでコンスタントに送っており、それからあとは不定期で行われる彼の個人配信への投げ銭を行っている(彼は律儀にも投げ銭した人の名前をわざわざ毎回読み上げてお礼を言ってくれる)。
決して全部のイベントに足を運べるようなオタクでもないし、彼が人気なおかげでチェキ会では何十枚も撮影したりお話したりできるわけでもなく、特別美人で一目見たら忘れられないような美貌があるわけでもなく、かと言ってめちゃくちゃ特徴的な見た目をしているわけでもない(1年ほどはしばらく髪色がめちゃくちゃハイトーンだった時期があるけれど…まあハイトーンってオタク界ではそこまで物珍しいわけでもないと思うので)、そのうえ特別面白い話をするわけでもない。
それなのに、こんなちっぽけなオタクの姿形と名前が、彼の脳みその記憶容量の隅には入っているらしい。
以前友達とイベント終わりに帰りの電車で話していたこと。
「ずっとこの人たちのこと推し続けてたいなあ、ずっとここのオタクでいられるかなあ」
そう言う友達に私は、貴方が他界しようとしたら引き留めるからね、と返した。
それから続けて、「だって貴方が他界しようとしたら貴方の推しメンが『○○(その子のお名前)おらんくなるの寂しいやんか~~!』って言ってくるで、絶対」とも言った。
推しグループに、転機が訪れることとなった。
詳しくは省くが、少し先の将来に推しはしばらく活動を休止した上でこの先どう生きていくかを決めるそうだ。さすがにここまで書いたら誰なのかバレそうな気がするな、ずっと伏せてきたけど。
推しにはどうか幸せに生きてほしい。
アイドルとして生きることが楽しくて幸せなら続けてほしいし、ちょっと疲れちゃったなら休んでほしいし、アイドルをやり切って他にやってみたいことがあるならそちらの道に進んでほしい。
だって私は知っているから。
誰に強制されるでもなく自分の意思で決めた道が、一番充実し何よりも幸せな人生になるのだと。
ただ、もし彼が表舞台から姿を消すことになったらどうしても寂しい気持ちが勝ってしまうだろうということは許してほしい。
貴方と過ごしてきた1000日間は、その間に貴方と築いてきた信頼や絆(アイドル相手に何言ってんだって思うかもしれないけれど、これはたぶんこういう界隈のオタクならわかってもらえると思う)は、今の私にとって何よりも大きな存在だから。
決して本人には伝えないから、こっそり願わせてほしい。
楽しそうに笑いながらライブする姿を見て、しょうもないことを話しながらまた笑って、共有してくれる何気ない日常を慈しんで、お互いにエールを送り合って。
私は貴方とまだこの先もこのままの関係でいたい、と。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?