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Zwiftと友人とリーダージャージと私

Zwiftである。
コロナ禍が拡大する中でお世話になりまくっているオンライン・バーチャル・サイクリングアプリである。

インドアトレーニングの一環としてプロ選手も利用しており、特に欧州のロックダウン期間中は多くのプロチームがファン向けのイベントを企画してくれた。偶然エンカウントした自主トレーニング中の選手と一緒に走るなど、貴重な経験もできた。
屋外でのトレーニング解禁に伴い、多くの選手は仮想世界から現実世界に戻って行ったが、今でも時々プロ選手を見かけることがある。

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5月くらいまでは野良のプロ選手がウヨウヨ。イェーツ兄弟のトレーニングを間近で見学…と思ったらすぐ千切られました。

ワーク・フロム・ホーム開始以降、選手の追っかけをしつつ健康維持のために真面目にZwiftに勤しんでいたら、月800キロも走っていた。
昨年の年間走行距離3,000キロも既に超えてしまった。
自慢ではないがこんなに自転車に乗るのは初めてである。私は自他ともに認めるユルユルサイクリストだが、友人達に感化されてしまったようだ。

Zwiftには「ミートアップ」という機能があり、Zwiftユーザー同士仮想世界で待ち合わせて一緒に走ることができる。同時期にZwiftの世界へ移行した友人はどうしたらより高いパワーが出せるか、どうしたらもっと速く走れるか、と常に話しており、もはやアスリートの様相である。
彼らは私に対しても調子を崩さず、「アヤさん、最近パワー上がってきていますね!」「この調子で頑張っていきましょう」などと意識の高い言葉をかけてくれるので、私も頑張ったら小ましなサイクリストになれる…?と錯覚しそうになる。

かくして彼らとの週1回のバーチャル走行会はトレーニングの場になりつつある。近況報告と和やかなおしゃべりのために繋ぎ始めたFacebookメッセンジャー通話だが、最近は互いの荒い息遣いしか聴こえない。知らない人が間違ってジョインしたら、一発で警察に通報されてしまうだろう。

今日も今日とてハアハア言いながら走っていたら、思わぬご褒美が貰えた。

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泣く子も黙るリーダージャージである!!

Zwiftにはゲーム要素が多く設定されているが、そのひとつがこのリーダージャージ。設定された区間でトップタイムを出すとアバターのジャージがスペシャルジャージに切り替わるのだ。

これが着たくて頑張っちゃうのである。ただしZwiftの世界にも豪脚サイクリストがひしめいているので、簡単に入手できるものではない。
今回は私の友人達が文字通り引っ張ってくれたので(Zwiftには「まとめる」という速い人にくっついて行ける素晴らしい機能があってですね…現実世界でも実装を希望)、良いタイムを出せた、というわけである。

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区間総合と山岳の両方をゲットしたので、ジャージデザインが合わせ技。
ジャージは男女別に設定されており、女性は私が、男性は友人が獲得。
女性はユーザー数が少ないので比較的獲りやすいが、男性は厳しい戦いを勝ち抜かねばジャージを入手することはできない。着用している人は本当に強い人です。

なお「まとめる」機能の解除後、自力で獲りに行こうとしたスプリントジャージは0.2秒差で入手ならず。狙って獲れないと悲しい。

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総合とスプリント、両方獲るとこうなるようです。デザインは微妙。

余談ですが、僅差でジャージを獲得できなかった…という時に真っ先に思い出すのが2019年のティレーノ~アドリアティコ。
それまで首位に立っていたアダム・イェーツが、最終日個人タイムトライアルでタイムトライアル巧者プリモシュ・ログリッチに0.31秒差で総合優勝を明け渡してしまう。

首位逆転までのカウントダウンの中で走るアダムさんの力走よ…多少フォームが崩れていたっていいんだ。めちゃくちゃカッコよかったんだ。

困難から逃げずに立ち向かう選手の姿は胸を打つ。過程を積み重ねた先に結果がある。だから今日もローラーを漕ぐのである。