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会えなくて寂しいと思える人がいる幸せ。

先日、ここ数年ライフワークとなっていた5月に開催予定だったキャンプでライフとビジネスを学ぶ The Life School の中止を決めて、発表した。そのお知らせの文章を書きながら、色んな感情が溢れてきて、何てことない文章のはずが筆を進めるのに1時間以上もかかってしまった。恥ずかしながら、涙が溢れてきて「ティッシュー!」ってなった (苦笑) 

2月あたりから、ディレクター陣では「(コロナの状況を見ていると)このままだと会場のキャンセル期日の4月10日までに、開催可能と判断するのは難しいかもしれない。」と話していて、中止することへの心の準備はできていた。また、他の大規模イベントがどんどん開催を取りやめる中、ボランティアで参加する予定だったWisdom2.0も延期となった。Wisdom2.0は日本初かつ最大のマインドフルネスフェスとなる予定だった。虎ノ門ヒルズの会場を2日間使用し、海外からの著名なゲストも多く登壇し、日本にマインドフルネスの一大ムーブメントを巻き起こすであろうイベントとなるはずだった。準備にかけてきた、お金も時間もリソースも莫大だ。その延期を決めた関係者の断腸の想いや、それでも日々をマインドフルに過ごそうと呼びかける主催者の方々を関係者グループで見せてもらっていた。そのあり方が、本当に素晴らしかった。

だからこそ「皆、大変なんだ。The Life Schoolができないことを嘆くなんて、自分勝手だ。」と自分に言い聞かせて、知らず知らずのうちに気持ちを押し殺していたのかもしれない。でも、お知らせの文を書きながら、参加をすでに決めてくれていた方、登壇者、会場、スタッフ、協力会社さん・・・皆の顔を思い浮かべていると無力感と寂しさが込み上げてきた。

でも、同時に私はなんて幸せなんだ、とも思った。The Life Schoolにボランティアで初参加した2017年から、The Life Schoolは私の中で本当に大切な場所となっていたんだなあ。

「皆に会えなくて寂しい。」

そう思える人がこの世にいる人生というのは何と素敵なことか。

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私は常々、こんな人生の終わり方をしたいなあ、とおこがましくも憧れている人がいる。5年前に92才で亡くなった祖母だ。(身内ですみません。)
鹿児島県沖永良部島という離島に生まれ育ち、亡くなる数年前まで商店を営んでいた祖母は地元の人気者だった。葬儀には沢山の方が参列し、それぞれが心から祖母の死を悼んだ。そして不謹慎かもしれないが賑やかで楽しさもある祖母らしい葬儀だった。葬儀屋の司会者も親しい人だったので司会中に涙で息を詰まらせて進行できなくなると、「頑張れー」とオーディエンスが応援して、ちょっと笑いがおこる、みたいな。変な話だが、"良い空気"の葬儀だった。従姉妹が三線をひいて歌を歌ったりもした。
「死んでもなお、皆を明るくする。かっこいいな、おばあちゃん。」

そして1年経って、一周忌。父が、祖母が亡くなる数日前に書いていたメモを読み上げた。そこには自分に死が迫っている心境が綴られていて、最後に「死んだら皆(子供達)に会えなくなるのが寂しい。」ということが書いてあった。祖母はずっと日記を書いていたので、手記は大量にあっただろうが、これを聞いたとき「これチョイスしたお父さん、ナイス。」と思いながら号泣した。そして、おばあちゃんはやっぱり幸せだったんだなあ、と思った。この世に会えなくて寂しいと思える人がいるって、なんて幸せなんだろう、と。

***

今回、このThe Life Schoolの中止を決めて、「皆に会いたかったなあ。会えなくて寂しいなあ。」と思える人達がいることに改めて気がついた。

私は本当に幸せ者だなあ。

フリーランスの私はこの状況が続くと大変だなあ、と自分の生活についての心配はちょっとありつつも、この世に会えなくて寂しいと思える人がいる幸せを噛み締めている。このnoteは、今の気持ちを忘れたくない、と思って書いた。

いつも当たり前に会えていた皆、ありがとうございます。

そしてこれを最後まで読んでくれている人がいたら・・・
今は "皆が" 大変だけど、 "自分が" 苦しい、寂しい、不安、と感じていること、押し殺さないで、否定しないで。
私に話してくれても良いですので〜!連絡くださいませ。

(おしまい)

◆voicy 「毎日5分 doors で自分磨き」(月)パーソナリティ始めました

3/30(月)放送分:【ライフ】フェミニズムを話すと嫌われるのか問題
3/23(月)放送分:【ライフ】好感度と個性を両立するファッションとは
3/16(月)放送分:【ライフ】チャンネル紹介/蜷川実花さんインタビュー記事

◆日経クロスウーマンでもブログを書いています


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