"ほんとう"に必要なもの ✈️ 出雲大社-お宿 月夜のうさぎ 📸
気がついたら、旅にでていた。
30歳になることへの葛藤と じぶんに向き合いたくて、急遽 旅にでることにした。
”ほんとう”のわたしに出会い、思い出す旅。
京都で 感銘を受けた作家の展覧会へ行き、
そこから、電車やバスを使って、島根 出雲大社に向かっていた。
今回、行きたい場所として ふと思いついたのは、出雲大社。
この年は伊勢神宮にもひとりで参拝していた。
出雲大社も、憧れの場所。
また そんな場所に行けるのは夢のようだと思っていた。
この頃は、コロナ禍やお金の問題などで 大好きな旅にも行けず、やりたいこともできず、うつうつ とひとりで部屋に閉じこもる日々。
旅に出かけると決めて、一気に世界が広がったように感じた。
行きたい場所に行けたり やりたいことができるって、なんて幸せなんだろう。と。
東京に住んでいることもあり、出雲大社は なかなか行くのは大変。
そして 実際行ってみて、やはり出雲大社は、現代の公共交通機関もってしても、行き難い場所にあるなと改めて思った。
だからこそ、”守られた土地”であるのかもしれない。
出雲大社の周りには、美しい山々が見え、近くには海もある。
伊勢神宮に感じたのは、”静かなる 厳かな 神聖さ”。
ひとの手で丁寧に手入れをし、計算された美しい建築や作品のような印象だった。
出雲大社は、”どっしりとした土地の神さま”
”自然という森羅万象の神に守られた土地”という印象。
出雲大社は、"身の引き締まるような神聖さ"というより、
からだの緩むような"あたたかな神聖さ”があり 自然の力強さも感じた。
せっかくなので、出雲大社にて お祓いも受けた。
お祓いを受けると 普段の参拝するところの 少し先まで入ることができる。
入ると、なんだか空気の澄んでいる感じがした。
儀式や建築、丁寧に人の手の加わったものは不思議だ。
そこに何かが宿っているように感じる。
とても不思議だなと思う。
旅に出ると、視野が広がる。
ひらけた目線で見てみると、世界は変わって見える。
こんなにも、世界は美しく おもしろい景色で溢れているのだなと思う。
下の写真たちは、1~4枚目 / 5~7枚目を違うフィルムで写している。
太陽の差もあるが、こんなにもフィルムで写り方が違うのだなと。
私の思考や状態でも、世界の写り方や記憶は大きく変わってくるのだろう。
そう思うと、"ほんとう"なんてないような気もしてくる。
出雲大社のあたりに 2日間泊まることにした。
予定をつめこまず のんびりと、気の向くままに、ここにいてみようと思った。
お宿は、出雲大社から徒歩で行ける「月夜のうさぎ」というお宿。
とても素敵だった。
温泉が2箇所 貸切のお風呂もあって、ぜーんぶ入ってみたり。
夜ご飯はバイキングで少しずつたくさんの種類を、じっくり美味しく味わって。
無料のアイスクリームや、夜鳴きそばも頂いた。
浴衣を着たり、足袋風の靴下もあったり。
特別感もあってとても嬉しい。
いつものご飯は、動画を見ながらだったり、
お風呂も身体を整えるための作業になって、さらに携帯を持ち込み仕事したり勉強してたり。
最近の私は、寂しいのか 、いろいろを詰め込み、同時進行で何かをしている。
「ごはんを食べること」
「お風呂に入ること」
「お部屋にいるときを楽しむこと」
本当は、それぞれそれだけで「娯楽」であり楽しいのだろうなと思う。
以前、出会った方が
「本当に必要なものって何もないのでは」
というようなことを言っていた。
その人は、とっても晴々しく 心地よい雰囲気を身に纏っている素敵な方だった。
(仕事の対価として給料をもらわず食住をまかなってもらう生活をしていた)
今の私の生活は あまりにいろいろが多く つめこみすぎているような気がする。
「本当に必要なもの」とは何だろうか。
”生きること”を丁寧に楽しめていたら 余計なものはいらなくなっていく気がする。
そしてその「本当に必要なもの」も、本当に必要なのかはわからない。
いつかは食べることも、お風呂に入ることも、お部屋にいるときを楽しむことも、手放して 私たちはこの世を旅立っていく。
そうなると「本当に必要なもの」「幸せ」「豊かさ」とは、何だろうなと思う。
まあ、私はまだまだ この世に未練たらたら、欲望ありあり 俗物な人間なので、そんな人間らしさもおもしろがりたい。
しかし、さみしさからくる多重なタスクは手放して。
「"ほんとう"に必要なもの」や日々の美しさに少しずつ目を向けて いきたい。
そこにきっと"ほんとうのわたし"に近しいものがあるような気がしている。
旅は身軽に「"ほんとう"に必要なもの」だけを持っていく。
限りある時間だから、その一瞬一瞬を大切に楽しもうとする。
そして世界が美しく見える。
だから旅に憧れ、旅が大好きなのだ。
日常も人生も、旅するように 日々過ごすことができたらいいなと思い続けている。
写真と言葉を綴ったひと
瀧澤綾音
演者・美術モデルとして活動。
6歳から演劇に演者として関わり、20歳でインスタレーション作品に感銘を受け「より体感・実感的な作品を演劇でつくりたい」と上京。
新潟市民芸術文化会館りゅーとぴあ APRICOT/文学座附属演劇研究所/美学校 演劇 似て非なるもの/無隣館/映画美学校 アクターズ・コース/未来の踊りのためのプログラムで表現や創作について 培う。
2022年 調布市せんがわ劇場演劇コンクール俳優賞 受賞。
演劇・パフォーマンス・映像・写真・旅・癒し・インスタレーションなど重なり合う、より体感的な、作品の創作や出演を続けている。
2011年から写真の撮影をはじめ、
2021年よりフィルムカメラでの撮影を開始しました。
フィルムカメラkonica c35 fdの写真を載せた Instagramもやっています。
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