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オードリーで令和の「ゲバゲバ90分」を見てみたい。

10代に見たアニメで、いまだに記憶に残っている回がある。

ケロロ軍曹の「ゲロゲロ30分」である。

ケロロ軍曹の「ゲロゲロ30分」

ギリギリラインのパロディを重ね、おっさんしか分からないガンダムネタで笑いを取るケロロ軍曹は、漫画を読むだけでも十分に面白い。

そこに、アニメでしかできない「テンポ」「間」を十分に生かし、小ネタを惜しげもなく投入するこの回は、子どもながらに衝撃を受けた。

このコーナーにはパロディ元があって、それが巨泉×前武ゲバゲバ90分!である。

「ゲロゲロ30分」は「ゲバゲバ90分」のパロディ

次にどんな展開か想像が出来ない、ショートコントの嵐。ストレートからシュールな物まで様々な方面での笑いを、とてもテンポが良くまとめている。動画の西田敏行さんのコントは今でも面白い。今でも有名な俳優さん達がずらっと並んで、全力の笑いをやっている。

そう、今でも十分に面白い、クオリティの高いコント番組なのである。

実はこの番組、現代で再現すると予算的にかなり厳しいらしい。

予算をふんだんに掛け、制作時間をたっぷり取り、収録中に一度でもNGを出したネタは二度と収録しないといった、贅沢な造りであった。

Wikipedia 巨泉×前武ゲバゲバ90分!

それでも、笑いの宝石箱のようなこの番組を過去の遺産として残すにはもったいなく感じて、「ゲバゲバ90分の現代版が見れないものか」とたまに考える時があった。

そんな中で、私が理想としている形に近い番組があった。2014~2016年に単発で放送された「とんぱちオードリー」である。

とんぱちオードリーは「げばげば90分」を彷彿とさせる

とんぱちオードリーは現在有料配信されているので、興味があれば見ていただきたい。Netflixに上がっていないのがものすごく勿体ない。

とんぱちオードリーとは、オードリーの2人が全力で様々な企画に挑戦すバラエティ番組。バラエティー番組という体をした台本ありのコント企画を軸として、「ターゲット漫才」「春日チャレンジ」のコーナーも挟みつつ、番組が進行していく構成である。

意図してかは分からないが、複数の短い企画を同時並行的に行う形式は「げばげば90分」を彷彿とさせる。

「春日チャレンジ」のコーナーの一部は、youtubeに上がっている。

このとんぱちオードリーだが、2016年以降、新作が作られていない。

オードリーが忙しいのはもちろんのこと、初回のフェイクドキュメンタリーの印象が強すぎて、2回目3回目のハードルが高くなってしまったのだろう。

オードリーには令和の「ゲバゲバ90分」を作って欲しい

とんぱちオードリーの総合演出で、オードリーと仲の良い水口ディレクターが、インタビューで語っていた。

やっぱり『とんぱちオードリー』みたいな純度100%のオードリーの番組はどこかでやりたいですね。若林とも話すんですけど「ふざけられるのはあと数年だな」って。「いま、ふざけてれば、50歳になってもふざけられるけど、歳とって急にふざけることはできない」。だから、近いうちにやりたいですね。そのときは、やっぱり総合演出で。

水口健司D、『水曜日のダウンタウン』は“大人がいない部室”のチーム

この発言から、少なからず企画書は出しているように思える。

ブレイクしてから10年、気がつくとMC級の芸人になったオードリーがまたやるとしたら、どういった番組になるのだろう。

私が想像するには、オードリー以外のメンバー追加であると思う。

5年前、「純度100%のオードリーの番組」と聞くと、オードリーが二人だけでわちゃわちゃする番組しか想像できなかった。

しかし今は、リトルトゥースを公言する有名人も増え、慕ってくれてる後輩も出来たことで、オードリーのお笑い観を共有できる人たちが増えており、そんなメンバーと一緒に作る「純度100%のオードリーの番組」を見てみたい。

もし実現すれば、複数の企画を並行的に行われるテンポのいい番組構成が土台にあるのは変わらず、他の人も交えてより規模が大きくなるだろう。そして「ゲバゲバ90分」ような、次に何が起こるか分からないワクワクした面白さが提供してくれるように思う。

オードリーは令和の「ゲバゲバ90分」を作ってくれるのではないか?と期待しているのは私だけではないはずだ。

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