オードリーと千鳥の不思議な上下関係
オードリーと千鳥が比較されるときに、必ずと言っていいほどに出てくる質問がある。
「オードリーと千鳥ってどっちが先輩なの?」
結論から言うと、どっちも2000年結成だけど千鳥が先輩である。
「え??意味わからない!」と思った人も多いだろうが事実を1つずつ紐解いていくとオードリーと千鳥は同期にならず、1年上の先輩なのである。
その複雑な背景を語るには、とあるお笑い芸人の名前を出す必要がある。
それは、「キングコング」である。
千鳥はNSCに入っておらずオーディションから入ったコンビで、
吉本の中でもいわば「少数派」の部類に入る。
東京の芸人界隈では、事務所関係なく出演料を払って出演する芸人たちのことを「地下芸人」と言ったりするが、大阪でも同様の界隈があるようで、
そこでネタをやっていた大悟に誘われて結成したのが「千鳥」である。
当時フリーでやっていた千鳥は、吉本主催のオーディションで勝ち抜き、無事に吉本所属となった。
吉本での中でも「少数派」が吉本に所属するにあたり、とあること決める必要があった。
「どこのNSCの生徒と同期扱いにするか?」である。
吉本にとってNSCの存在が大きく、上下関係もNSCの入所順で決められている。ただしNSCは学校なので入学=デビューではないようで、
・1998年入学→1999年デビュー
・1999年入学→2000年デビュー
といったように、入学年とデビュー年が1年のズレが生じる。
そのため、オーディションから入った人たちは、どちらと同期になるかを選択する権利が与えられるのだ。
そこで千鳥は
「キングコングにタメ口を聞かれたくなかったから」
1つ上の人たちと同期になる道を選んだ。
キングコングは当時、吉本の中でNSC在学中はデビューさせない掟があったにも関わらず、特例で在学中にで賞レースに参加し、NHK上方漫才コンテスト最優秀賞をとった実力者であったため、ライバル視されるようなコンビだったのだろう。
じゃあ、オードリーはどう捉えているかというと、
2008年のM-1の決勝に行った
「NON STYLE」「オードリー」「ナイツ」
を「同期の基準」として考えている。
ナイツの塙さんのお兄さんが
オードリーの事務所の先輩のはなわさんである影響から、
オードリーとナイツはブレイク前から同期意識が強い。
一方、NON STYLEとナイツの境遇も似ており、
NON STYLE
→ 2000年に結成し路上漫才を開始。
2001年1月にオーディションで吉本入社ナイツ
→ 2000年結成。
しかし、塙さんの入院により活動開始が1年遅れて2001年に活動開始
といった、ところどころで2000年と2001年とでデビュー年が揺れている共通点をもつ。
2組とも明確な同期ではないが、ほぼ同期といって差し支えないだろう。
なんだかんだ書いたけど、同期の同期は同期であるため、
オードリーとNON STYLEは同期にあたることになる。
「でも、そこに吉本の上下関係って関係無くない?」
と思う人もいるでしょうが、そこでもまた、キングコングが絡んでくる。
なぜなら、NON STYLEも千鳥と同じような選択を迫らせて、
「キングコングの後輩になりたくなかったから。」
という理由でキングコングと同期になる道を選んだため
明確なラインがあるからだ。
そのため、
キングコングと同期 = NON STYLEと同期 = オードリーと同期
であり、
オードリーはキングコングと同期である。
つまりキングコングの先輩である千鳥はオードリーの先輩である。
「なんかオードリーが同期の基準を作ってるように思うんだけど。。。」
と読んでいて思うかもしれないが、非吉本の芸人さんはあまり芸歴にうるさくないので、NSCを経由していない非吉本の芸人さんがここまで「吉本のここと同期」と割り切って上下関係を作る方が珍しく、その傾向は世代特有のように感じている。
きっとこの世代は「キングコングに打ち勝つ」といった共通の目標があり、また、M-1グランプリに第一回から参加している仲間というのもあり、事務所を超えて上下関係を意識してしまうのだろうと思う。。
なお、これらはあくまでオードリー視点での話であり、千鳥やナイツやNON STYLE、キングコング視点だと意見が食い違う可能性のあるので、ご了承いただきたいです。