高額セミナーという劇薬

先週末に16万払ってセミナーを受けに行った。
ランドマーク社のブレイクスルーテクノロジーコースというもので、友人が熱心に勧めてくれて、説明会でも怪しさしか感じられなかった。けれど、彼の変化やそれだけ熱心になるのには理由があるのかなという部分と、もっと人生が生きやすくなるならと参加を決めた。もちろん簡単に出せる額ではなかったけれど、無駄になっても自分で決めたことだしと腹を括って臨むことにした。

ちなみにこのセミナーについて検索すると洗脳セミナーとか、宗教とか、ぼったくりなどと叩かれているものと、参加して本当に良かった、人生が好転したというような内容と両方出てくる。

私としては、セミナーについても、その会社に対しても全くネガティブな気持ちは持っていないし、批判するために書いているわけじゃない。でも、心持ち次第で、洗脳セミナーにも人生を変えるセミナーにもなり得るのだと強く感じて今回noteを書くことにした。

丸々3日間と3時間みっちり組まれたスケジュールの中、かなり大きな学びを得た。事実と頭の中の勝手な妄想はイコールではない、とか、出来事に対して反射的に出る感情は自分がありたい状態とは別であるなど、ぼんやりわかっていたことをしっかり腹落ちするところまで理解できた。それによって、物事をサクサクこなせる生産性も身についたと思う。他にも、今回のことがなければ伝えられなかった親や、身近な人に対してのわだかまりを解き、心が軽くもなった。

ここからが、本当に書きたかった部分なんだけど、セミナーでこれだけ自分が良い体験をしたのだから、この体験をプレゼントするために、あなたの大切な人も誘ってみましょう（あくまでも強制ではなくそうしたければ）、さらに上級コースもあって、さらにあなたの可能性が広がるので参加を検討してみましょう（あくまでも強制ではなくそうしたければ）という件があった。

私自身は違和感を感じつつも、セミナーの良さは感じていたので上級コースも契約し、実際に親にも勧めた。当然の反応だが、親は驚いて私を心配し、絶対にそのセミナーにはいかないし、関わるのはやめなさいとこれまでにないくらい強く言ってくれた。そのことに、とても感謝している。そして、もう一度自分の頭で考えた。

本当に私がどうしたいのかと考えると、今回での学びだけを中心として生きていくよりも、これまでの考え方や感じ方と、今回の学びを合わせて、自分なりにカスタムして生きていきたいと思ったんだよね。

そして、このセミナーに人を誘ったり、上級コースに行くことはこのセミナーの価値観だけの中で生きて行くことを自分が選ぶことのような気がして、強い違和感を持っていたんだよね。それは嫌だなと。私はこれまでの自分の価値観も大好きで愛しているから。

勧めてくれた友人も、その会社も、セミナーやシステムについても本当に素晴らしいものだと心から信じていて、100%の善意で勧めてくれている。素晴らしいと感じているからこそ、受けなくてもいいよとは言い難い立場でもある。もちろんノルマでもない、報酬ももらっていない。それもわかる。

全ては自分の選択に責任を持てるか。
この一点に尽きると思う。

断れない雰囲気だったから契約させられたとか、本当は行きたくなかったけれど義理があって無理やり参加したとか、後からいくらでも言えるでしょう。でも、最後は自分で決めたこと。そして、受け取らないことも出来た。

結果的に他責でネガティブな気持ちになると、あれは宗教、洗脳されたと言いたくなってしまう。自分で決めるということに慣れていないと、どうしてもこうなりがちなんじゃないかな。

どこにも悪者はいない。
どう捉えるかは自分次第で、どんな生き方も選べる。

高額セミナーは劇薬だった。激しく効いてきた。短期間でぎゅっと濃縮された新しい価値観を得て、これまで出来ないことが可能になって、もうこれしかない！と思った。それ自体も悪いことではない。劇薬が欲しい時もある。そこから、フラットなところに立ち戻ってどうしたいかは自分の責任で決めないとならない。そしてどんなにそれがアウェイな場所でも、その選択を選び続ける責任もある。

最終日、上級コースへの強いプッシュの時間も組み込まれていた。会社としては当然のことだと思う。より可能性がひらく商品を持っていたら勧めないはずがない。でも、私は受け取らないことを決めていたのでそれなりにシンドイ時間でもあった。そして貫いて無事に帰ってきた。すでに契約したものはクーリングオフもした。

このコースに興味があれば行ってみるのもいいと思う。ただ、劇薬であるがゆえに、自分自身でしっかり決断することが大事。そして、その責任を負うところまでセットでついてくることも伝えておきたい。