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”ピエロモード”が発動するのは呪いだった

先日実家に帰って、感じたことのシェア。特に父親について。

空気感的にはこの記事の類似パターンになる。

土日を使って帰省した。基本的に実家では車移動。みんなで、DIC川村美術館へ行った。

建物がムーミン谷みたいで、お庭が広くて快適だったよ。

化学メーカーのDICの経営者が設立したそう
庭が広いし噴水もあるし白鳥もいた
母の作ったお弁当を食べました
姪っ子とも久しぶりに会えた

美術館もお庭も楽しくて、外でのお弁当もおいしかった。それぞれ個人が自由に動けるうちはいいのだけれど、問題は帰りの車内に起きた。

せっかくなら同じ市内にある有名スポットも見て回ろうと話していて、車のナビを入れたが、現在地がずれてしまってうまく作動しない。

見かねた妹が、自分のスマホをナビモードにして助手席の母親に渡したが、普段見慣れていないので、見ながらナビが出来ない。

母がナビできないので、車のナビとも全然違う場所を走っていくことにだんだん苛立ちを見せる運転席の父。車内の空気ピリリリリ。

その様子に気づき、ナビのアシストは妹に任せた。妹も空気を察してわかりやすく丁寧にナビ役に転じる。

そして、わたしは”ピエロモード”発動。父の苛立ちに気づかないふりして、姪っ子に明るく話しかけて空気を変えようとする。姪っ子ちゃん使っちゃってごめん。

ちょっと話を振ったりするも、運転に集中してるのか、いつものことなのか返事をしない父。より緊張感高まる車内。あー、無理ー。なんで無視するねん。

でもね、これが普通だったの。これは凝縮版の出来事で、実家の中では大なり小なりこの役割をずっとこなしてた。

父が不機嫌になると、母も萎縮する。わたしと妹は少しでも空気を変えようとするけれども、あまりうまくいくことはない。

別に父は暴力を振るうだとか、大きな声は出さない人だ。でも、不機嫌になると言葉が荒っぽくなる。実家で男性は父だけなので、わたしはこの男性特有の荒っぽい言葉使いがとても怖かった。

”男性の機嫌は女性が取るもの”
”男性が機嫌悪くしていたら女性に非がある”

そういう刷り込みを勝手にしてきた気がする。刷り込まれたというよりは自分でチョイスしちゃったんだろうな。嫌だけれど。”わたしさえ我慢すれば”の大元もここにあったのかも。

だから、楽しくもないのに”ピエロモード”発動させるし、妹も丁寧にナビをする。それは決して当たり前じゃないのに、我が家では当たり前になっちゃった。助長させた私たちもまた共犯なのだ。

定年退職した父は母と二人で暮らす中で、お酒を飲んだときに会話がうまく噛み合わず、たまに感情的に言葉を放つらしい。夫婦のことではあるけれど、お父さんを王様にしてしまったのは、私たち家族でもある。

家長という言葉はもう死語なのかな。でも、概念というか呪いとして昭和生まれの両親やわたしたちの上には渦巻いている。父親を敬え。逆らうな。

そして、この呪いはわたしの恋愛関係にも当然波及する。相手のために、気やお金を遣いすぎたり、相手の都合に合わせ過ぎたり、結果都合のいい女のなったり、そういうことの原因のうちの一つもこの呪いだ。

呪いは気づいて解けばいい。でも、したくもない役割をずっとさせられてきたという鬱屈した気持ちに気づいたら、なんだか苦しくなって予定よりも早く帰ることにした。

帰りは父が駅まで送ってくれたけれど、全然しゃべれなくて、こういうときも父の話しやすい話題を振ってしまうわたしも嫌で、嫌ならずっと沈黙してればいいのに、それも潔くできなくて。いい娘でいたいんだな、わたしと気づく。もう必要ないのにね。

自分を見つめられるようになっていくと、これまで普通にやっていたことも呪いのせいだと気づける。内観できたという意味ではいいことなんだろうけれど、こういうときはちょっとしんどい。

選んだのは自分だし、気付けたら変わればいいだけなんだけど、エネルギーの消耗というかぶつけどころのないモヤモヤみたいなものは出てくるよね。悪者がいない分タチが悪い。うまく消化していきたい案件。

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