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質問は具体的にもわかるけど、「おすすめ教えて」とふんわり聞きたい
「今度、セブ島に行くんだけどおすすめ教えて!」
「何したいかによるし、どこに泊まるかいよるけど?」
よく聞くある会話。これ自体は不思議なことじゃない。超ざっくり「おすすめを教えて」と言われたら、自分が持つ情報から、できるだけその人にピッタリとくるものを渡したいと思うのは自然なこと。
同じ場面であれば、きっと私も似たようなことを相手に言ってしまうはず。
でも私自身、この「おすすめ教えて」を無意識にやっているときがある。そして、案の定「何したいかによる」的な返答をされるんだけど、なぜかそれに対して少し寂しい気持ちになってしまう……。なんというか、勝手ながら好奇心に水をさされたような気持ちになってしまうのだ。
このテーマの霧が晴れるきっかけになったのが、とある知人の話だった。
フィリピンに詳しい彼が「今度フィリピン行くんですけど、どこがおすすめですか?」ってよく聞かれるけど、正直困る。もう少しこの辺でとか具体的に聞いてくれないと答えようがないとのこと。
自分が言われたような気になって、モヤモヤした挙句、心の中では反論を唱えていた。
漠然とした質問が答えにくいのはわかる。質問は具体的な方がスマート。でも、そうなんだけど、ただ純粋にふんわりとおすすめ聞きたいときってあるじゃん……と。
もやっとした気持ちを突き詰めようと、真面目に考えてみたのだけど、まずそう聞くときって、ぴったりハマる返答を望んでいるようで望んでいないことも多い。もちろん世間話で聞いたわけではなく、本気で情報収集しようという気持ちもある。占い師みたいに「あなたはここに行くべき!」と決めてもらえるのも悪くない。
じゃあ、一体なんなんだといえば、そもそも求めているものが私へのレコメンドというより、その人のエピソードなんだという結論になった。
フィリピンに詳しい人は何を魅力に感じるのか。どんなところを人にすすめたいと考えるのか。それをヒントに旅の計画を詰めたり、調べたりする流れ(が多い)。だから、つまり「おすすめ教えて」ではなく「あなたが行って良かった話を聞かせて」が正しかったと気づく。
そう、だから、その人の世界観に参考がてらちょっとお邪魔させてもらおうとしたら、「いやいや、あなたはあなたの世界観で楽しんで」と突き放された気になっていたのだ。人ってややこしい。
その上で、もし今後ざっくりと「おすすめ教えて」と聞かれることがあるならば、自分の推しをペラペラと話そうと思う。それは旅に限らず。もし“あなたの世界にちょっと触れさせて”という前提があるなら、それはそれでとっても嬉しいことだから。
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