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乳がんになった私 #35「ホットフラッシュ」

「希望のちから」映画鑑賞会を終え、夕方頃になるとやはりだんだんと気持ちが悪くなってきた。

前回の時と同様、投与当日の夜と、翌日の朝はほとんど食べれず、やはり昼からは吐き気が治まってきて食事が出来た。

胸の痛みや発疹、赤みは相変わらずだが、いつも波があった。薬を投与して数日間は痛みが増し、赤みは少し引いた。さらに数日経つと痛みは弱まり、逆にまた皮膚は赤くなり、少し腫れている感じがあった。

そして新たに、痒みも出てきた。

もし、がんが悪化したとして、痒くなることなんてあるか?と思った。やはり先生が言うように、がん細胞が強い薬に攻撃されたことにより、皮膚に反応が出ているのだと信じたい。効いているのだと信じたい。

そして抗がん剤投与2日後の憂鬱なジーラスタ注射。やはり注射から3日後に眠れないほどつらい頭痛等の体調不良、1週間後には骨痛に苦しんだ。

1、2回目のEC療法の時よりも、今回の3回目は副作用が長引いている気がする。気持ち悪さが長引くと同時に、喉の違和感、つっかえる感じと、げっぷが止まらない。とても不快でストレスだ…。

そしてもう一つ。

急に身体が熱くなって顔や頭から汗が吹き出し、体温調節が出来ない。

ホットフラッシュ。

抗がん剤によって卵巣機能が低下することは最初に説明を受けた。そして任用性温存療法で卵子凍結をする選択をした。

初回の抗がん剤治療を終えた段階で月経が止まった。私の身体には更年期障害のような症状が起こっているのだった。

こういう症状が出るのは、ホルモン受容体陽性の乳がんだけなのかと思っていたが、違った。


月経が止まってしまうことは喜ぶべきことではないし、ホットフラッシュはつらい。だが、毎月の出血がないだけでこんなにも楽なのか…と思ってしまった。それほど月経というものは負担が大きい。抗がん剤の副作用と同時に生理痛なんて来た日には、きっとしんどすぎる…!

治療を進めていくと、次から次へと色々な体調の変化が起こる。進んでみないと分からない、知らないことだらけだ。

日々、自分の体調と相談をしながら予定をこなしていたが、やはりメンタル面も波が激しかった。

楽曲制作を進めたいのに、体調が優れずどうにも気力が湧かない。頑張れない自分に罪悪感を感じる。もどかしくてイライラしたり、メソメソしたり。

抗がん剤治療中なんだから、しんどい時はゆっくり休めばいい、むしろ休むべき。自分でもそう思うのだが…。

こうやって情緒不安定になるのは、それこそホルモンバランスのせいなのか。でも、そもそも体調が優れなければ、そりゃあ心も弱る。

内田には、この不安定な気持ちも全てさらけ出して伝えていた。

私「どうしよ〜…頑張りたいのに気力が湧かない〜!休みたいような…けど休むと罪悪感…!」

内田「今日は休めばいいじゃん。休む時は休む!」

何でも話せる相手がいることは大きな救いだ…。

そうやって私は、不安定になりながら、休んだり、頑張ったり、日替わりの毎日を過ごす。

(#36へ続く)
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