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乳がんになった私 #58「この日々が音楽になればいい」

イベント出演翌日、9月24日はオフにすると決めていた。

日曜日は引き続き関節痛が辛いし、前日にライブで身体に負担をかけた分 (望んでかけた負担!)、今日は身体を休ませようと思った。

日中、寝室で横になりながら、「面白いから観てみて」と母におすすめされていたドラマを観て過ごすことにした。

私は普段ドラマをあまり観ないのだが、こんな時じゃないと一気に観ることもできないよなあと思い、素直に母のおすすめに従った。

映像を観たり、本を読んだりする時、それが自分に何をもたらしてくれるかを期待してしまう。

それを観ることにより、心が動かされ、創作の種になるかどうか…知識が増えるか…世界が広がるか…曲が書きたくなるか…!


ただただ「あー面白かった!」で終われない、終わりたくない、と思ってしまう。

(もちろん、お笑い番組や芸人さんのラジオでひたすら笑うこともあるし、その時間も自分にとって大切!)

インプットしたものに刺激され、すぐに曲が思いつくこともあるし、すぐには繋がらなくても、受け手として自分の中に吸収されたものが、どこかのタイミングでふと出てくることもある。


実際の自分の体験もまさにそう。

乳がんになったことを、それによって生じた感情や気付きを、私はまだ曲に出来ていない。

自分の中に吸収している真っ最中なのだと思う。

そりゃあそうか、だって治療の真っ最中。

こんなにも心が動く出来事だから、治療中も曲が生まれて生まれて仕方がないのでは、と、乳がん発覚当初に思っていたし、そんな自分を楽しみに思っていた。

だが、曲として出てくるにはきっともう少し時間がかかるのかもしれない。


(だから、乳がんのことに関しては、今、音楽ではなくこうやって率直に文章として綴っているのだと思う)



その次の日も体調は回復せず、もう1日休むことにした。

本当は歌のレコーディングをしたかったのだが。

私はひたすらドラマの続きを観た。

近い将来、この日々が音楽になればいい。

(#59へ続く)
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