見出し画像

坂本龍一「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」を読んだ

坂本龍一の曲との出会いは、大学生だった2011年9月に屋久島で宮之浦へ山登りに行く朝方のまだ暗い道中だった。連れていってくれた友達が、車の中で坂本龍一のCDをかけてくれていた。中でもとっても気に入ったのが「Amore」という曲。長年クラシックをやっていた私が、ジャズの魅力にハマり出していた当時、この曲には綺麗な音の中に少し変わった音色があるな〜とってもかっこいいな〜と思った。山登りというものをしたことのない私はとても緊張していて、前夜に遺書を書いていたほどである(笑)。そんなドキドキの中で坂本龍一の曲を聴いたので、すごく特別な音楽に聴こえた。山登りからは無事に生還してとても良い屋久島旅になった。その後、粋な友達は、私がピアノを弾けることを知っていたのでAmoreの楽譜をプレゼントしてくれて、家でこの曲を弾いていた。

その後、社会人になってピアノから離れていたけども、コロナ渦で再びピアノのある生活になった。さっと弾けるピアノ楽譜集が欲しいな〜と思っていた時に、楽器屋さんで目に留まったのが、坂本龍一のピアノ集だった。Amoreも入った楽譜で、知らない曲でもなんとなく素敵なメロディーが奏でられるというお気に入りの一冊になった。

それとは別に、Kpop沼にハマっていた時に耳を休めるためにSpotifyでも坂本龍一の作品を流していた。そうすると、戦メリとかの有名曲ではなく、美術館で流れているような曲というか効果音というかBGMというか…なインスタレーション的音楽がたくさん流れてくる。なんだかヤヴァイ世界に連れて行かれそうな気分になって怖くて違う人の曲を流すのだけども、それでも度々聞いていた。

そんな時に、SUGAですよ。BTSのSUGAが譜面も見ずに「戦場のメリークリスマス」を弾いている動画がインスタにあがった。それを見て、なんだか悔しいと思った。暗譜するほど好きなのいいな〜って。それと同時に、クラシック分野でない人にもこんなに影響を与える人なんだな〜と驚いた。

さらに、インスタで長年フォローしているインフルエンサーも坂本龍一と友達だということを知った。私より少し年上の女性で、音楽とは全然違う何屋さんなのかも不明で、なぜフォローし始めたのかも忘れた方だ。ただ、彼女の生き方・暮らし方がなんだかかっこいいな〜と思ってフォローをしていた。のちに、ご近所友達のお姉様のお家にもそのインフルエンサーは遊びにきたことがあると知って、色々と結びついて個人的ニヤッてしている。坂本龍一とは何かの社会活動をきっかけに彼女は親しくなったようですが、坂本龍一の幅広さにも驚いた。

そんな感じで、遠巻きに気にしていた坂本龍一さん。
亡くなった時、ARMYである娘さんの投稿や、インフルエンサーの投稿、SUGAのドキュメンタリーを見て、ものすごくどんな人なのか気になってきて、「ぼくはあと何回、満月を見るだろう」を購入した。

上記の所々で知った坂本情報が繋がって、なるほどね〜〜〜となった。

常に挑戦的で、分け隔てない純粋な人で、自然との同化を気にかけ、歴史を重んじて、世代を超えて、世界中の音楽、人、文化と付き合う、やっぱり偉大な人だった。

思わず、「Amore」と出会わせてくれた友達にもこの本をプレゼントした。
喜んでくれたようでよかった。

#思い出の曲


この記事が参加している募集

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?