演劇について書こうと思ったら、新型コロナウィルスによる二次的被害があったと思われる業界について考えてしまった話。その1

わたしの本業は俳優なのだけれど、昨年から続くコロナ禍…の影響か、
はたまた「綾野アリス」という俳優に需要がなくなったものか、
とにかくも現実、とてつもなくスケジュールが空いてしまっている。

スケジュールが空いてしまっているので、困ったなあという気持ちと、
ではこの際、腹を据えてロングラン休暇を楽しもうじゃないかと若干うきうきする気持ちとに揺れ動きつつ、
この2020~2021年はじめを過ごしてきました。

最近では趣味の謎解きをYouTubeにして、マネージャーさんを巻き込みつつ楽しく編集したりもしている。


↓もしご興味あればご覧下さい。

さて、しかし、わたしの本業は俳優だ。

振り返れば、2020年は5月にオンラインドラマ、夏に舞台を1本。
秋に配信演劇。
そして秋から2021年春までは、有難くも初挑戦となるアニメ声優のレギュラーを。

2021年にはドラマにひっそりと登場したり、2月にはオンライン朗読劇を。

自分で企画したものもあれば、オーディションに合格したもの、オファーをいただいたもの、所属事務所である吉本興業の企画もある。

コロナウィルスのおかげで劇場で企画していた公演がおじゃんになることも勿論あったが、
とはいえ仕事がゼロになったわけではない。


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※以下余談を書いたら思う以上に長くなりまして、余談が本題になってしまいました。
余談が2回に渡ります。
演劇についてはまた後日書きます。


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余談であるが、先日、別の業種の人との会話に思うことがあった。

その方(仮にAとする)はスポーツジム経営などに携わる職業の方で、新型コロナウィルスによる二次的被害について話していた際に

綾野「どうですか、調子は」

Aさん「厳しいですね、飲食業や旅行業とまではいきませんが、次に厳しいのは間違いなくスポーツクラブ業界ですよ、実際。てやんでえ畜生」

と仰った。


で、わたしは咄嗟に

「江戸っ子かよ」
ではなく

「いや、演劇界もなかなか…SNSでも話題…」

などと思ったのだのだけれど、口に出すことはできなかった。

わたしは話すことを生業にしている割に、割にというかなんというか、自分から発する会話で人の共感を得ることが下手くそで、書かれた台詞や人物像がないと特に発信力のない人間なのだ。
要するに口下手。

なので、「コロナウィルスによる二次的被害が甚大な業界」について、その場で上手に発言できる自信がひとつもなかったので特になにも言及しなかったのだが、
なるほどなあ、と後々ゆっくり考えることにした

Aさんは話し相手であるわたしが演劇人であることを知っていて先の発言をされたのだが、
目の前のわたしにも配慮せいよ、と言ったことではなく、
わたし自身が「いや、演劇界もなかなか…SNSでも話題…」とすぐに言い募りたくなったことについてである。

わたしにはスポーツクラブ業界がどれほど厳しいのかという実感がほとんどない。
たまにジムへ行くとやっぱり大勢の人がトレーニングしているように見えるし、休日なんかはマシンの空き待ちにも遭遇する。そもそも入場制限で入れない日もある。

ジムで密だなと思うので、近所を散歩したりもする。
これまでちゃんと運動をしてこなかったからランニングとまではいかないけれど、コロナ禍でさすがに運動不足が気になって、前よりも運動をしようという意識自体は高まった。

こんなざっくりとした印象しかないので、スポーツクラブ業界がそれほどに厳しいとは思い至らなかったわけだ。

しかし聞いてみると、換気システムやパーテーションの導入や入場制限、グループレッスンにおいては密を避けるため人数を減らし、更に時短営業。
レッスンを減らし、インストラクターはリストラ、会員も減ってしまった…。

悲惨だ。
更に、ヨガなどの先生って、フリーランスの場合、レッスンするにもスタジオのお部屋を借りるなどのいわゆる家賃のようなものも発生してるんだそうだ。
講師の人気なんかも業績を左右されるそうで、先生職も人気商売だったとは…。

ちょっと考えれば気づきそうなことばかりだが、わたしには全く想像ができなかった。
想像する機会もなかった。
加えて、「自分の業界のほうが!」なんて言いたくなってしまった。
今思えば全く失礼な話だ。

長くなったので、その2へ続く。


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