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週末はランニングシューズと共に

今年の夏は暑い。

ここ数年、毎週末に必ず10キロは走っていたという私でさえも、なんとかしてサボる理由を見つける始末だ。

そもそも、私は走らなくたって良いのだ。
選手でもなければ、何かのモニターになっているわけでもない。
クーラーの効いた部屋の中で、ゆっくりと飲み物を飲みながら、だらだらと過ごしたって誰にも怒られるわけではない。

それなのに、走らないで過ごす休日は、なんだか気分が悪い。
ソワソワするし、外の様子が気になったりもする。
なんとなく窓の外を眺めてしまう。
ネコの1番のお気に入りの場所にお邪魔して。

去年の春に家族になったネコなのだが、ずいぶんと太って大きなお腹を見せながら、ひっくり返って窓際でよく寝ている。
私は外を眺めながら、猫の腹をフワッと触る。
猫の腹を触りながら、最近また太ったなと自分の腹を確認する。
最近走れていないから、ゴロゴロし続けているネコと私の腹はよく似てしまった。


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走ること。
それは、私にとって特別なことから徐々に日常へと変わっていった。

出産し子育てをしていく中で、失っていた自分の時間を取り戻してくれたのがランニングだった。

出産後は子供が中心の生活となり、自分の好きなことが何だったか分からなくなってしまうほど、子供のことばかりの毎日だった。
友達と会うにしたって、子供を預けてまで行く必要があるのか?働いていて普段保育園に預けているのに、休日くらいずっと一緒にいないとダメじゃない?そんな風にばかり考えてしまって、今思うと1番なりたくないタイプの母親だった気がする。

そんなこんなで時は経ち、子供達も小学生になった。
長女からは、「ママってなんか可哀想。やりたいこととか趣味とかないの?」とよく言われていた。
子供中心の生活をし続けたせいで、気がついたら何にもない空っぽになっている自分がいたのだ。
毎日時間が足りないという今の私が驚くほど、空いている時間に何をしたら良いか分からなくなっていた。
この感覚って子育てがひと段落した人に多少なりともあったりするんじゃないかなとは思う。
不器用だから、同時に二つのことが進められない私の性格的なものなのかもしれないけれど。

そんな中ある時、マラソン大会に出る仲間たちに引き寄せられて、私はランニングを始めることにした。
ランニングを始めてからというもの、罪悪感のない自分の時間が持てるようになり、子供達が楽しそうに走りに行く私を応援してもくれた。走れる距離が増えると走っている時間も増えていき、家を空ける時間もどんどん増えていった。なんか久しぶりに自由を手にしたような気分で嬉しかった。(初noteはそんなことをつらつらと書いた。)

そんなランニングだけど、続けられたのには他にも理由があったのだと最近気が付いた。

この夏のように暑い時期や、雨が降っている日、せっかくの休日で寝坊していたいはずの早朝、私を走らせてくれたのは走る仲間たちの存在だった。

私は走る仲間たちとオンラインで繋がっている。
仲間たちとはオンラインでイベントを開催したりして「走るきっかけ」を定期的に作っている。
暑くても、ご褒美ドリンクを投稿したいがために走ったり、雨が降っていてもzoomに集合してみんなと「行ってきます!」を言ったから、少しでも外を走ってこようって雨の中を走ったり、
眠たい午前4時だって、マジックアワーを見てzoomで感動を共有するために走ったりした。

一緒に家を出るラン

マジックアワーラン

夏ランjoy(ご褒美ドリンクラン)

ちょっと走りたくないな。
そんな私の背中を、いつだってそっと押してくれたのは、仲間たちと素敵な企画だった。

最近走れていないなって思っていたら、走るイベントも開催されていなかった。
仲間たちもそれぞれ忙しかったり、体調が良くなかったりと色々ある。私も全くやる気がなかったし、そんな時もあるよなって思いながらも、こうやって思い返すと何かやりたい、みんなとまた走りたいって気持ちが湧いてきつつある。

最近は言い訳を作りながら走らないことばかり選択していたけれど、心の声を聞いてあげるとやっぱり走りたくなるものだ。
そういえば私は、走ることが日常になると共に、走ることが好きになっていたんだった!!

走るようになったこの数年で、私はすっかり変わっていたのだ。これが「趣味ができる」ということなんだなって思ったら、なんか嬉しくなった。

ちなみに、ここ数年の私は子供たちと友達のような程よい距離で生活できている。
干渉せず、だけども話はきちんと聞いてあげる。
必要以上は口出しをしない。
このくらいがお互い丁度良いのだと今は思っている。
最近長女は次女に向かってこんなことを言っていた。「うちは、成績が悪くてもママが怒ったり何にも言ってくれないから、自分で必死になって頑張らないとどんどんダメになるんだよ!」と。

私はここ数年、自分のことで忙しいのだ。
やらなくても良いけれど、それでも自分がやりたいと思うことで。

今はとても楽しい。
こんな私にさせてくれたランニング、やっぱりこの週末は思い切り走ってこよう。
暑くても。

そして、仲間たちとまた、走りたくなるような企画を開催して、お休み中の仲間たちが戻ってくる準備を始めようと思う。

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