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#0-はじめに-

食べることは生きていく上でとても大切なことだ。そして、わたしにとって食べることは日々の暮らしの中でも最大の楽しみだと言える。
食べたいもののためならば、いくらでも早く起きるし、遠くまで行くことも苦にならない。
辛いことや悲しいことがあったときは、美味しいものを1キロ分くらい食べて負の感情をチャラにする。実際にそこまで食べることは難しいのだけれど、好きなものを好きなだけ食べても良いという自分に対するご褒美は、心の平穏を保つために絶対的に必要なのだ。
おいしいものは私を幸せにしてくれる。
そんな私にとって欠かせない「食」について、ただおいしいものを食べ続けるだけではなく、「食」を通して発見したこと、感じたことなどを文字にして残しておきたいとずっと考えていた。
さらにいうならば、他の人が「食」から持ち帰ってきたものを通して、自分の「食」の世界を広げていけたらもっと面白くなるのではないかとも思っていた。「食」にはおいしいだけではない、様々な可能性があるし、私たちの暮らしが豊かになるヒントがたくさん隠れている。

今回往復書簡の相手を務めてくれるシュニチ氏とは、数年前にオンラインメインの学びの場で知り合った。彼にあるとき、姜尚美著の『あんこの本』をお勧めしたところ、あんこの沼にハマり、掲載されているお店に足を運ぶだけでなく、ついにはあんこを自ら炊くことまで考えていると私に告げてきたのだ。この話を聞いたときに、彼のこの好奇心と行動力はきっと私を予測不可能な「食」の冒険に連れて行ってくれる予感がした。
私たちは年齢も10歳以上離れているし、私は東京、シュニチ氏は京都と住んでいる場所も違う。仕事も趣味も興味があることも基本的には違うし、暮らし方も全く違う。
この私たちの重ならなさも、きっと良い効果を生むと感じた。

「食」そして、「おいしいもの」を通して、普段絶対に交わることのない2人が、離れた場所でそれぞれに、そしてたまには一緒に、文章を通しておいしいのその先にある宝物をみつけるような、そんな冒険ができたらと思っている。

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