あの日見た花の名前をママはまだ知らない〜”時間”の価値を気づかせてくれた息子のことば
今でこそ「家事も仕事も効率化!」「お金以上に時間を増やそう!」と声高々にしてる私ですが、元々は誰よりも時間の使い方が下手で常にドタバタ走り回ってる人間でした。
幸か不幸か中途半端に器用貧乏で、責任感もそれなりにあって。周りに認められたくて仕事をどんどん引き受けて、忙しく働く自分に酔っていた時期がありました。
残業が続いたら「今月残業やばー寝れてなーい」とか言ったりしてね。
リアルに地獄のミサワ並みに痛い自称バリキャリ()だった。
(あ、今は8-10時間は寝てます💙)
上の子どもたち(双子)が生まれてからは特に顕著で、
毎朝「早く準備して!」と叫びながら家を出て、
保育園に双子を放り込んで、車で30分かけて職場に到着。
ランチタイムはカロリーメイト頬張りながら仕事をして、
気合いで定時に仕事を終わらせて渋滞の中お迎えに行き、
暗い夜道を双子を両脇に抱えてダッシュ。
(ピシッと決めたスーツ姿で赤子2人と、大量のオムツ入りのリュックを背負って疾走する私は覇気が凄かった・・とあとでママ友に言われました笑)
そして、家に着いたらタイムリミットに追われるようにお風呂と食事を済ます。
そんな毎日が激変したのが、双子が年長になった時。
末娘の出産で産休・育休に入ったことで、自由な時間に送り迎えができるようになったのでした。
(もちろん新生児のお世話というタスクは増えましたが…双子男子に比べたら女児単体は可愛いもの)
年長ということで行事も多かったけど、これまでみたいに何かあるたびにミーティングを早退したり引き継ぎすることもなく、いつでも気兼ねなく参加できるようになって。
園の保護者会役員もしていたので、平日のお昼時に園で作業して、我が子たちにバッタリ会ったら「じゃあ一緒に帰っちゃおか!」なんて言える余裕も出てきました。
まだ日が明るいうちに子どもとのんびり歩いて帰るなんて、毎日時間に追われるように働いていた時には想像もできなかった光景です。
「もっと早くこんな生活ができればよかったのかもな・・」
「この先復職して、また時間に追われる生活に戻って本当にいいのかな・・」
そんなふうに考えたある日。
長男が「ママ見て!」と公園を指差しました。
そこには色とりどりの花が咲き誇っています。
いつも真っ暗な中走り過ぎてた場所だから、花が咲いてるだなんて気づかなかったな。
なんて思いながら息子に「あ、お花いっぱいあるね!」と返すと
「タチアオイっていうんやで!」
と自信満々の息子。
びっくりしました。
まだ「花」の分別なんて、チューリップくらいしか知らないと思ってたから。
「ずかんで見てん。ずっとママに教えてあげたかった」
その時、思い出しました。
いつもこの道を通る時、息子が公園を指さしていたことに。
息子はずっと、教えてくれようとしてたんだ。
わたしはずっと、それに気づかなかったんだ。
時間に追われて、かけがえのない瞬間を見逃してたんだ、と。
涙が止まりませんでした。
「よく知ってたね。教えてくれてありがとう」
と言いながら息子を抱きしめました。
”いくら評価されても収入が増えても、こんな時間を犠牲にしていいのだろうか?”
キャリアに固執していた私が、「別の働き方」を初めて考えた瞬間でした。
もし末娘を授からず、上の子どもたちとの時間を取れなかったら。
あの花の名前を知ることも
子どもの成長を知ることも
そして、時間の使い方や働き方を考え直すきっかけもなかったかもしれません。
PS:
このエピソードの直後、2018年7月に生まれた末娘の名前には「葵」という漢字を入れました。
陰キャラだらけの我が家で誰に似たのか、娘は家族の誰よりも明るく、アオイの花のように真っ直ぐ気高く育っています。
サポートはとっても貴重なので今後の活動の励みになります!ありがとうございます💙