見出し画像

無職10日目、サンリオを通ってこなかった人間はマイメロを選ぶ

世の中には、二種類の人間がいる。

サンリオを通ってきた人間と、そうでない人間だ。

私は残念ながら、サンリオを通ってこなかった方の人間だ。

家族はディズニー派だったし、田舎生まれ田舎育ちの私の行動範囲にはサンリオショップがなかったため、サンリオに触れる機会があまりなかった。

キティちゃんの体重がリンゴ換算なのも知っているし、ポムポムプリンは黄色いゴールデンレトリバーなことも知っている。

だが特筆すべきサンリオとの思い出はない。

大学時代の友人がサンリオピューロランドで働いていたのだが、正直何をするところかよくわかっていなかった。ディズニーランドとはどう違うのか。何歳向けの施設なのか。オトナが行ってもいいところなのか。

わからないまま、結局は一度も行けていない。

サンリオを知らぬまま育った私の唯一持つサンリオエピソードは、昨年SNS上で大変話題になった「宇垣美里アナ」の「マイメロ論」だ。

ふりかかってくる災難や、どうしようもない理不尽を、一つひとつ自主的に受け止めるには、人生は長すぎる。
そんなときは、『私はマイメロだよ~☆ 難しいことはよくわかんないしイチゴ食べたいでーす』って思えば、たいていのことはどうでもよくなる。

私には絶対できない発想だと思った。目から鱗が落ちるとはまさにこのこと。

生きていく中での災難やどうしようもない理不尽は、自分でかみ砕いてかみ砕いて、なんとか乗り越えていくものだと思っていた。
そこにこそ、成長があるのだとすら思っていた。そしてそう「すべき」だと思っていた。

当時、仕事でどうしようもない理不尽に直面しあがいていた私には、あまりにもシンプルで、魅力的で、凛とした言葉に見えた。
心のもやもやを、優しく包んでくれるようだった。

なるほど、たまにはマイメロになったっていいのか。

世の中には、「どうしようもないこと」なんてたくさんあるのだ。
「すべきこと」なんてないんだ。

宇垣アナとマイメロは、そっと私の心の重荷をおろしてくれた。


そんなサンリオだが、今日から2020年サンリオキャラクター大賞が始まるらしい。


サンリオにお世話になってきたわけではない私だが、今年は感謝の気持ちを込めて、マイメロに一票入れようと思う。



余談ではあるが、マイメロ、YouTubeデビューしているらしい。

マイメロの声だいたいキティちゃんだし、相談内容がめちゃくちゃヘビーだし、マイメロちゃんっていうかマイメロさんだな……

いただいたサポートは、妄想に使います。