ブラック企業勤め夫の育休取得回想記
#育休から育業へのハッシュタグを見て他人事ではないなと感じ今回の記事を書いてみようと思い立ちました。
私は2023年6月に第一児を出産した新米ママです。
夫は生後1ヶ月から2週間、産後パパ育休(出生時育児休業)制度を利用し育休を取得しました。
そもそもブラック企業が育休取れるのか
夫は飲食店勤務で、本社ホワイト現場ブラックと言ったところでしょうか。
正社員なので本社が制定する福利厚生は利用できます。しかし現場を回すための長時間労働(1日16時間〜18時間勤務)、休日出勤、サービス残業の点から考えるとブラック企業と言えるでしょう。
国が男性の育児休業の取得を推奨し始めたので、子供が生まれた社員に育児休暇を取るよう本社から通達がきました。
(“育児休業を取得させた”という実績が欲しかった、というのが本音でしょうが、ここはオフレコにしておきます)
これがブラック企業勤めの夫が育休を取得した経緯です。
そもそも育業って?
育業とは、2022年に東京都が決定した育児休業の新しい愛称。
育児のために仕事を“休む”ものから、育児という“業務”に協力して携わろうよ、とイメージ改革のようです。
名称が変わるだけで育児のために仕事をお休みするということに変わりはないとのこと。
育児という業務があるから、本業の方で休暇を取得してもなんら問題ないよね?というメンタルに国民全体を持っていきたいのですね。
男性の育休ってやっぱり必要?
もちろん“私の家庭は”という前提で話を聞いてほしいのですが、ぶっちゃけて言ってしまうとあまり必要はないです。
理由その① 短期間すぎてスキルが身につかない
というのも2週間という短い期間の中で、夫が完全に習得できたスキルはおむつ替えくらいでしょうか。
寝かしつけや、ギャン泣きした際に泣き止ませることはできませんでした。
また、生後1ヶ月と生後数ヶ月では赤ちゃんも成長してますし、対応がまったく違ってきます。
育休中に慣れた抱っこの仕方も、生後3ヶ月の時には嫌がる、そんな感じのことばっかりです。
理由その② 結局ワンオペに戻るし
先述の通り、夫は毎日長時間労働のため、基本的には私がワンオペで育児をすることになります。
だからこそ、誰かに助けてもらうより、私自身が自分でなにもかもできるスキルを身につけてしまったほうが今後のためなのです。
2人で協力してお風呂を入れることが普通になってしまったら、夫の育休が終わったときどうしようもなくなってしまいますからね。
理由その③ 教育するのはこっち
父親は母親と比べて、親になった自覚が遅れてくるという感覚は、世のお母さんたち少なからず持っているのではないかなと思います。
私たち母親は常に育児の情報を気にして、分からないことがあれば即調べるのに対し、
父親は分からないから放置、または母親任せにしてくることが多いように感じます。
ちょっと教える分にはいいですが、あれもやってほしいこれもやってほしいとなると教えることは膨大に。
それだけで気力と体力が持っていかれるわけです。
だったら自分でやったほうが早いし楽だわ、と思ってしまうのです。
それでも育休取ってもらってありがたかった!
上記の通り、育児に対する技術的な面では、正直男性の育休はいらないかなと思っています。
でも育児って“業務”の部分だけじゃないですよね。
3時間ごとの授乳、慣れないおむつ交換、いつ落としてしまうかと怖いお風呂入れ、だっこしても泣き止まない、夜寝ない、何を考えてるのか分からない…
赤ちゃんとの生活って、いつも気を張ってて、いつ緊張の糸が切れてしまうのか分からない一触即発の状態。
親になったからって強くいなくちゃって思ってるけど、本当は泣いて弱音を吐きたいんです。
そんなとき夫がいてくれてどれだけ助かったか。
何もできなくていい、何もできなくてもとりあえず預けて逃げることができると思えるだけでどれほど救われたか。
泣き止まなくても自分一人でなんとかしなくていいんだ思えた時、どれほど安心したか。
育業と呼ばなくても
育児業務をするだけが育休ではありません。
家族共に過ごす時間を確保したり、うちのように精神的な支えになったり。
その人それぞれの時間を過ごしていいじゃないか。
その人が幸せを感じられる時間の使い方をしたらいいじゃないか。
仕事をしているとその世界の中、小さなコミュニティ内での価値観になってしまいがちだけれども、人生という大きな視点で見た時、本当に大事にしたいのは何だろう?
ひとりひとりがそれに気がついて、固い意志と勇気をもって育休を取れば、育業と名称を変えずとも、男性も育休を取るのが普通な世の中になるのではないかな?と思います。