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あなたにとっての「先生」は誰ですか?

15歳の夏だった

私は高校受験を真面目に考えた時に、塾に行かなければならないと決断した。

(中3の夏とかいっておせーよ)

完全に出遅れていた

駅前にある中規模の予備校に入塾した。
国数英の中では数学が得意だと思っていたが、塾のレベルについていくのがやっとだった。

そこで、石黒賢似の数学講師に出会うことになる

とても素直な私は、石黒先生の授業をしっかり聞き、石黒先生の言う通りにノートを提出し、石黒先生の作ったテストでは満点を取るようになっていた。

石黒先生は、私にこっそり「誰にも言わないで欲しいけど、実は俺はまだW大学の1年生なんだよ。こういう塾は本当は大学生は働いちゃいけない決まりなんだけど、特別にバイトさせて貰ってる。絶対に言うなよ」

石黒先生は附属の高校からW大学に行ったので、私との年齢差はたった4歳だった。

私は石黒先生と秘密が出来たと思い、嬉しかった。

そう、私は石黒先生を好きになっていた。

先生の気を引きたくて必死になって公式を覚えた。
先生に褒められたくて必死になって因数分解をした。
先生と話がしたくて必死になって二次関数を理解した。

先生が好きだった


ある日

同じクラスのパンダみたいな顔と身体の女が突然こんな事を言ってきた。

「石黒、気持ち悪くない?」

え?別に気持ち悪くないけど←心の声

「私、アイツ気持ち悪くてさ」

そのうちパンダは塾に来なくなった


その後受験が無事に終わり、塾で最後に集まる日、久しぶりにパンダは現れた。するとパンダは、

「石黒、アイツまじで気持ち悪い!
誰にも言わないでよ…

私、アイツに告られた

毎日毎日電話してきて、受験終わったらどこどこ行こうとかマジで気持ち悪かった。
あまりにしつこくて怖くなったから、塾も行かなかった。二度とアイツに会いたくない。ロリコンだよ、マジで石黒気持ち悪い」


チーン

私の恋が終わった瞬間だった


その話を後ほどになって、仲が良かった妖艶な雰囲気漂う塾友G子に話すと、

「石黒先生もバカだね。あんなダサいパンダじゃなくてAYAピーにしておけば良かったのにね。そしたらAYAピーも今頃生娘じゃなかったかもしれないし。うふふ、石黒先生も本当にバカ。ちなみに私は、石黒先生より田中先生の方が良かったわ。うふふ」

さすがG子、中3にして男も女も経験しているだけあって、言う事が違うわ。

更にG子は、

「それとAYAピー、石黒先生が大学生っていうのはクラスの人全員が知ってた事だから。AYAピーは後から入ってきたから個別に聞いたかもしれないけど、皆知ってたわよ」

チーン

あの時、先生が私に「渡辺美里のアルバム」を貸してくれた時にこっそり聞いたと思っていたあの話は、私と先生の内緒の話では無かったのだ。

ちなみに渡辺美里のアルバ厶もパンダに貸した後に、ついでに私に貸してくれたものだったらしい。

チーン

重ね重ね終わった恋だった。
しかしながら、今頃になって言いたい



石黒、おめー、ロリコン、キメーよ



以上、久々に夏目漱石「こころ」を読んで、自分にとって懐かしい「先生」との思い出を書きました。

あなたにとっての「先生」は誰ですか?




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