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超個人的日記:コロナ闘病記編

11月28(火)

コロナにかかってしまった。いや、正確に言えばこの文章を書いているときはまだ検査はしていないので、ただ高熱が出ているだけなのだが。

昨日の朝、旦那さんが発熱した。37.2度で、「まぁ普通の風邪かな〜」と、わたしも彼も思っていた。ら、コロナ陽性反応が出たらしい。今までコロナに誰一人かからなかった我が家の1番の元気印が、真っ先に倒れた。
これはもう、きっとわたしも娘ちゃんも時間の問題だろうと思いながら、「どうにか持ち堪えてくれ」と願い、「旦那はかかったけど、わたしは大丈夫だったわ〜」と言う未来を鮮明に想像したりした。

が、そんな想像も虚しく、翌日夜に発熱。わたしと1歳の娘ちゃんが同時に39度。一番最初に寝込んだ旦那さんが38度台で、打って変わって一番動けるメンツとなってしまった。

我が家、コロナを前にあえなく全滅。

ひとまず、わたしは以前出産のタイミングで処方されていて、偶然残りを持っていた鎮痛解熱剤のアセトアミノフェンを服用した。

娘ちゃんはどうしようもないので、ファストドクターで先生に往診に来てもらうことにした。この判断をしたのは、19時過ぎ頃。
すぐにアプリを経由して連絡を入れ、往診の手筈を整えてもらうも、急患の方を優先するとのことで、到着予定時刻は深夜の1〜3時の予定。とにかく、それまで待たないといけない。眠ってしまって往診の予約をすっぽかすのが怖くなって、なかなか眠る気持ちになれない39度台のわたし。

娘ちゃんはしんどくてぐずぐず。泣いて「だっこ」と叫び、抱っこすると「いやいやいや〜」と体を捩って拒否。これを40分ほど繰り返し、少しだけジュースに口をつけて、力尽きて就寝した。時刻は22時。

往診の時間までまだまだある。あと数時間、どう過ごしたらいいのか分からない。とりあえず横になる。

病気になった時は、とにかく水分をたくさん摂れば良いと思っている。いっぱいごくごく飲んで、おしっこでたくさん出せば、身体の良くないものを外に排出できたような気分になるから。知らんけど。とにかくお水をたくさん飲んで、たくさんトイレに行った。

夕方頃は悪寒でガタガタ震えていたのに、22時を過ぎた頃から身体が火照ってきた。うっすらと汗ばんでいる自分を感じて「お、アセトアミノフェンが頑張ってウイルスと戦っているのかな」なんて、思ってみたりした。わたしの身体よ、頑張って欲しい。

ファストドクターの先生が往診に来てくれたのは夜中の1時過ぎだった。こんな時間にお家に来ていただけること、感謝でしかない。娘ちゃんは検査の結果コロナ陽性だった。やっぱり。先生の前で「だっこだっこ」と泣き叫び、それを見た先生は「かわいいね〜」と言っていた。心の余裕がすごい。
娘ちゃんの体温は39.6度になっていたので、その場で座薬を入れてもらった。これでどうか熱が下がることを祈りたい。
あれだけ先生のことを嫌がっていたはずなのに、診察が終わって帰るとなると、ドアがパタンと閉まるその瞬間までしっかりと手を振っていた。さすがにこれはかわいい。自分も39度超えの発熱中だけど、これにはかわいいという感情が芽生えた。ほっこり。

コロナ陽性が確認されたので、旦那さんの隔離をやめることにした。みんなコロナだから隔離している意味がない。1日ぶりに、みんなで川の字になって寝た。


11月29日(水)

昨晩は、人生で1位2位を争うほど辛い夜だった。

娘ちゃんは夜中に何度も「だっこ〜」と泣いて起き、その度にわたしは「大丈夫よ〜」と頭を撫でた。そんなわたしの体温は、38度台後半から下がらなかった。
20分おきに泣いて起きる娘ちゃんを見守り、ようやく落ち着いて眠ってくれたのが朝の4時だった。

一方わたしは、頭痛がひどすぎて全然眠れなかった。頭の中で何かがガンガンと鳴り響き、反転フラップ式案内表示機(今はもうほぼ絶滅しかけている空港とかのパタパタする案内表示機)がパタパタするのと同じくらいのスピードで、幻覚のようなものが頭の中をぐわ〜っと巡った。走馬灯のような鮮明な場面が見えるわけでもなく(走馬灯を見たことがないから知らんけど)、黒と紺をベースに赤や黄色や青が少し混ざったような、よく分からない思考の塊みたいなもので、頭の中が占められていた。何を言っているのか分からないと思うけれど、あれが何だったのかわたしにもよくわからない。とにかく辛かった。これがいつ終わるのか分からないところが一番しんどかった。どうか早く夜が明けて、朝が来て欲しいと心から願った。

恐らく3時間ほどまとまって眠ったような気持ちで起きた朝。外は明るくなっているけれど、身体がだるくて、頭はやっぱり痛くて、とにかくしんどくて、枕から頭を離すことが出来ない。体温は38.8度。おいおい、昨日飲んだアセトアミノフェンはどうしたんだよ、と思ってしまったが、それだけ熱の勢いがすごいだけなのかもしれない。

どれだけしんどくても、とにかく病院に行って、お薬をもらわねば。そう思って、近所のクリニックに電話をかけて、発熱しているがそのまま向かって大丈夫かの確認をとった。「来てもらって大丈夫です、しんどいと思うので、到着したら奥にあるベッドで横になって待っててもらうことにしますね」と、電話口の方が言ってくれた。優しい。
やっとの思いでお布団から這い上がり、とりあえず牛乳を飲み、昨日娘ちゃんが食べ残したバナナを口に放り込み、その辺に放り投げられていた服とコートを着て、ポケットに財布とiPhoneとお薬手帳をつっこんで家を出た。

駅前のクリニック。いつもならなんでもない距離のはずなのに、39度近い体温で朦朧としながら歩くには過酷な距離だった。
やっとの思いで到着し、受付で保険証を渡すと「先ほどお電話いただいた方ですか?ベッドまで案内しますね」と、スムーズに横にならせてもらえた。優しさが沁みた。
問診票を書き終え、ベッドに横になりながら診察の時間を待っているうちに、気づけば眠ってしまっていた。家にいたらどうしても発熱している娘ちゃんのことを気にかけてしまって、何も気にせず眠るなんてことは出来ないからこそ、少しの時間でも病院のベッドで気兼ねなく眠れたことで、少しスッキリしている自分がいた。
しばらくして、先生がわたしのベッドのところまでやってきた。わたしを起き上がらせることなく、そのままコロナの検査と診察と説明をしてくれた。わたしは寝転びながら精一杯首だけを起き上がらせて先生の話を聞いた。「結果が出るまで15分かかります」と言われたらコロナの検査は、一瞬で陽性の反応が現れた。やっぱりわたしもコロナだった。

「昨日、アセトアミノフェン飲んでますよね?まだ残ってますか?」「もう残ってないです」「昨日ってどのくらいの量飲みました?」「200を2つですね」「それで熱下がってないので、量を増やして500で出しておきますね」「わかりました、ありがとうございます……あっ、あの、それって錠剤ですか?」「え、そうですけど」「大きな錠剤苦手で…粉薬とかに出来たりとかしませんか…?」「あ〜、そうですね、大丈夫です、ちょっと粉の量多くなっちゃうかもしれないんですけど」「それは全然大丈夫です!!!」

という流れで、お薬は苦手な錠剤を回避できることがここで確定した。39度近くの熱があったとしても、錠剤を避けるための提案はしなければならない。それくらい錠剤を飲み込むのが無理すぎるから。

お会計の準備が出来るまで、ベットで横にならせてもらえた。起き上がって受付に行ったら一切待つ必要なく、わたしの処方箋も全て揃った状態だった。
このクリニック、今回が初診だったのだけれど、先生も看護師さんも受付のスタッフさんもみんなみんな優しくて、とてもありがたかった。かかりつけ医はここにしようと心の中で決めた。

薬局に処方箋を出した。処方箋を一瞥した薬剤師さんに、「あっ、こっちの丸い椅子に座ってください」と、ソファーではない席に促され、自動ドアを全開にされた。そりゃコロナ患者だからそういう対応になるよね、すみません、お薬出してもらうまでちょっと隅っこで待たせていただきます、と肩身狭く思った。

「あの〜…処方箋粉薬になってるんですけど、錠剤無理とかですか…?」とわざわざ薬剤師さんが聞きに来てくれた。「そうなんです…」と覇気のない返事をした。すみません、30歳にもなった大人が錠剤飲めなくて…と、ちょっとだけ惨めな気持ちになったりならなかったりした。

お家に帰って、適当に着たコートと服を脱ぎ、パジャマに着替えて再びお布団に潜り込んだ。2時間ほど眠り、起きて旦那さんが用意してくれたお昼ご飯をぼんやりしながら食べ、処方された量の多い粉薬を飲んだ。

そして、この薬が、めっちゃ効いた。

今までずっと38度台だった体温が、1時間後には36.8度になった。びっくりした。効きすぎてちょっと怖くなった。急に、身体が軽くなったし、元気になった。相変わらず頭は痛いけれど、動けないほどではない。「あと何日高熱にうなされるんだろうか…」と、たった数時間前まで絶望していたのが一転して、朗らかな気持ちだった。とはいえお薬が切れたらまた熱が上がるんだろうな〜と覚悟した。

一方娘ちゃんはというと、体温はずっと38度台。とてもしんどそうだったので、お昼過ぎに座薬を入れた。座薬を入れたことで38.9度だった体温が38.3度になった。え、全然下がってないんですけど。と、思ったものの、座薬を入れた後の娘ちゃんは、38度あるとは思えないほどケロッと元気で、わたしのメガネを奪っては「め・が・ねっ!」と楽しそうに遊んでいた。なんか、大丈夫そう。

夕飯も旦那さんが準備してくれた。彼も病人なのに、今日1日は色々やってくれて、本当に頭が上がらない。まじで、同日に発症しなくて良かった。

夜になって、寒気がぶり返してきたので熱を測ったら37.1度。全然大したことない体温だったけれど、相変わらず頭が痛いので、再び量の多い粉薬を飲んで、早めに就寝することにした。娘ちゃんも熱が上がってきていたので、寝る前にもう一度座薬を入れた。また3人で川の字で寝た。


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