日常の謎 #1 何故ここに遮断機?
私が普段日常的に思った「何故?」を書いてゆく日常の謎シリーズをこれから低頻度で投稿していこうと思います。
第1弾は「線路のない踏切の謎」をお届けします。
私は以前、埼玉県の白岡市という場所に住んでおりました。
下着類などを購入するためにお隣の蓮田市の「しまむらファッションモール」のしまむら蓮田店へと買い物に出かけた時のこと。
駐車場の裏手には小さい用水路のような所があるのですが、そこに踏切の遮断棒が伸びているのを見つけました。
何故ここに遮断機が?
警報機もありません。ただ、踏切遮断機がそこにポツンとあるだけなのです。
私は1度気になるとその真相を知りたがる癖があります。
まずはネットで検索してみますが、見当たりません。
私の中で様々な憶測が飛び交います。
1.かつてはここに企業などが運営する貨物路線が敷かれており、その名残がモニュメントとして残されている説
しまむら蓮田店は埼玉県県道3号、通称さいたま栗橋線という片側二車線の大通りに面しています。国道16号や17号方面から4号線方面に向かう人が多く利用する幹線道路です。
それゆえかつてはここら辺に工場などが建っておりその貨物線として利用されていたのかなと推測しました。
2番の憶測で語ることと何か関係していたのでは?とも考えました。
2.かつての武州鉄道の路線と関係している説
かつては浦和(岩槻)から蓮田市まで、武州鉄道という線路が通っていたそうです。
とはいえ路線が伸びていたのは岩槻方面。県道3号から北側には川が通っており、ここまで線路が伸びていたのは違うのではないか?とも思います。
ただ、武州鉄道について調べてみると菖蒲まで延伸する計画もあったのだとか。 確かに蓮田方面からはここを通れば菖蒲方面へと向かうルートとしては現実的なものになります。
1番の工場説であれば、工場からその武州鉄道までの貨物線として利用されていたことが考えられますが…
3.用水路の増水で落ちる人が後を立たなかった説
しまむらから県道3号を茨城方面は上り坂になっており用水路の向こう側は少し山になっています。この用水路が増水した時、山側から来る人が川の境界線を認識できず落ちてしまう事例が後を立たなかったのではないかと考えました。
とはいえそうなると境目にもっと沢山の遮断機が設置されていないとおかしいはず。
こんな憶測を立てて調べてみるも、結果は出てきません。 知りたがりな私は、蓮田市へと問い合わせてみることにしました。
深夜にメールで問い合わせ、私事の調査なので返事は遅くても構いませんと書いたにも関わらず蓮田市からのレスポンスは早くその日の午前には電話がかかってきました。
曰く「調べたところ遮断機は蓮田市の所有物ではなく埼玉県の河川管理所が所有しているものなので、蓮田市から問い合わせて聞いてみます。なので少しお時間下さい。」
との事でした。
親切かつ迅速な蓮田市の対応には好感が持てます。
待つこと数時間、直ぐに答えは返ってきました。
真相はこのようなものでした。
「しまむら蓮田店の駐車場側からは見辛いですが、あの遮断機のあるところには県道3号の下を通る通路があります。用水路が増水した時に、近隣住民が通路を渡った際に有事に至らぬよう遠隔で通行止めにする為遮断機を設置致しました。」
意外とシンプルな理由でした。
確かに私はそこに通路があることを知らなかったので、この回答を得た後に現地に行って確認してみることにしました。
確かに、遮断機は通路を止めるように設置されています。
よく見ると県道の反対側にも遮断機が設置されているのが見えます。
3番の憶測に近いような形でこの遮断機は設置されていたのでした。
踏切警報機はありませんが、遮断機にはこのようにプレートが貼られておりしっかりとしたものであることがうかがえます。
通常、この手の通行止めなどは警察官が行うものと考えていた私は非常に驚きました。
遠隔にしている理由については憶測ですが、管理しているのが県の施設だとしたら蓮田市は事務所から遠いのでしょう。 また、増水するような豪雨の際は職員が現地に赴くのも危険でしょうから遠隔で通行止め出来るように設置したものだと思われます。
(さすがに私事で何度も調査の問い合わせをするのは、忙しそうではばかられました。憶測で申し訳ございません。)
いかがでしたでしょうか。
遮断機がこのような場所でも活躍していることを知って大変驚きました。
遮断機は踏切で使われるものだという先入観ばかりで考えていた自分の思考を改められる良いきっかけになったのではないかと思います。
県民を守るための工夫は色々な所で様々な形で実行されているのだと思います。
もし、この記事を読まれた方で近くに同じような遮断機を見たことがある方がいらっしゃったら教えてくれると嬉しいです。