そもそも何のためにブランディングとマーケティングがあるかから話せるようになるためには
●本記事を書こうと思ったきっかけ3つ
① ブランディングやマーケティングの定義についてよく語られているけど、そもそも何のためにブランディングとマーケティングをしているのかということから理解できていないから、やはりブランディングとマーケティングについて混在している人が多い
② 結局、マーケティングをSNS運用と理解している人が多いが故に、自分の仕事が何のためにやっている仕事なのかを理解しきれていない方が多いのではないかと思った(想定シミュレーションを運用で達成することが目的ではない)
③ 事業会社の責任者が「イベントをやろう」と言ったら、売上に直結しないのに何のためにやるんだと現場社員から言われて社内一丸となれないという話をよく聞く
●本記事の目的
そもそも何のためにブランディングとマーケティングをしているのかということから理解をすることで、
支援会社にいる現場社員の方が、自分の仕事の目的がより明確になることで日々の業務に意義を感じられるようになってほしい。
さらにステップアップしたい方は、事業会社のCMO・ブランドマネージャーレイヤーの方と本質的な対話ができるようになり、任せてもらう領域が拡大、つまり、受注金額を増やすことができるようになります。
●結論
リピート顧客を増やさないと、事業の利益は生まれないということ。
事業にとって新規顧客の獲得は投資であり、利益は生まれていない。
利益が生まれなければ、事業のビジネスモデルは成り立っていない。
1. ビジネスモデルについて理解しよう
売上= 顧客人数 × 単価(@購入単価 × 購入個数 × 購入頻度)
↓
さらに分解すると
● 新規顧客 × 単価=新規顧客の売上 → コスト消費・利益創出 ×
● 既存顧客 × 単価=既存顧客の売上 → 新規顧客獲得コストの5分の1程度消費・利益創出◎
そのため
● 既存顧客を増やすこと
● 既存顧客のさらなる利益を上げていくこと
が必要で、だから
LTV(顧客が生涯にわたって企業にもたらす利益)を高めていく
必要があります。
2. LTVを高めるために必要なことを理解しよう
LTVを高めるために
● 新規で獲得した顧客をリピート顧客へと育成していく
● 既存顧客の売上を増やしていく
が必要ということになると
購入頻度を増やす or 購入単価を上げる
と考えると思いますが、ここでひとつの落とし穴があるんです。
⚠️ 落とし穴に注意
購入頻度や購入単価を増やすということは、そもそもその商材やサービスのカテゴリヘビーユーザーになるということ。カテゴリのヘビーユーザーなので、他に良い商品が出てきたらブランドスイッチする可能性が高いユーザーであることを忘れがちというのが落とし穴です。
つまり、スキンケア美容(カテゴリ)が好きな人は、新しくて良いスキンケア商品が他に出てきたら試したいので、離反する可能性も高くなるということです。
だから、ブランディングが必要なのです。
3. ブランディングとマーケティングを理解しよう
✍️ ここまでのまとめ
事業のビジネスを成立させるためには利益をつくることが重要で、利益をつくるのは、新規顧客ではなく既存顧客であること。そのために、リピート顧客数を増やす・利益を上げるために、購入頻度を増やすor購入単価を上げるという考えに至るが、それはカテゴリヘビーユーザーにすることにもなるため、それだけだとブランドスイッチする可能性があるといった落とし穴にはまる。その落とし穴に落ちないために、ブランディングが必要であるという話をしてきました。
そこで改めてブランディングとマーケティングの定義を整理すると…
●ブランディング
目的:LTVの高い顧客を離さない=ブランドスイッチをさせない
手段:ブランドを意味として記憶し、愛着を持ってもらうための活動
●マーケティング
目的:自社ブランドのための市場(商品を売り買いする場)を創る
手段:モノを売るための活動
ここまで理解できれば、なぜ、売上に直結しないブランディングが必要であるか?というのが見えてきたと思います。そして、ブランディングとマーケティングを切り離して考えられないことも理解いただけたと思います。
下記の記事も参考までに。
(本記事のブランディングとマーケティングの定義については、下記の記事を書いた時からさらに整理した上で言語化をしています。)
●まとめ
このように、事業会社のビジネスモデルの理解、その上で、ブランディングとマーケティングの目的と何をするのかを理解し、自分の仕事が何に寄与しているのかを解像度高く把握することで、少しでも日々の業務に意義を感じられるようになれたら嬉しいです。
そして、事業の成長について常に考えているCMOやブランドマネージャーと対等に会話することができるようになれば、「こいつ分かっているな」と信頼され、さらに俯瞰的な立場だからこその視点とブランドマーケティングの専門性の視点から気づきを与えるコミュニケーションを重ねることで、任せてもらう領域が拡大していくことができるようになると思います。
個人的な話にはなりますが、これができるようになりたくてこれまでのキャリアを積んできた話を下記にまとめてます。ご興味ある方はぜひ!
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