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【詩】公約

公約

リビングで うとうと 
久しぶりに心地良い昼寝をしていた
子供達と一緒にさっきプールから帰ってきて
美味しいランチを食べたばかり
灼熱の太陽に直接エネルギーをもらい遊び疲れた
丁度いい設定温度のエアコンが快適だ
心も体も満ち足りた幸せ

いきなり家の前の道に
選挙カーが候補者の名前を連呼しながら近付いてきて
無理やり起こされた
そのまま停車し演説が始まる
「わたくし 皆さまおひとりおひとりのお声を政治に反映させ...」
「皆さまのためにこの身を捧げる覚悟でございます...」
不特定多数の人に対する
数え切れないほどの大きな公約
それを言い切ってしまっていいのだろうかと
寝ぼけた頭も不思議がる

私は子供達との小さな約束を
ひとつひとつきちんと守ることで精一杯だというのに...
公的レベルと個人レベルでは
重さが違ってくるのだろうか
まるで
約束する相手の多さと無責任さが
比例するかのよう

ああ 
とにかく 今は 
昼寝の邪魔をやめて欲しい

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