【詩】秋のない街で
秋のない街で
秋のない街で
寂しさは通り雨に宿る
吹きすさぶ風になされるがまま
かき乱されるように舞いながら
ばらばらに降る雨と共に
どうしようもなく
秋のない街で
切なさは通り雨に宿る
傘は役に立たず
鳩さえ軒下で雨宿り
暗い朝に沈む憂鬱を掃き出すように
熱いチャイを淹れる
秋のない人生で
悲しみは通り雨に宿る
切羽詰まったやるせなさに耳を覆い
途方に暮れて立ち尽くしても
歯を食いしばって暫く堪えれば
きっとそのうち 雨は止む
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