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【詩】少女の手
少女の手
「ぐーにしてね」ってお願いしたのに
お風呂上がりの長袖を
あちこち引っ張りながら つっかかりながら
もごもご出てきた娘の手は ちょき
少女のはしゃぎ声が黒髪の雫にとけて飛び跳ねる
おちゃめな太ももで半乾きのままどんと抱きつく
「あとは自分で着るね」
お気に入りのアニメ番組に向かって
寝巻きの下半身を引きずりながらいってしまう
湯気でほてる脱衣所に
寒々しい物足りなさのかたまりを置き去りにして
お腹が空いたら知らぬ間にバナナを食べたり
咽が乾いたら勝手にオレンジジュースを飲んだり
ずっと先のことだと思っていたのに
おいてけぼり
(2002年 東京)
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