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人生を左右する最初の1年🧠

新生児のお世話は(特に初めての子)大変ですよね。産後の身体はギクシャク、寝不足が続くし、授乳は難しいし。。。自分だけ常識や時間の感覚が違う異次元に放り出された気分になります。
謎の事だらけの最初の1年ですが、数年前に読んだDr. Bruce Perryのリサーチによると、赤ちゃんにとって最初の1年間にたくさんの愛情を注がれ、お世話されたかどうかが、その後の人生に大きく関わると断言しています。このことが分かっていれば、何がなんだか分からない新生児のお世話も、目的意識を持って過ごせるのではないかと思います。

対照的に育ったベイビーの例を挙げます↓
ベイビーA:出産後すぐに両親はビジネスの立ち上げで忙しく、ほぼ1日中ベイビーシッターに来てもらっていた。このシッターは将来アーティストとして活躍する夢があり、残念ながら音楽作りに夢中で最低限のオムツ替えとミルクはするけれど(ミルクを与える時もYoutubeなどを見たりしながらしていた)、その他はあやしたりする事なく、泣いてもヘッドフォンをつけているので気にしないで好きなことをするようなシッターだった。
ベイビーAが1歳になる頃、この家族はパパの実家の近くへ引っ越し仕事も落ち着いてきてその後はおじいちゃんおばあちゃんも面倒を見てくれる幸せな子供時代を過ごす。
ベイビーB:もう1人の赤ちゃんは最初の1年の間常にパパとママに愛情を注がれ、泣くとすぐにあやしてくれたりおむつをチェックしてくれたり、お外で日向ぼっこしたりとたくさんの温かい刺激を受けて過ごした。1歳になった頃悲劇が起こり事故で両親を亡くし、その後は親戚にも育ててくれる人がいなく、施設で寂しい幼少期を過ごす。

この対照的な人生のスタートを過ごした2人の赤ちゃんが成長した時、最初の1年は良くなかったけどその後の子供時代を幸せに暮らしたベイビーAの方が平和な人生を送れそうだと想像しがちです。
しかし、Dr.Perry によるとこのベイビー達が成長して大人になった時、辛い時も心折れることなく人生の問題に立ち向かえる力を備えているのはベイビーBの方だという事です(先天的な要因などは別として)。
ベイビーAとBの例はとても単純な比較の例ですが、ここでDr.Perryが言わんとしているのは、生後最初の約1年間がどれだけ成長してからの精神衛生に影響するか、という事です。生まれたての赤ちゃんが周りの大人からしっかり愛情を受けると『私は守られている。世の中は安全なところだ』という脳神経の土台が出来るそうです。その受けた愛情は脳だけではなく体全体に記憶されます。そしてその後の自己肯定感にも影響します。

お世話をする人がママかパパのどちらかでなきゃダメというのではなく、愛情を注いでくれる大人が居れば良いのです。赤ちゃんが泣いたら反応して声をかけてあげる。抱っこしたり、話しかけたり、お散歩に出かけたりと新生児にする普通の事ですが、赤ちゃんの脳内でどんなにすごい活動が繰り広げられているか、知っているのと知らないのでは接する態度も変わってきますよね。
私が妊娠した頃はDr.Perryのリサーチも知りませんでした(上の子が生まれた1年前に出版された本)。アメリカの育児本What to Expect in the First Year(新生児の1ヶ月ごとの成長について細かく説明されている)と自分の赤ちゃんの成長を比べながら安心したり心配したりにいそがしく、『早く朝まで寝るようになってほしい』とか『言葉が出るようになったら楽しいだろうな』とか、先の事ばかり見ていて、実はすごい勢いでバリバリピカピカと赤ちゃんの脳のシナプスが刺激し繋ぎ合っている事を知っていたら、もっと好奇心を持ってベイビーのお世話をし、授乳とオムツ替えの繰り返しの毎日でもその重要さを感じながら出来たのではないか、と思います。
産後最初の1年は睡眠不足もあり、産後鬱になったりすることも少なくありません。自分自身のケアを忘れず、周りのサポートが得られる人はしっかりと甘えて、ベイビーの心の土台づくりの1年を過ごせるといいですね。

参考:“The Boy Who Was Raised As a Dog” by Dr. Bruce Perry and Maia Szalavitz

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