見出し画像

AIとこれからの教育格差

最近AI(人工知能)を使ったChatGPTなどのGenerative AI(生成系AI)の話題をよく耳にしませんか?
今年3月のある日、学校から帰ってきた14歳の息子に『ChatGPTって知ってる?』と聞いたところ、 『ディベート(討論)のクラスの前に僕のグループがアサインされた内容をChatGPTに聞いて、それを見ながらディベート発表してるよ』という返事でした。
私: 『。。。でもChatGPT使ってること先生知ってるの?』
息子:『多分知らない』
息子がChatGPTをすでに知っていて使えることに、親として多少安心する気持ちはあります。しかし、本来なら自分の考えと照らし合わせながらリサーチするプロセスを、AIに頼って瞬時に終わらせることに複雑な気持ちを感じます。この目に見えないグレーさが、教育や政治界でAIの使用について議論される理由の一つだと思います。ChatGPTに限らず、テクノロジーの理論や道徳に関する議論は様々なレベルで続けて行くべきです。

Chat Generative Pre-Trained Transformer
初めてChatGPTを試した時、名前に「生成的な」という単語が付いている意味がよく分かりました。このシステムは、ネット上にある情報の海から、使用者が要求している内容をうまく調合し出してくるものです。
AIにチャット形式でプロンプトを出して行くことで深いリサーチが数秒で可能になります。また「Pre-Trained」とあるように、単語と単語が自然なフローになるようにトレーニングされているため、翻訳や要約文章も読みやすく、確かに学生だったらコピペしたくなるクオリティーです。

先生たちの不安
人間は新しいものや未知のものに対して不信感を感じる生き物です。 物事には良い面とそうではない面もあり、私たちはどちらかに決めたがる習性があります。ChatGPTは一般向けにリリースされてからまだ月日が浅いこともあり、教育機関では全体的に『生徒がリサーチペーパーを自分で書かなくなる』といった警戒心が目立っているように感じます。実際に娘の高校では、期末試験のペーパーをChatGPTで書いて先生に見つかった生徒が何人もいると聞きました。自分で書いたものが先生に疑われるのが怖いため、提出する前にAIで書かれた文章かを検査するソフト(Copyleaks, zeroGPT, Saplin等)に通してから提出する学生もいる様です。
今年に入ってから、ChatGPTへのアクセスを学校内のコンピューターやネットワークで禁止している学校区が出てきています。主な理由は、『子供達が自分で考える能力を養えなくなる』『偏った意見や間違った回答をそのまま鵜呑みにする危険がある』などですが、規制するにも学校のwifiではなくhotspot(スマホのデータ)に繋げれば使えるだろうし、学校や法律が日々進化するテクノロジーに着いていくのは至難の業ですね。

テクノロジーとこれからの教育
多くのAI専門家たちは「将来はAIを使えない人の仕事が、AIを駆使できる人材に取られる」という内容の話をしています。AIを自分で使ってみて初めてその長所や弱点を理解できますが、その前に新しいテクノロジーのサービスとそれらを使うインフラへのアクセスがあるか否かでも教育の差が出てくることは想像できます。更に、AIを使ってより効率的で質の高いものを生み出すには、それなりの知識や経験が必要だという点も納得できます。
脳が成長過程にある子供たちは、将来AIを自由自在に使える様になるためにも、自分で様々なことを考え体験し、自分のことだけでなく周りの人たち、社会、地球のことも考慮できる広い視野を養っていく事が大切です。なぜなら、世の中を良くする潜在力を持ったテクノロジーが、逆の効果を生み出していく事もあるからです。そしてその運命を作っていくのは私たち人間であることを子供と共に考えていきたいです。

人間力を高める子育て
AIはすでに私たちの生活の至る所に出回っています。その倫理的な使い方や、情報にはどんなバイアスがあるかなどを家族で話すことが大切だと感じています。
今やインターネット環境とディバイスがあれば、1人の人間の脳ではキャパシティを遥かに超える情報に簡単にアクセスでき、それを操れる時代です。AIの可能性と能力がすごいスピードで進化しているこの新しい時代に、前世代の知恵なく投げ込まれる子供たちをどう導けば良いのでしょうか。
子供たちが周りの人々と良い繋がりを築いて幸せに生きるためには、今まで以上にAIではカバーできない「人間力」が大切になっていくと思っています。

子育てのご相談はホームページからご連絡ください。
https://www.proparents.club

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?