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夫婦二人三脚の妊娠生活


妊娠してからの生活は本当に夫にお世話になった。
私が病気障害のある妊婦でなければこんなにも手伝ってもらって一緒にいることもなかったと思う。
今までいい意味でお互い放任主義で自由にやってきた私たちは、こんなに一緒にいる時間を過ごすのは人生で初めて。妊娠でできなくなってしまった身の回りのケアを夫が積極的にやってくれた。
私は妊娠中とはいえ、夫を介護者にしてしまうことへの罪悪感があった。
でも夫は私の妊娠を自分のことのように思ってるからか、私よりも溢れる母性があり子供のためと思っているからか「大変だと今は思ってないからいいんだよ」と一緒にいてくれた10ヶ月間だった。

妊娠そして夫との二人三脚妊婦生活スタート


私は妊娠してすぐつわりが酷くなり、それが長期に渡った。
毎日少しでも食べられるようにフルーツを切ってくれて食べ悪阻が少しでも良くなるようにと夜もフルーツと飲み物を毎晩枕元に置いてくれた。夜中にオエっとしている時はいつも飛び起きて一緒に吐き気が治るまで背中をさすってとても献身的な夫。

私がつわりで仕事も休み、毎日ただ寝ているだけという時間も多くなった時、今まで仕事に自分の歌や講演の活動に全力だった私は社会からも取り残された気がして「あー今日も何もしないで終わってしまった。。」と落ち込んでいた。そんなことを一言も夫には伝えていないのに、ふと「今日も1日よく頑張ったね」と言ってくれたのは本当に嬉しかった。

当たり前のことが当たり前にできなくなった妊娠時期と夫のサポート


今までは当たり前のようにできていた私自身の身の回りのこと、トイレ、お風呂、寝返り、寝起き、着替え、立ち上がり。今までは多少体に負担はあっても体をねじったりしながらなんとかこなしていたが、赤ちゃんのために転ばないように、負担をかけすぎないように夫に色々と手伝ってもらうようになった。
幸い夫はIT系で働き、コロナ禍ずっと在宅勤務だったので、会議続きの忙しい合間に私の日常のことを手伝ってくれ、正直大変だったと思うが頑張ってくれた。
大事なお客さんとの会議の間に、「トイレが漏れそうだからすぐきて」と私がメッセージすることもあったし、急に起き上がれないパニックになり、「すぐ助けて」とメッセージすることもあった。
夫はこのコロナ禍特に感染にナーバスになり、多くの家を回っているヘルパーさんに出来るだけ頼りたくないという思いもあり、大変ながらも私たちは2人でこの状況をなんとか乗り越えていった。

妊娠生活もラストスパート、入院も夫と一緒に!?


夫と一緒、は出産直前に入院する時も例外ではなかった。
この病気での出産事例があまりないということもあり、病院側も万全を期するため、早めの入院を求められた。
ずっと夫と生活してきた私。夫なしでの生活のイメージがつかなかったという不安もあったり、夫もお腹も大きく体重も重い、身長もある私のサポートを看護師さん達にお願いするのはちょっと心配のようだった。(私というか赤ちゃんに何かあったらということ)病院側も産科で重度障害の方を迎え入れたことがあまりないとのことでどうしたら良いかと心配しているようだった。
そんなそれぞれの思いもあり、現在コロナ禍では妊婦さんは一人で入院し、立ち会い出産も面会もできず一人で産み退院していくという例が多い中、特別に夫との入院を許可してもらった。
夫は私と一緒に計画分娩1週間前から入院した。
仕事の会議に出ながら私のケアもして、慣れない入院環境でストレスが相当溜まったと思う。
それを見かねた病院側が一旦夫へ帰宅を勧め、私の介助は病院側でやってくれることとなった。
3者とも不安はあったが、この一旦帰宅は夫にも私にも良かった。
やっぱりいざというときは共倒れしないように支えを用意しておくことが重要だと感じる。
とはいえ、産まれてからは赤ちゃんを抱っこするのもオムツを変えるのも夫に手伝ってもらう必要もあり、夫も積極的にやりたいと言っているので、再度一緒の入院生活がもうすぐ始まる。また思い通りにならないこともあるけど、その都度考えて一緒に頑張っていかねばと思っている。


考え方も性格も全く反対な私と夫。
叫び合うほどの激しい喧嘩も時にはあるけど(笑)、夫婦二人三脚でお腹の命を大切に一緒にここまで育めた時間は他の夫婦にはないかもしれないとても愛おしい時間。

大きくなったお腹に向かって毎日話しかけて、「世界一可愛いなぁ」とお腹を撫でる夫。
本当にここまでありがとう。ここまで来れたのは夫のおかげ。
赤ちゃんが生まれてきて三人になるのが楽しみだね。

これからは予想もつかないし、もっと大変になるかもしれないけど一緒に乗り越えていけたらと思う。

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