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遺伝性疾患での妊娠と遺伝子検査〜10年後の未来をどう想像しますか?〜

筋ジストロフィーを抱え歌う小澤綾子のnoteへようこそ!今回は妊娠8か月の振り返り記録を残しておきます。遺伝性疾患の妊娠で1番気になる事の1つである赤ちゃんへの病気の遺伝と遺伝子検査についても綴ってみました。

病気の遺伝と妊娠の決意


結婚して8年たった私たち夫婦がなかなか子供を持つという選択ができなかったのも、やはり筋ジストロフィーという私の病気は遺伝子の異常の病気であり、子供にも遺伝する可能性があるということが大きかったのは事実です。
夫も普段筋ジストロフィーを抱えて生きる私の側で生活する中で、子供にはこんな大変な思いはさせられないと思ったのかは分かりませんが、自分が障害を持った妻を持つことで精一杯。その上子供も同じ病気になったら自分は責任を負う自信はないとよく言っていました。
私も夫にそこまでの迷惑はかけられないと思っていたし、30代は仕事や自分の活動も軌道に乗って楽しかったので、家族が増えるということはあまり考えていませんでした。あとはこの病気を持って子供がいるというロールモデルがいなかったのも大きな理由かもしれません。
でも、私も夫も中年を迎え、コロナ禍夫と過ごす時間が増え、よくよく話したときに『やはり自分たちの子供がいたらもっと幸せだよね。』初めから諦めていたけど、大変なことはもちろんあると思うけど、家族が増えたら幸せだよねという結論に至り、私は自分の活動の締め括りにもなるような気がした東京パラリンピックへの出演が終わったら新しい家族を持つという新しい夢にチャレンジしてみたいと夫と新たな人生を決めていったのでした。 

それと並行しながら子供が実際に産まれた時のシュミレーションを色々として、夫と私で育児は協力するのに加え、実家の家族や妹夫婦、ヘルパーさんやベビーシッターさんなどにお世話になる事など含め、できるだけ多くの人に頼れる環境を作る為にも色々と動きました。私には病気や障害があり出来ない事もあるけれど、いざという時子供が、周りの人がなるべく困らないような状態を考えました。

やっぱり夫が心配した子供にも障害があるか?ということ


東京パラリンピック閉会式に出演でき、運よくその後も割とすぐに子供を授かることができ嬉しかった反面、子供にも障害があるのでは?ということはやはり夫はとても気にしていたようです。
今は血液検査など簡単な検査で、出生前診断ができます。その検査の結果次第で中絶する方も多い診断。否定も肯定もしませんが、私自身は妊娠当初からそれを受けることはあまり考えていませんでした。

新しい家族を迎えると決めた時から、障害や病気がない子のみを迎えるとは思ってなかったですし、自分が当事者だからかもしれません。
夫も命の選択をするためにでは無く、自分の心構えが欲しいということで検査を希望していたので、2人で話し合い、精密エコーでの検査をしました。赤ちゃんを念入りにエコーで調べて、発達や臓器形成などに影響がないかを調べるやり方で1時間ほどかかりました。
結果はエコー上での検査では異常がないということ。
夫はほっとした顔をしていました。
実費で2万円ほどの検査でしたが、夫の安心のためにも良かったのかもしれません。

妊娠8ヶ月でのビッグチャレンジ!1000人に祝福された命は元気いっぱい


そんな検査を重ねながら、私はというと自分自身というかお腹の中の赤ちゃんとの新しい挑戦もありました!
それが7ヶ月最終日と8ヶ月になった日に上演された、ミュージカル主演へのチャレンジ。
このミュージカルは私の話を元にしていて、主役までやらせてもらうというもので、Projectの話は数年前から出ていたものでした。
実際妊娠してほとんど練習に参加できなかったり、大きくなったお腹で歌が歌えるのか?やステージに立てるのか?など色々な不安はあったのですが、周りの皆さんに支えられて無事に大役を成し遂げることができました。

歌を聞いただけで感動して涙が出た!
自分の生き方が変わった!

など嬉しいメッセージを貰い、チャレンジしてよかったなと思ったのももちろん、赤ちゃんが私にパワーをくれたんだなと思いました。
26人キャストがいましたが、27人めのキャストとして頑張ってくれました。

また会場で1000人のお客さんから新しい命への祝福もしてもらえたのも嬉しかったです。そのおかげか、ミュージカル翌日の朝からの検診でもエコーで元気いっぱいの姿を見せてくれました!

10年後の未来をどう想像しますか・・?

ミュージカルのご縁で、胎内記憶第一人者の池川先生と対談することができました。
対談の途中で私に対して、池川先生は
「10年後の未来をどう想像しますか?」
と聞いてくださいました。

妊娠、出産と目の前の事しか見えてなかった私は一旦フリーズしてしまいました・・・

10年後、20年後の未来を嬉しそうに語る夫が近くにいるにもかかわらず、実は私はそこまでの未来が見えておらず、夫の話に気が早いねーとツッコミを入れているだけでした。

でも
「10年後の未来をどう想像しますか?」
の言葉を受けて私から出てきた言葉は

「子供と夫と、大好きな海にいきたい」

そこで更に池川先生から
「そこで立ってるイメージは無いですか?」
と言われてまた言葉に詰まる私・・・

筋ジストロフィーは治らない病気と言われている・・・
将来寝たきりになると言われている・・・

。。。。。。

でも

本当は治りたい。

子供と夫と一緒に大好きな海で走り回ってみたい。

今まではそれを口に出すのが怖かった。

そんな日が来たら最高に嬉しい。そんな日を絶対に迎えたい。
池川先生との対談でそう思えるようになりました。

幸せなことを想像するのが心底苦手な私だけど、
本当に描きたい未来を恐れずにまずは想像していきたいと思います!!

皆さんもそんな日が来るのを祈っていただけたら嬉しいです。

(池川先生との対談;https://youtu.be/KQ6otnhunZ4

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