[26回目のイタリア] 渡航準備の今昔(いまむかし) その3
その2からの続きです。
長距離列車に乗ること
デジタル化の恩恵
長距離列車の手配も簡単になりました。
Webで会員登録すれば記名式の特急列車のチケットも買えますし、車中の検札も2次元バーコードを見せるだけです。
窓口で切符を買う?券売機?
以前は…窓口か駅の券売機で買っていました。
窓口は行列、でも券売機は故障も少なくないし、「おつりがありません」なんて表示がされていてお札が使えないことに最後に気が付くこともあったし、大きな駅だと「切符の買い方教えるよ?」と親切な?声掛けをしてくれたと思ったら、切符を買えたところで、感謝の気持ちにつけこんで、出てきたお釣りを欲しいと言ってくる…なんて人が寄ってきたりするし、と結構なサバイバル力(りょく)を求められていました。
ただ、その「親切そうなタカリ屋」は問題になっていたようで、ある時期からは鉄道会社の公式マークが入ったビブスを着た人たちが券売機エリアを見回るようになり、徐々に見当たらなくなっていった感があります。
券売機の画面は6か国語ぐらいに対応しているので(さすがに日本語はなかった)、自信がない頃は英語にして券売機を使ったりもしました。窓口だと相手の言う言葉がちゃんとリスニングできなかったらどうしよう…という不安もあって(窓口の人が英語は話せない可能性も高かったのですよね。以前は)。
最初に書いたように、Webで落ち着いて安全な場所で購入ができるようになり、日本からでも事前に買えます。時間変更可能なチケットだと、購入時のメールにあるリンクから変更もできます。出発駅への到着が遅れそうだから変更しよう…なんて時には移動中に変更できたりして便利。
支払いは、PCで購入するときは普通にクレジットカードで購入ですが、スマホから購入しようとしたら支払いの選択肢に 「ApplePay で払う」というのもあって、そのまま ApplePay に登録したカードで払えました。
どのホームで待てばよいの?
いざ当日駅に行っても何番線に自分が乗る列車が来るのかわからない、なんてことも日常茶飯事でした。紙の大きな(慣れないと読み方が難しい)時刻表が駅に貼ってあり、そこには番線の情報も記載してあるものの、その日その列車が必ずそこに来るとは限らない。遅れが発生した場合は(もちろん遅れないことの方が珍しい w)到着ホームが変更になることもやむを得ない。でもその情報は、こもった声の構内放送でしか伝えられない…。なんて感じでした。
駅の入り口付近やホームには、表示板がパタパタと回転して情報を掲示する案内板があったのですが、かなりの高確率で壊れているので(苦笑)、放送を一生懸命聞き取るしかなかったのですよね。
荷物が大きいときは急遽別のホームになっても間に合うように、ホーム間を移る階段の近くに陣取ったり、英語も話せそうな(そのころの私はまだイタリア語で大事な話をできる自信がなかった)大学生っぽい人に聞いてみたり。よく汗をかいたものです。日本の駅と違って、びっくりするぐらい「駅員さん」は見当たらないのです。運よく鉄道会社の制服を着た人を見つけられても、担当している列車でもない限り情報は持っていない。なのに「たぶんここだよ」と、(あくまでも親切心から)適当な回答をくれるので、さらに不安になる(笑)。
ただ、この点は今もたいして変わらないところかも。表示が電光掲示になって見やすくはなりましたが、直前までホームがわからないことが多いのは同じですね。みんな掲示板近くで大きな荷物を持ったまま上を見上げていて、ホーム番号が表示されたら(出発時刻の5分前ぐらいなんてことも)、かなりの人数がどどーっとそちらのホームに向けて動き出す、という光景が繰り返されます。
逆に、列車に乗車中に、駅には近づいているのに停車してしばらく動かないことがあるのですが、これは空き番線の指示を駅からもらうのを待っているようです。管制塔の指示を待つ飛行機みたいですね。
切符の「有効化」
紙の切符は駅のホーム内で Timbrare/Convalidare と言われる「有効化」をする必要がありました。ホームの端の柱のところにある、家庭用ポストぐらいの大きさの機械(下のリンクの画像の機械)に切符を通して「ガチャン」とすると、その日の日付と時間、場所が記録されるのです。
初めてオンラインで切符を買った時は、どうやって有効化するんだ?と不安でしたが、実際のところオンライン上で「チェックイン」しておけば問題ないのでした。
バスも「ガチャン」が必要でしたが、こちらも最近はタッチ端末に携帯やクレカをタッチするだけのチケットがメジャーなようです。
車内検札で「ガチャン」をしていない切符を見せると高額の罰金をとられるので、紙の切符を持っていて、時間がなくて急いで列車に乗り込んでしまった時は、車掌が検察に来る前に自ら車掌を探して「時間がなくて乗り込んだけれど有効化して」と頼まなければならない…というルールもありました。結構な長い編成の列車だと、どっちに向かって移動していけば車掌に会えるのか…はなかなかの難しいタスクでしたね。
いまやスマホを準備して、座って検札を待つのみ。楽になりました。
改札口???
しばらく前まで(コロナ直前ぐらいまでそうだったかなぁ)、ローマやミラノのような大きな市の中央駅でも、いわゆる改札口はありませんでした。駅の入り口からホームまでは誰でも到達できました。切符を持っていなくても。まぁぶっちゃけ、そのまま列車に乗ることもできると言えばできました(検札が来ますけれど)。
なので、駅で大きな荷物を持っていると狙われる…なんてよく言われていました。切符を持っていなくても入ってこれるので、狙いをつけて荷物を奪うってことが物理的にはできちゃったのですよね。
鉄道駅はこの10年ぐらいの間で劇的に改装や設備の更新が進みました。その中で「改札口」が設けられるようになってきました。いままで何もなかったところにガラスの仕切りが設けられ、入り口には係員がいます。下の写真のような感じ。
でもこの係員、そんなに詳しくチケットの中身までは見ていないです。とりあえず有効なチケットを持っているかどうかの判断だけ一瞬で人の目でチェックして通しています。そこまでする人がいるのかは不明ですが、チケット画像を偽造して見せたら通れちゃうのかも…という感じはします。
駅によっては改札でバーコードを読ませるようになっているところもあるようです。
最後に参考までに。
こちらの英語記事の中にいくつか写真があります。駅の「パタパタ表示」と旧型の「ガチャン」の機械の写真があります。
もうひとつ、その4に続きます。
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