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12月議会一般質問②【公共施設の樹木の管理について①公共施設の樹木の管理指針の策定について伺う。②民有地の保存樹木・樹林の管理について伺う。】

(清水あやこの質問)
二項目めの質問は「樹木の管理について」でございます。
今年の6月に、学校の樹木が倒木し、近くに停止していた車両を損壊し、市が損害賠償を支払う事故が発生しました。人命に関わらなかったことが不幸中の幸いでありますが、樹木の倒木により命を失うケースもあります。

公共施設は、多くの市民が集う場所であるため、樹木の健康と市民の安全が共に求められます。樹木の生長や衰退による課題を解決し、植栽に求められる役割を発揮するよう、公共施設の樹木の管理指針が必要だと考えられることから、樹木の管理指針の策定について伺います。

②の保存樹木・保存樹林については、所有者のものでありながら、市が指定しています。ハート & グリーン 武蔵村山市 第二次みどりの基本計画では「人と自然が共生した環境をつくり・守る、潤いと安らぎのあるみどり豊かなまちづくり」を目指していくことを計画の理念としています。
計画の理念の通り、保存樹木は単に個人の所有物であるものではなく、長い歳月をかけて人と共生しているかけがえのない存在です。これからも樹木と人が共生していくには維持管理が必要になることから②民有地の保存樹木・樹林の管理について伺います。

(教育委員会の答弁)
1点目について、お答えいたします。
 公共施設の樹木の管理につきましては、各施設を所管する担当課において管理しているところでございますが、適切な維持管理の実施により、事故の原因となる異常の発生を未然に防止することにつながるものと認識しております。
 現時点では、公共施設の樹木の管理指針を策定する予定はありませんが、各施設を所管する担当課において、随時、日常点検を実施し、必要に応じて樹木の剪定及び伐採を行い、適正な維持管理に努めてまいります。
 なお、各小中学校の敷地内にある樹木につきましては、令和5年度から、倒木の未然防止のため、樹木の健全度判定調査の実施を予定しております。

(市の答弁)
次に、2点目について、お答えします。
市では、一定の要件を満たした樹木・樹林につきまして、所有者等の同意を得て、保存樹木及び保存樹林を指定しております。
指定された保存樹木等の保護を図るため、奨励金の交付を行っており、奨励金の交付に当たっては、保存樹木等の所有者等から1年に1回申請をしていただき、交付の決定に当たっては、担当職員が現地に赴き、樹木の状態や管理状況について確認を行っております。
また、保存樹木等の指定を受けた所有者等は、当該樹木等について、幹や枝が枯れたり、損傷しない対策やその他の保護に努めなければならないとしており、適正に維持管理をしていただいております。


(以下、清水あやこの再質問)
2項目めの再質問をいたします。
公共施設の樹木の管理指針の策定についてでございますが、現時点では適切な維持管理をしていくとのことで、策定するご予定はないという答弁でした。

公共施設の樹木の管理については、各施設の担当課が管理しているとのことでわかりました。そうなると、所管は環境課や教育委員会に分かれ、どのくらいお互いの状況を把握できているのか気になります。

近年でいうと、ナラ枯れや松枯れなどの被害もありますが、環境課は、学校など各公共施設に、市内でナラ科の樹木や松に被害が出ているので、点検をして、被害がある樹木が確認できた場合、環境課に知らせて欲しいなどの知らせをし、状況を把握をしているのでしょうか。

(市の答弁)
現在、各公共施設の敷地内に植樹されている樹木については、それぞれの部署にて対応をしており、全体的なナラ枯れ等の被害状況については、その把握に至っておりません。

なお、公園の維持管理を行う中で得たナラ枯れや松枯れなどの対応策を踏まえ、今後、予防や対応策につきまして、各所管と情報共有しながら対応してまいりたいと考えております。

(清水あやこ)
市内の樹木の伝染病の状況は把握していただきたいと思います。

管理の指針を策定する予定はないとのことですが、私は公共施設のどこにどのような樹木が植えてあるのか、樹木というのはそれほど植え替えるものではないので、一つの課が把握しておいたほうが良いと思います。そうすれば、ナラ枯れように特定の樹木に被害があるとき、どこにその科の樹木があるのか分かっていれば、全てを見て回らずに済み、職員の負担も減ります。

備品であれば、備品登録や台帳などにつけていると思うのですが、樹木については把握しないというのは、樹木も税金で購入しているものなので、点検の記録、過去の被害の状況、植え替えた時期、落葉樹なのか常緑樹なのかなどの種別、老木化が進むサクラ等の樹木の計画的な更新などわかるよう、管理指針を策定したほうが良いと思います。

公共施設の樹木について、担当の職員の日常点検のみとのことですが、樹木の健全度などがわかる職員は配置されているのでしょうか。実際今回の小学校のような倒木事故が起きていますし、何年か前にも大南公園で樹木が倒木し、すべり台を破損した事故がありましたが、公共施設のうち特に学校や地区会館などの敷地内の樹木については、日常点検だけで本当に大丈夫なのでしょうか。

(教育委員会の答弁)
まず職員が学校や各施設の樹木についての健全度をはっきりと判断できるかというと、なかなか難しいものがあると思いますが、例えば、枝が枯れているとか、幹や根元にキノコが生えているとか、幹の一部が空洞化しているなどの、ある程度の判断は出来るものと考えております。また、市長答弁にもありましたとおり、倒木事故を未然に防ぐことを強化するために、学校施設については、令和5年度に、より専門的な目で診断するために、樹木健全度判定委託を実施する予定としております。各施設についてはまだ未定でございます。

(清水あやこ)
第一小学校の樹木が折れたことにより、学校の樹木について緊急で点検したのでしょうか。

(教育委員会の答弁)
第一小学校の倒木が発生した後、直ちに、教育施設担当の方で、全小中学校の敷地内の桜などの幹回りの太い背の高い樹木について、目視による一斉点検を行っております。その中で、倒木の危険がありそうな樹木について、緊急的に伐採する委託を発注し、既に完了しております。

(清水あやこ)
倒木の危険がありそうな樹木については対応済みとのことでありがとうございます。

令和5年度から各小中学校の敷地内にある樹木に対し行う、樹木の健全度判定調査とは、どのような調査なのか教えて下さい。

(教育委員会の答弁)
学校樹木の健全度判定調査のやり方についてですが、詳しい委託仕様については、まだ作成しておりませんが、各校の主に倒木被害の影響が大きいと思われる樹木についてピックアップし、樹木医などの専門家の外観による診断を予定しており、樹皮の状況や腐食、病害虫の有無の確認、また、幹や根元などの空洞化の状況を、木づちにより打診したり、細い棒を刺して確認するなどの方法により、健全度を評価出来るするようにしたいと考えております。

(清水あやこ)
樹木医などの専門家に見ていただけるとのことでわかりました。学校や地区会館敷地内の樹木について、各施設には管理している台帳はあるのでしょうか。また、樹木の数の把握、管理等の履歴はあるのでしょうか。

(教育委員会の答弁)
学校樹木の管理台帳については、低木や中木も含めた全ての樹木について正確な管理台帳としては、存在しておりませんが、高木については、今年度の第一小学校での倒木を受けて、教育施設担当の方で全小中学校の調査を実施しており、その結果、全小中学校校で約650本程度の高木が存在していることを把握したところでございます。

また、地区会館敷地内の樹木につきましても、特に樹木管理台帳は存在しておりません。なお、正確な樹木等の数の把握及び管理等の履歴もございません。

(清水あやこ)
公共施設のうち学校や地区会館敷地内の樹木について、植替のタイミング、樹種選定などはどうしているのでしょうか。

(教育委員会の答弁)
まず、学校の樹木については、基本的に学校建設時に植えたものがほとんどであり、40年以上経過しているものが多くなってきている状況であります。例えば、桜などは、一般的に60年近く生きると言われており、その他の樹種も同程度と考えれば、全体的に寿命が近づいて来ていることは認識しておりますが、植え替えとなりますと、当然大きく成長した木の根本から撤去する伐根が必要となり、多額の費用がかかることになることから、現在のところ、植え替えの計画はございません。

また、地区会館敷地内の樹木につきましては、開館時から植えられている樹木等の管理を行っており、大きくなりすぎた場合や枯れてしまった場合などには、安全等を考慮し、選定等を行いますが、植え替えなどを行ったことはございません。

(清水あやこ)
状況わかりました。植え替えはしないとのことで、桜の木が学校からなくなってしまうのは寂しい感じがします。費用のこともあるからこそ、計画も必要だと思いますが、適切な安全管理をしていただければと思います。

今回の倒木事故をきっかけに、全小中学校で約650本程度の高木があること、今年伐採した樹木があったこと、今年小学校で倒木した樹木があったことなどは一つのデータになると思います。

近年ナラ枯れ・松枯れについても樹木の被害や伐採した時期は把握できていると思いますので、市内の公共施設については簡単で良いと思いますので、環境課のほうで記録しておいていただければ、担当が変わっても過去の事例や履歴がわかるので、一つにまとめておいていただければと思います。

民有地の保存樹木・樹林について伺います。指定基準ですが、保存樹木は高さ10m以上かつ幹の周囲1.5m以上の樹木、保存樹林については、市街化調整区域内の500平方メートル以上の樹林地となっています。武蔵村山市の令和3年度の事務報告書によると、保存樹木は81本、保存樹林は1件1,117㎡です。管理に関する費用の補助はどうなっているのでしょうか?

(市の答弁)
指定された保存樹木、保存樹林の所有者又は管理者に対しましては、
・保存樹木に対しまして 1本につき4,500円
・保存樹林のうち、おおむね500平方メートル以上の樹林地に対しまして、1平方メートルにつき128円
・保存樹林のうち、生け垣をなす樹木の集団で、道路に面し、かつ、おおむね1メートル以上の高さがあり、おおむね7メートル以上の長さを有し、連続性のある樹種の配置で長さが50メートル以下のものについては、1メート
ルにつき300円
・長さが50メートルを超えるものについては、1方メートルにつき300円で、50メートルを超える1メートルにつき150円を加算した額を年度ごとに交付しております。

(清水あやこ)
計画では、保存樹木は令和4年度120本の予定でしたが、令和3年度は令和2年度から3本減り、81本まで減少しています。この先も働き掛けないと減少していく一方ではないかと考えられます。樹木の健康については、なかなかわかりにくいため、定期的に樹木医の診断が必要に思いますが、樹木医
の派遣はないのでしょうか?

(市の答弁)
現在のところ、市では樹木医の派遣事業は予定しておりませんが、樹木等を保全していく観点からは、樹木医による診断も有効な手段の一つと考えておりますので、樹木医の診断後の対応策も含めまして、東京都や他市の事例等も参考としながら研究してまいりたいと考えております。

(清水あやこ)
長命に関する補助、管理に関する補助、害虫被害に関する補助を出している自治体もあります。近年、ナラ枯れ・松枯れの被害がありますが、一本の木を撤去するのにおおよそいくらくらいかかるのか、害虫被害に対する補助の費用の助成は検討しているのでしょうか?

(市の答弁)
樹木の伐採につきましては、樹木の樹種、太さ、高さによって単価が違いますが、直近の徴収した見積額で申し上げますと、直径約2mの太さの樹木ですと1本当たり約50万円の費用がかるとのことでございます。
また、害虫被害に対する補助につきましては、現時点では、個人所有者への補助は検討しておりませんが、所有者の方からナラ枯れ等の害虫被害のご相談がございましたら、予防や対処方法などの情報提供や助言を行い、支援をしてまいりたいと考えております。

(清水あやこ)
倒木すると、第三者に危害を与えるといった状況も想定されます。枝が折れて通行人がけがをしてしまった場合の対人、折れた枝が隣接家屋の一部をこわしてしまった対物について、自治体の負担で損害賠償保険に加入できるところもありますが、検討できないでしょうか?

(市の答弁)
現在、市では、保存樹木に対する損害賠償保険は加入しておりませんが、近年の異常気象などを鑑みますと、健康な樹木についても倒木等の可能性もあることから、適正な樹木の管理の在り方や損害賠償保険の加入などの必要性についても、緑化審議会などの意見も伺いながら対応してまいりたいと考えております。

(清水あやこ)
保存樹木を管理している世帯は、高齢者世帯も多いのではと思いますが、台風で樹木が折れてしまい、緊急で人手が必要な場合、撤去や伐採について、市に要請すれば手を借りることはできるのでしょうか?

(市の答弁)
台風等により個人が所有する樹木が家屋や道路上に倒れ、人命にかかわる場合や交通の支障なっている場合など緊急性がある場合には、市や行政機関が関与し、対応する場合がございます。ただし、それ以外の場合については、保存樹木も個人の所有物でございますので、所有者等が伐採などの適切な処置を行っていただくことが、原則であると考えております。

(清水あやこ)
所有権や管理責任は所有者にあるため、仕方のない部分はあると思いますが、武蔵村山市の緑化にこれまで貢献していただいたにも関わらず、被害に遭ったら自己責任でなんとかしてくださいと、手を差しのべないというのも心苦しいかと思います。伝染病などはあらかじめ予防できるよう、予防策をお伝えいただき、撤去や伐採については自費であるにしても、市役所が休館している時間に樹木が倒れた時、どのような手順で撤去をしていけばいいのかなど、困らないよう情報は差し上げていただきたいと思います。以上で2項目めの樹木の管理についての質問を終わります。


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