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【武蔵村山市議会議員 清水彩子 一般質問②】若者の薬物乱用について

【清水彩子の質問】
近年、一時的な高揚感などを求め、市販のかぜ薬などを大量に摂取する「オーバードーズ」が、SNSを通じ広がっています。

厚生労働省によりますと、市販薬を主たる薬物とする依存症患者が急増しており、令和4年には、全国の精神科医療施設における、薬物依存症の治療を受けた10代患者の使用した「主たる薬物」の65.2%が、一般的な咳止めや風邪薬といった、ドラッグストアなどで手に入る「市販薬」です。なぜ10代の子たちがオーバードーズに陥ってしまうのかというと、「つらい気持ちを和らげたい」「生きるための手段として」「ネットに居場所を求める」といった背景があるとされています。

また、若者が薬物をファッション感覚で使用したり、薬物乱用の危険性・有害性についての認識不足から、安易に覚醒剤、大麻や麻薬、危険ドラッグ等に手を出してしまうなどの事案もあり、SNSでも「大麻」を「野菜」の絵文字などにし文章を作り、見る人が見れば薬物を販売しているとわかる、分からない人には気付かれにくい内容で販売し、宅配便で送るなど、SNSを活用する若者世代に対して、違法薬物の入手も身近になっています。

政府においては、犯罪対策閣僚会議の下に設置された薬物乱用対策推進会議において策定された「第五次薬物乱用防止五か年戦略」に基づき、関係府省庁が連携して、薬物乱用の根絶に向けた総合的な対策を推進していますが、大麻事犯の検挙人員に占める10代・20代の割合は約7割を占め若年層の比率が高いなど、依然として若者の間で薬物乱用について心配な状況が続いています。

若年層で大麻の乱用が依然はびこる背景として、「大麻は害が少ない」「依存性は低く、痩せられる」などといった誤った情報がインターネット上に溢れており、こうした誤った情報を鵜呑みにして、安易に大麻を使用してしまうことなどが挙げられます。また、金銭的に入手しやすいことから手を出してしまい、他の薬物の使用へと繋がっていってしまいます。

若者のオーバードーズ、覚醒剤、大麻や麻薬、危険ドラッグ等に手を出さないようにするには、なにより早期教育による予防が大切です。
正しい知識を身に着けること、誘いがあった時にきっぱり断る事ができること、怪しいと気が付き近寄らないことが重要です。どのように若者を薬物乱用から守るか、薬物乱用の現状、相談、予防啓発について伺います。

【市の答弁】
全国の薬物事犯の検挙人員は、依然として高止まりの状態となっており、特に最近は、若い世代に大麻の乱用が拡大しており、若年層に対する大麻の有害性・危険性の啓発は、喫緊の課題であり、更に、市販薬の乱用として、オーバードーズも深刻な問題となっております。

武蔵村山市の川沿いの植物

(清水彩子の再質問)
東京都の令和4年度の薬物に関する30歳未満の検挙人員が分かれば教えてください。

(市の答弁)
直近の情報として令和3年の薬物に係る東京都の検挙人員でお答えいたします。
覚醒剤が1,250人、大麻が979人、麻薬等が208人、危険ドラッグが18人、合計で2,455人、前年比で209人の増となっております。
また年齢別構成割合における30歳未満の状況ですが、覚醒剤が18.1%で226人、大麻が70.4%で689人、麻薬等が63%で131人、危険ドラッグが39%で87人となっております。

(清水彩子)
ありがとうございます。やはり大麻が多いということでわかりました。 
健康推進課の薬物乱用に関する業務の内容を教えてください。

(市の答弁)
健康推進課は、東京都薬物乱用防止推進武蔵村山地区協議会の事務局として、協議会と連携を図りながら、様々な薬物乱用の啓発活動に取り組んでおります。

(清水彩子)
その、東京都薬物乱用防止推進武蔵村山地区協議会の委員構成と、市長答弁にもありましたが取組についてもう少し詳しく教えてください。

(市の答弁)
協議会の委員構成については、主な推薦母体として、東京武蔵村山ライオンズクラブ、薬剤師会、民生・児童委員協議会、保護司会、更生保護女性会、商工会、中学校校長会等からの選出をいただきまして、委員は総勢18人となっております。
協議会の取組内容につきましては、市内中学生を対象に薬物乱用防止ポスター及び標語の募集、啓発用ポスターを作成し市内の公共施設や商業施設での掲示、更生施設等の視察研修、社会を明るくする運動等のイベントに参加し啓発活動に努めております。
またコロナ禍以前は、市内小学校において協議会委員を講師として「薬物絶対ダメ」をテーマに講習会を実施し、薬物の危険性をいかに正しく認識してもらい、薬物には絶対に手を出さないという強い意志を持ち続けられるよう働きかけていたところでございます。

(清水彩子)
委員の皆様に様々な活動をしていただきまして、ありがとうございます。地域の身近な方の働きかけは効果があると思います。
薬物を止めた若者について、地域の医療・保健・福祉機関や民間支援団体との連携はどのようになっているのでしょうか。

(市の答弁)
個別のケースで相談が入った場合は、多摩立川保健所や東大和警察署及び地区の保護司等と情報連携しながら、必要に応じて精神保健福祉センターを紹介し、依存症についての正しい知識を身につけ、薬物を使わない生活を考えていくためのプログラムを実施しております。

(清水彩子)
そのようなプログラムにも繋いでいただけるとのことでありがとうございます。薬物依存症の治療について、市内の病院でも受けられるのでしょうか。

(市の答弁)
薬物依存症の治療につきましては、専門機関である薬物依存症センターが設置されている病院になりますので、近いところでは、小平市にあります国立精神・神経医療研究センター病院となります。

(清水彩子)
専門の病院でないと治療は難しいということでわかりました。相談について伺います。
友達に誘われて過去に薬物に手を出してしまったけれど、自分の体は大丈夫なのかなど、そうした健康の相談について、どのような相談先があるのでしょうか。また、自分が違法薬物を過去に使用したことを話すと犯罪歴とされるのでしょうか。

(市の答弁)
薬物に関する健康相談の相談先につきましては、精神保健福祉センターとなりますが、近いところでは多摩市にあります多摩総合精神保健福祉センターとなります。 
また東大和警察署に確認したところ、薬物に関する通報や連絡等はその状況にもよりますが、一定の証拠がなく言動だけの情報提供では、捜査につながらないことが一般的に多いとのことでございます。

(清水彩子)
わかりました。きっと興味本位で手を出してしまったり、断れなくて薬物を使用してしまったけれど、誰にもその事を相談できずに、長年健康の不安を抱えている人もいるのではないかと思いますので、体のことを第一に相談してみてはどうかと思います。

違法薬物に手を出してしまった人の早期発見、早期介入や再発防止・リハビリテーションが薬物を使用している本人にとって重要でありますが、周囲は違法な薬物であると『面倒なことに巻き込まれたくない』『友達だから言えない』『自分が言ったと知られたら困る』など、相談に繋がりにくいと思います。
薬物乱用に関する情報提供というのは、匿名でできるのでしょうか。

(市の答弁)
多摩立川保健所に確認したところ、薬物乱用に関する情報提供は匿名でも相談を受付ているとのことでございます。

(清水彩子)
匿名でないと話づらい場合も多いと思いますので、匿名で情報提供できる場所がありよかったです。

予防啓発について伺います。小・中学校での薬物乱用防止教育、薬物乱用防止教室について、どのような内容なのか、オーバードーズについても触れているのか教えてください。

(教育委員会の答弁)
小・中学校では、主にセーフティ教室で年1回薬物乱用教室を実施しています。また、小学校保健、中学校保健体育の授業の中で、指導を行っています。
内容としては、警察関係者や保健所職員等を講師として招き、薬物を乱用することで心身の健康に害があることや、医薬品の正しい使い方についての指導を行っています。

(清水彩子)
ありがとうございます。高校生あたりから自分でアルバイトをしてお金を自由に使えるようになったり、親の目も届きにくくなるので、小・中学生のうちに、家庭と学校と地域で、薬物に関する正しい知識をつけておくことが大切だと思います。そして、市販の薬についても正しい使い方を教えていただいているとのことでありがとうございます。オーバードーズについては、手段として薬の服用を選ぶわけで、根底にある気持ちに寄り添い、孤独感などの気持ちをやわらげる支援が、社会でも必要なのだと感じます。市としても、若者の孤独について考えていかなくてはならないと感じます。

文部科学省の「令和3年度における薬物乱用防止教室開催状況調査」によりますと、薬物乱用防止教室は学校保健計画に位置づけたという小・中・高等学校はアンケートに回答した学校の97.4%を締めていますが、武蔵村山市の小・中学校も、薬物乱用防止教室は学校保健計画に位置づけられているのでしょうか。

(教育委員会の答弁) 
学校保健計画に位置付けるよう指導をしております。

(清水彩子)
わかりました。SNSを通じ売人と繋がること、オーバードーズ、子供たちを取り巻く薬物乱用の現状について、どこか実感がわかない保護者も多いかと思います。どのように保護者にも啓発し、家庭で子供を見守っていただくか、市としての取組がありましたら教えてください。

(教育委員会の答弁) 
セーフティ教室等で実施する薬物乱用防止教室については、保護者にも理解していただくよう参加をお願いしております。

(清水彩子)
ありがとうございます。本来家庭でも子供に教えていかなくてはならないものですが、SNSをはじめ、子供のほうが次々に情報を入手してしまい、親世代のほうが知らないことが増えてきていますので、一緒に学べる機会があるということはとても良いことだと思いました。
保護者も子供をとりまく現状を知り、子供とよく話をしたり、困った時には相談できる親子関係であることも予防のひとつだと思います。

薬物乱用は、家族も巻き込み、依存症など生涯に渡り大変な思いをします。      
薬物に手を染めた若者の背景に、家に居場所がない、社会に居場所がない、そうした要因があることもあるため、背景にも目を向けて支援をしていく必要があります。
薬物は身近なところにあります。不意に誘われても「自分はやらない」と断れるよう、これからも市、東京都薬物乱用防止推進武蔵村山地区協議会、保健所、警察署等、関係機関が連携し、武蔵村山市の若者の健康を、若者の未来を守っていただくようよろしくお願いします。以上で2項目めの質問を終わります。

【動画】
https://smart.discussvision.net/smart/tenant/musashimurayama/WebView/rd/speaker_minutes.html?speaker_id=26&search_index=99

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